ふと思うこと 5 「やさしさ」
日常生活の中でよく耳にする「やさしさ」という言葉ですが、もの作りする人にとってもよく耳にする言葉だと思います。
「音にやさしさがある」とか「やさしい味がする」だとか、少し曖昧な表現ではあるけれど分かり易い表現だったりします。
自分はもの作りにおいてこの「やさしさ」というのは相手を気遣うということなのかなと大まかに解釈しています。
例外もある気はしますが多くの場合、対象となる人に向けての思いが加味されて作られたものが「やさしさ」というものに繋がっているのかなという気がしています。
商業的にターゲットに向けてというのも「やさしさ」とは意味合いが多少違っていている気もしますが、そこには相手を考えるという思考が含まれています。
何かものを作る時、やりたい事、表現したい事を形作っていくと思いますが、その向こうに誰か人をイメージすることで、出来上がるものが変わっていくのかも知れません。
良い、悪いというものではない気もします。「やさしさ」が全てではありませんし、方向性が違えば「やさしさ」を排除することも必要かも知れません。表現の仕方によって「やさしさ」というのも様々であると思います。
これはもしかしたら日常生活においても同じような事が言えるのかも知れません。
ですがこの「やさしさ」というのは表現方法は様々であれ、感覚的に何となく心地よかったりするというのも実感する所であります。
時には誰かをイメージして誰かに向けて何かを作るというのも悪くないかも知れません。それが架空の人であっても、会えない人であってもよい気がします。さらにその「やさしさ」に見返りを求める必要もない気がします。
「やさしさ」というのは受け取る人によっても受け取り方が様々であるし、同じ思いが相手に伝わるとは限りません。「やさしさ」というものが実際に表現できるかどうかもわかりません。
ただこうして文章を書きながら何かを作ろうとする時、相手を意識することで、出来上がるものの形が変わっていくのではないか?という気がしています。
そして自分もこの「やさしさ」を大事にしていきたいなと思っています。