SESの洗礼をモロに受けた未経験エンジニア初現場備忘録
こんにちは、Midoriです。今回は、昨年9月にエンジニアになった自分の初現場での体験や感じたことについて書きたいと思います。
まず、ひとことで言ってしまうとものすごく辛かった!!!
どれくらい辛いかというと、自分は前職が航空自衛隊だったのですが、その時の教育隊期間より辛かった!とはいっても辛いのベクトルが少々ちがいますが笑
もちろん辛い以外もたくさん学んだことがあったので、ネガティブなことばかりではありません!
それでも人生で初めて、仕事が辛くて泣いたくらいです。何が辛かったかは後述しますが、とにかく毎日メンタルボロボロになりながら3か月の間、最初の現場を過ごしました。それでは何があったのか、見ていきましょう。
どんな現場だったか
自分はSESへ入社しましたので、研修終了後に実際の現場に派遣されます。以下が自分の派遣された現場の詳細です。なお、特定されてしまうとまずいので少々ぼかした表現になることはご了承ください。
共済系システムのテスター要員(期間は3か月間)
同じ会社の同期と派遣された(その人も初現場)
自社の立ち位置としては三、四次請け?ぐらいな商流
上位のリーダーのもとに入り、3人で基本は動いていた
自社SESの先輩は一人もいなかった
テスト担当と障害対応担当にチームが分かれており、自分はテスト担当
チーム全体はだいたい20人ほど
ほとんどBPの人たちで構成され、プロパーは2人だった(PM、PLさん)
オンサイト(フルで出社でした、満員電車万歳)
テストは単体テストと結合テストを実施
テストのみの予定だったが、最後1か月はPG修正、詳細設計書修正等も行うことができた
こんなところでした。
初現場で辛かったこと7選
①毎日わからないことしかなかったこと
これはある意味では当たり前で、エンジニアなら誰しもが通る道だとは思います。
SVN?なにそれ?SQL!?Linux!?全然覚えられてないし!
設計書見ろ?多すぎってどれ、、?検証?テストとは違うの?何でやるんだ??
そしてなにこのエラー、、、どうすれば解決するの、、、?
今となっては多少理解できたり覚えたりしたので落ち着いた気持ちでいられますが、本当に当時は、あぁなんか詰んだなと毎日毎日感じていました。
また、この現場でもう一つ厄介なことがありました。それは、共済というジャンルのシステムを扱っているということもあり、専門用語や仕組みが非常に難しかったことです。今までの人生で自分はあまり保険や共済といったものについては、しっかり調べたり興味を持ったことがありませんでした。そのため、内容がものすごく難しかったうえにつまらないと感じてしまい、毎日モチベーションを保つことが非常に難しかったです。
段々とそのうち自分が今悩んでいることが、エンジニアの技術的な部分なのか、共済の内容や仕組みといった部分なのか、分からなくなっていました。そのため、時間が経つのが短いのに体感は地獄のように長いとかいうよく分からないけどものすごく辛い状態になってしまっていました。
ただこれは正直なところ現場次第だったり、時間が解決してくれるような内容な気が個人的にはしています。今も正直分からないことはたくさんありますし、そのたびに色々な人に聞いたり調べたりしています。しかし、初現場の時と比べて大分色々なことが分かるようになったのも事実です。
どんなに分からないことでも、一度でも触れることができれば人間多少であっても知識が身につき、覚えているものです。覚えていなくても、初めて知った時よりも抵抗がなくなり、簡単に覚えることができます。
なので、分からないことがたくさんあってもあまり気にせずに、一歩一歩ステップアップしていくつもりで、どんと構えて日々の業務に取り組むようになりました。
②安易に質問できない事情があったこと
正直自分は①よりもこっちの方がものすごく辛かったです。
自分の会社では、案件を獲得しやすくするために中途未経験採用のエンジニアには、研修で学んだ知識で対応できる想定のステップアップ期間なるもの(だいたい10か月ほどの架空の現場経験期間)が入社後1年間スキルシートに盛り込まれます。(悪く言えば経歴詐称)
そのため、初現場であるにも関わらず自分は開発や設計、テストの経験がある体で現場に派遣されます。
参画前の面談の際にも、架空の案件にも関わらずさも現場経験があるかのように振舞わなくてはいけず、すごく後ろめたさを感じました。
それは現場に行ってからも同じで、やったことのないことや分からないことがあっても素直に聞くことができず非常に辛い思いで過ごすことになりました。
しかもそんな中、ひとたびボロを出してしまった日には「基本については大丈夫って言っていませんでしたっけ?」となってしまい(自分は実際に現場の人に言われました)、辛すぎて泣きそうになりました。
もし、未経験でSESエンジニアになろうと思っている方がいましたら、「初現場参画の際にステップアップ期間などは設けていますか?(経歴詐称行っていないか?)」というのは必ず聞いた方がいいです。
まだ経歴詐称の度合いが自分の会社は少ない(?)ものの、嘘をついているという意識が少しでもあると、常に後ろめたさを感じてしまい、素直な気持ちでいることができません。そのため、質問するという一番成長できる機会をかえって阻害してしまいます。
なのでこれだけは本当に確認した方がいいです。
③BPさんの対応が基本的にあまり親身ではなかったこと
こちらについては、①同様ある意味では当たり前なのかもしれませんが、BPさんはビジネス上パートナーであって他社であり、同じ会社の人間ではないため、あまり親身な対応をしてくれません。もちろん人によるところはありますが、基本的にはこの認識なんじゃないかなと感じました。
ある程度の経験が既に自分にあるなら、面倒な人付き合いが少ないといったメリットにもなるかもしれませんが、エンジニア初現場となるとそうはいきません。特に、自分のように自社の先輩が一人もいない状態だと分からないことを気軽に聞けませんし、何度も質問することとなるとどんどん気が引けてしまいます。
そのうえ②でも挙げた事情を考えてしまうと、質問することが非常にハードルの高いものとなってしまい、自分は果たしてこの現場に必要とされているのだろうか…と思ってしまいました。
④リーダーと合わなかったこと
今回の案件は、上位のリーダーと自分と同期の3人で上位の会社の人間として現場に派遣されました。そのため、何か分からないことがあったら基本的にはリーダーに聞いてくださいと言われていました。
自分も同期もそうなのですが、未経験エンジニアにとって一番身近な存在であるリーダーというのは命綱みたいな存在であり、特に初現場ではリーダーに頼らないと生きていくのが非常に難しいと自分は考えていました。
しかし、このリーダーが自分はかなり性格的に合わなかったのです…。基本的に少し厳しめに対応をするタイプの方だったので、かなり細かく注意を何度か受けました。
リーダーは決して間違っていることは言っていなかったのですが、言い方がキツいということと、初現場で何が何だか分からない状態でミスしてしまったことについて注意を受けることが非常にストレスでした。(リーダーは自分たちが初現場ということは分からないので仕方がないですが…)
リーダーが自社の理解ある先輩であったり、他社でももう少しマイルドな方だったらこういった思いはしなくても良かったのかもしれません。改めて、人間関係の難しさや社会の理不尽さを身に染みて感じることとなりました。
⑤炎上による負のループから抜け出せなかったこと
社会の理不尽さという意味では、こちらも驚きました。現場の炎上です。炎上しているという説明は現場からは初めされていなかった(というか相手方からしたらできませんが…)ため、現場が初のエンジニアを自分の会社は炎上している案件に投入してしまったのです。
ただでさえ仕事が分からないことだらけでストレスが溜まるのに、急かされたり残業や休日出勤をする羽目になってしまい、心も体もボロボロになりました。
よく炎上している現場を経験するとすごく成長する、はじめのうちだからこそ炎上している現場を経験した方がいいなんてことを聞いたりしますが、まったく良くありませんから。もう声を大にして言います、まったく良くありません。
メンタルがボロボロになり、寝ても起きても仕事のことが頭に浮かんで鬱一歩手前ぐらいの状態になりますし、早く終わらせなくてはいけないため分からないことが出たら、考えずにすぐ有識者に聞いて解決してもらう流れにならざるを得なく、全く成長できません。有識者の時間もたくさん奪ってしまいます。
また、体調を崩す人が続出してそのしわ寄せが他の人に来ることによって、仕事は増えるわスケジュールはどんどん遅れるわと、どうしようもない状況になってしまいます。
こういった炎上による負のループに陥ってしまい、自分はどんどんと沈んだ気持ちになり、追い詰めなくても良い自分のことを追い詰めてしまって、「エンジニア向いていないのかな…やめようかな…」と考えるようになってしまいました。
⑥開発経験があまり積めなかったこと
今回の案件はテスター要員として現場に派遣されたため、ほぼほぼ開発に携わることができませんでした。基本は打鍵をして、テスト仕様書の項目を満たしているかを確認したり、うまくいかなかったらログや設計書を見て原因を特定するという日々を毎日送っていました。
初めのうちは上記の仕事すらこなすことができませんでした。どの設計書を見ればよいかも分からず、またログのどの部分を見てうまくいっていないというのを判断すればよいかもわからなかったため、テストが失敗するたびに憂鬱な気持ちになっていました。
一概にそうとは言えませんが、開発や設計から関わっていれば仕様がある程度は理解できるため、テストのハードルも少し下がったのかなと今思うと感じました。そのためテスター案件というのは意外と難しく感じ、日々辛い思いをしているのに開発経験は全く積めていないため非常に漠然とした焦りを感じながら過ごすことになりました。(その後1か月だけ設計書修正とコード修正を行え、初めて多少の理解にはつながりましたが…)
⑦案件期間が延びた&次現場の開発案件が消えたこと
そして自分がとどめを刺されたのがこちらです。今回の案件ですが、実はテスター要員の案件は2か月で終了し、3か月目からは別現場で同じ上位の元でスライド案件として開発を担当することがもともと決まっていました。
自分は開発の経験が積みたかったため、2か月耐えた先にはこの案件がある…!とモチベーションにしてこの辛い案件を何とかこなしていました。そんな現場2か月目の末に、営業の方からなんと今の現場が炎上して終わらないから1か月伸ばしてほしいという要望が現場からあったと告げられました。そして、それと同時に本来あるはずだったスライド案件も現場の予算の都合上無くなってしまったということも伝えられました。
自分の心の中で何かが崩れていく音が聞こえました。こんな経験は初めてでした…笑 あまりにひどくて笑ってしまったのを覚えています。
もちろん拒否権はなく、そのままその現場にもう1か月働くことになりました。結果的に1ヶ月で多少の開発経験が積めたので良かったと言えば良かったのですが、それでもこの現場にいることはものすごく辛かったので本当に本当に長い1か月を過ごすことになりました。
そんな状況の中この現場から得たもの
色々な悪条件が重なってしまった結果、自分にとっては散々な初現場となってしまいました。もちろんすべての人の初現場がこんな感じではないはずなのでそこはご安心してください。自分の同期も、意外と暇という人もいたり同じくらい大変だったり、自社の先輩いたから安心したという人もいたりと色々ではありました。
しかし、そんな辛い中であっても少しずつではありますが色々なことを学ぶことができました。
まず1つ目は、現場の空気感やエンジニア業務の流れがわかったことです。
実務未経験の身にとっては、実際のエンジニアとしての業務がどうなっているのかということは、研修だけではやはり分かりません。実際の現場はすごく大変ではありましたが、そういった意味では非常に学ぶことが多かったです。
進捗をミーティングしたり、開発工程を意識して設計書や仕様書を確認したり、実際に作成した成果物をコミットしたり、、。これらのことは独学や研修では中々得ることのできない経験だったので、そういった経験を積めたことは良かったです。
2つ目は、分からないことに対する質問力が上がったことです。
前述にもありましたが、質問相手が他社のBPさんであったり、何度も質問することによって相手の時間を奪ってしまうことを考えると、いかに上手く質問できるかが重要になってきます。
かといって、そのことを考えすぎて質問できずにいたり、時間をかけすぎてしまうと進捗に影響が出てきます。そこで自分は、とにかく相手任せに感じ無いような質問の仕方をするように心がけました。
というのも正直初現場はほとんど分からないことだらけです。場合によっては何が分からないのかすら分からないといった状況にもなります。なので自分は、解決が人任せに感じられるような質問の仕方にならないことが大切だと考えました。
ただ分からないとだけ伝えてしまうと、相手は分からないことに対し自分で解決しようとする姿勢が見えないと感じ、あまり良い気持ちがしません。人によっては怒られてしまいます。
そのため、なるべく相手の視線に立った言葉遣いで質問することが大切です。具体的には、分からないことがあったら自分は「〜が分からない+α」を意識した質問を心がけました。
「〜はどうやるか分からないのですが、どこを確認すべきですか?」
「〜の意味が分からないのですが、〜という考え方でしょうか?」
といった感じで、ただ分からないと伝えるよりも分からないけどこういうアクションで良い?というようなニュアンスで聞くと、皆さん快く教えてくれたような気がしています。
ただ、それでも分からない場合は分からないと聞いてしまった方が良いです。人任せにしてしまっても大丈夫です。本当に大切なのは進捗を遅らせないでタスクを終わらせることですからか、、!
最後に3つ目は、不安との付き合い方を学んだことです。
これだけの環境にいると、休日を素直に楽しめなくなったり、将来のことが心配になったりと色々な不安が常に湧き起こるようになります。
人間である以上、不安を感じないというのはほぼ100%無理な話なので、いかに不安とうまく付き合っていくかが重要になります。
自分は不安を感じたら、感情を紙に書き出したり独り言として自分の感情を実況したりと、感情の言語化を積極的に行うようにしました。ネガティブな思考を自分ごととして捉えるのではなく、第三者的に捉えるようにすると幾分か気が楽になります。
休日に仕事のことが忘れられない場合は、なるべく五感を刺激できるような他のことに没頭するようにしました。週末に実家に帰って家族と買い物に行ったり、楽器を演奏したり、友だちとスポーツしたり。とにかく、家に引きこもらないで仕事以外の行動を起こしてみると、自分の場合はすごくリラックスやリフレッシュできました。
不安な気持ちというのはとにかく反芻しやすく、自分事と感じて感情に飲み込まれてしまいやすいです。そうなってしまうと心身ともに不調になってしまうため、不安を感じていることに気づいたらまずは深呼吸をし、五感が刺激できるような他のことに没頭してみると良いかもしれません。そんな不安との付き合い方を学ぶことができました。
おわりに
今回は、未経験エンジニアとしてSESに入社自分の初現場エピソードをお話しました。
分からないことばかりだったり、炎上してたりと辛いことは多かったですが、それでも何とか乗り越えることはできました。こんなに辛いところを乗り越えたんだから次はきっと良いところだろうな…!と思うも束の間、もっと過酷な残業パラダイスの現場に行くことになってしまったのはまた別の話。
とにかく、初現場から何もかも上手く行くなんていうのはほぼほぼあり得ないなと思った方が良いです。大切なのは、そんな状況でも日々少しずつステップアップすることと、ある程度の忍耐力をつけること、本当にヤバくなったら発信したり逃げることだと自分は思います。
何だかんだで何とかなります。まずはあまり深く考えず、初現場は飛び込んでいきましょう!
拙い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございます!
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