青の効果音制作日記 9「スーファミサウンド再現」
音源がなければ自分で再現してみよう。
フリーチップチューン音源とかで検索してもファミコンやゲームボーイの音源は沢山出てくるのに、なかなかスーファミ音源はヒットしません。
これにはスーファミ音源がサンプリング音源であったため、各社、各作品によって統一されていないという背景があるかと思います。
しかし、スペックによって同時発音数8音、再生周波数32k、ADPCM16bitといったややローファイで心地よい感じの質感、当時主流だった現在レトロ、ビンテージと呼ばれているシンセの音色などで作られたサウンドを利用する事で再現可能なのかなと思っています。
用意するもの、実践する事
①レトロ系シンセ音源
②作曲はトラックを5~6トラックで作成してみる。
③EQあるいはローファイ系プラグイン
実際作ってみる1 音源
まず、イメージ的なものもあるかも知れないので、真面目にその年代のものを再現したいという場合には、細かに分析してみるのが良い気がします。
当時の流行や方向性、オケヒが流行っていたり、ゲートリバーブが流行っていたり、イントロが長かったり、曲のケーデンス、構成など現代のものと少し違っていたりするところを再現すると逆に当時のものっぽくなるのではと思います。
当時流行っていたのはRolandのSCとか、ヤマハ、コルグ辺りの音源、海外製だとEnsoniqだとか、この辺りをターゲットにしたフリーVSTも存在するので利用してみるとよいと思います。とりあえずDAW付属の音源でもよいかと思います。
実際作ってみる2 作曲
作曲は同時発音数を意識して作ってみる。
効果音が鳴る事を考えると、5~6音で構成作るのがよいかなと思います。
現代のゲーム音楽と比較するとチープな感じがするかも知れませんが、それでも当時ファミコンに比べるとかなりの進歩だったのではないかなと思われます。
あと音数が少ない分、無駄がなく考えられた曲作りがされていたのではないかなと思います。
バンドでもスリーピースのシンプルなロックとかってカッコよく感じるのですが、無駄がなくストレートに音が届きやすい、アレンジが逆に緻密だったりする事が要因だったりするのかも知れません。
スーファミ系効果音を作ろうとするとちょっと難易度高いかも知れません。
そもそも統一されていませんし、作品によってばらつきもあるので。
ですのでスーファミ系効果音が作りたい場合、音源、音質辺りのアプローチで近づけていくのがよいのかも知れません。
実際作ってみる3 質感調整
持続音は実際ループ再生されているので、その辺を再現するとそれっぽくなりますかね。Kontaktとかにある感じ。(まあこれはとりあえず置いておいて。)
で曲を調整する段階、あるいは最初からでもよいと思いますが、EQあるいはローファイ系のプラグインを使って質感を合わせます。
現在の音楽の再生周波数より若干低めなので、高域、低域が心地よく削れた感じに聴こえます。なので実際のスーファミ音源を聴きながらその帯域をカットしながら調整していきます。この辺は個人差あると思いますので個人の感覚で。
以上の事を実践してみるとスーファミ音楽っぽいものができるのではと思います。
まとめ
探しているものがなかったりすると諦めの境地に入ってしまう事もあるのですが、いろいろ考えていると活路が見つかったりします。
いろいろなものを再現、自分で耳コピしたりして試行錯誤してみると意外に楽しかったりするのでお勧めです。
なんとなくその音楽を作った人に近づける気もしますし、思考も勉強になったりします。
結果だけを手に取ると時短になりますが、遠回りして過程を楽しんでみるのもよいかも知れません。
個人的に失敗は経験であり、無駄と感じることもいつかは役に立つものなのではないかなと思ったりしています。