2023年 おもしろかった漫画たち
またもご無沙汰です。
今年は例年より本があまり読めなかった…と思っていたんだけど、今年読んで面白かった漫画なんだっけ?と思い返してみるとわりとぽこぽこ浮かんできた。
慌ただしくしている時でも、その隙間を縫って面白い本はちゃんと手元に届いてくるのだから不思議なものです。
とはいえ、来年は漫画も活字も、もっとたくさん出会いたいなあ。
ちょっとネタバレあるかもなのでお気をつけください。
ではでは。
読後、大河ドラマ…いや、朝ドラを一作見終わったような満足感でいっぱいになる作品。
1878年の長崎、フランスからの輸出入を扱う小道具屋に奉公としてやってきた少女・美世の物語。
美世の成長物語とも、店の主人・モモを中心とした変わりゆく歴史のうねりの物語とも楽しめる。
個人的には終わり方もこれ以上ないくらい良く
、特にタイトルの「ニュクスの角灯」の意味を美世が知るシーンが素晴らしかった。
天狗が大好きなので気になって読んでみた漫画。
天狗の末裔には14歳の1年間、世俗から離れて隠遁生活を送らねばならないというしきたりがあって、そのしきたりどおり、主人公のオンは、ほぼ初対面の年が離れた兄・基と隠遁生活をはじめるのだが…?というお話。
初めは、出てくる料理がどれも美味しそう!作ってみたい!修行僧みたいなのに食いしん坊の兄可愛い!徐々に仲良くなってく兄弟可愛い!とほのぼのしながら読んでたんですが、2巻、3巻と読み進むうちに、
なんで基はNYから来た感じがまったくないんだろ?とか、いくら本人が希望したとはいえ、未来ある若者をずっと隠遁生活にとどめることをなんで誰も反対しないんだろ?とか、なんでこの兄弟こんなに歳離れてるんだろ?異父兄弟?ではないようだ…?
とか、色々疑問点が湧いてきた。
これから背景については描かれていくのかな?
とにかく続きが楽しみです。
待ちに待った入江喜和新連載!!
前作、「ゆりあ先生〜」の設定とやや被るところもあるものの(親の介護やちょっとダメな旦那、主人公の年齢など)また全然違う物語にしているのはさすがと言わざるを得ない。
家事と介護と店の切り盛りで毎日を慌ただしく過ごす主人公が、ある日突然一目惚れしたもの、それは、ポルシェ。
周りの反対を退け、54歳の主人公は運転免許を取ることを決心する。というお話。
あらすじだけ見たら、全然面白そうじゃないでしょ?これを面白くしちゃうんだからすごい作家だなあ、入江喜和は…と、唸ってしまう。
物語はまだ始まったばかり。
主人公・未知の大冒険をこれから見守って行きたいと思います。
この漫画をぜんっぜん知らずに生きてきたことに不思議な気持ちにすらなってしまう。
なんでこんなに面白い漫画誰も教えてくれなかったんだろう…。
1巻の発売が2002年なので、もう20年以上続いている漫画なんですねぇ。
四辻で辻占いをする男・閑。彼の元には、道に迷った人々が、答えを求めてやって来る。
基本、1話完結のオムニバスですが、泣けるほど優しい話や、救いのない残酷な話、考えさせられる話…そのどれもが独特な柔らかいタッチの絵で紡がれています。
1話とっても長編になりそうなほど深い話が惜しげもなくどんどん使われていて、作者の引き出しの多さに感嘆してしまう。
既刊は20巻まで出ているのでぼちぼち集めていこうかな、と思っています。
最後に。
https://www.amazon.co.jp/ダンジョン飯-14巻-ハルタコミックス-九井-諒子/dp/4047377406
終わっちゃったねえ!
連載が始まった当初、「九井先生の初長編はもっとシリアスなのが良かったな…」と、点で的外れなことを思ってたけど、連載が進むにつれ、いい意味で裏切られまくって、そしてこんなに素晴らしい最終回を迎えてくれるとは。
もう、最初から最後まで最高だったとしか言いようのない漫画です。
ああ、面白かった!と本を閉じてから、じわじわと寂しさが広がって来ています。もっとこの世界にいたかったな。
番外編とかスピンオフとか描いてくれないかなあ。
人の欲望は本当に尽きませんね…。