tofubeatsの「ふめつのこころ」が提示する新しい音楽
tofubeatsの「ふめつのこころ」と言う楽曲があります。
https://youtu.be/W4TtTzSxqv8
桂正和さん原作のコミックスを、西野七瀬さんと野村周平くんW主演で実写化したドラマ「電影少女ーVIDEO GIRL AI 2018ー」のエンディングテーマ曲です。
この曲はメロディも編曲センスも歌詞もすべてが素晴らしく、まさに、
2018年にアップデートされた、切ない恋心を形にした歌なのですが、
冒頭の「それは/君へのまなざしだから/口には/出して言えないよね」
から始まるリリックに、恋愛感情のエッセンスがギュっと詰まっていて、
様々な年代のリスナーの心に響きリーチする曲となっています。
tofubeatsと言えば、様々なポップスやロック、テクノ、などの音楽のエッセンスを俯瞰して噛み砕いた上で、2019年的なまさに現代の音楽の形を提示してくれる、稀有で希代のトラックメイカーですが、そのtofubeatsが、様々な名曲で切り取られて来た思春期の恋愛感情の切なさ、を、普遍的な「愛」に昇華させた上で、それを極めて現代的のトラックに載せて歌っているのがとても斬新で素晴らしい。
特に素晴らしいのが、サビの歌詞です。
「アイはきっとふめつのこころ
君をずっと見守っているからね
何度だって繰り返しして君となら永遠に」
アイは「愛」だとは思うのですが、と同時に、
アイ、はこのドラマ「電影少女」の主人公である、西野七瀬さんが演じるビデオガールの名前「天野アイ」の「アイ」でもあるのではないでしょうか。
そんな、ダブル・ミーニングになっている気がします。
ストーリーの設定上、アイはビデオの再生期間が終わると消滅してしまう、はかない存在なので、だからこそ、「愛」と聴けばこのサビ全体に普遍性を、「アイ」と読み解けば、そのはかない存在であるアイに対する、切ない心情が、2018年的にアップデートされたトラックメイキングの乗せて、
リスナーの心にダイレクトに訴求して来ます。
永遠には一緒にいられない相手に、消えてしまうことが既にわかっている相手に、それでも尚「永遠に」なのです。
だからこそ「ふめつのこころ」と言う曲名やリリックが導き出されるわけですね。
これからtofubeatsがどんな進化を見せてくれるのか楽しみですし、同じ時代に暮らしていてラッキーです。
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