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電気抵抗の代わりにLED

廣瀬元紀さんの展示を見ていたら押すと光るスイッチを見つけた。スイッチの入力を機器へのラインの他にLEDに分岐している。マイコン経由で2個のリレーに分岐か。。
廣瀬さんに仕組みを尋ねたら

を教えていただいた。
分岐ではなくフォトリレーへの電流調整に使う抵抗の代わりにLEDを使われていた。なるほど。

(回路と計算)

手持ちのフォトリレーTLP241Aと赤色LEDで計算してみた。
 TLP241A は秋月のweb pageによると
     入力順電圧1.27V、入力電流max 30mA
     出力電流2A、ピーク出力電流6A
  データシートでは
     入力順電圧1.1~1.4V(標準1.27V)
     入力順電流 5~25mA(標準7.5mA)
 赤色LEDはシリコンハウスのワゴン品なので素性不明だが
  ネットで調べて
       赤、橙、黄、黄緑、純緑 約1.8~2.2V
       白、電球色、青、青緑 約3.2V前後
     を見つけたので 順電圧 2V とする
 よって、Vr=1,27、VL=2V 、I=7.5mA で計算をする
電源が5Vの場合(Vcc=5)
 $${R=\dfrac{(5-1.27-2)V}{7.5mA}=230 \Omega}$$
電源が電池3本の場合(Vcc=1.5*3=4.5)
 $${R=\dfrac{(4.5-1.27-2)V}{7.5mA}=164\Omega}$$
電源が電池2本の場合(Vcc=1.5*2=3)
 $${R=\dfrac{(3-1.27-2)V}{7.5mA}=-270\Omega}$$×
 分子の値がマイナスになっている。抵抗は不要。
 というかリレーを動かせるだけの電流が流れるのか。不安。

(実回路)
白のブレボーが電池2本、緑が3本バージョン

(実験結果)
電池2本バージョンの動画
 下の画像をクリックで再生
         (または https://youtube.com/shorts/wNUKpGkls9g  )

ちなみに3本バージョンも問題なく動いた

2本でも動いている!
設定値を変えて再度計算すると
 リレーの入力順電圧1.1~1.4V(標準1.27V)
 LED赤、橙、黄、黄緑、純緑 約1.8~2.2V なので
リレーもLEDも、最小のVr=1.1V、IL=1.8Vなら
  Vcc-Vr-VL=3-1.1-1.8=0.1V
なんとか分母は正の値になる。
ちなみに廣瀬さんが使われているTLP222AF
入力順電圧が1.0-1.3V(標準1.15V)であり、このほうが余裕がある。
ただし、出力電流はmax500mAでTLP241Aの2A(ピーク6A)よりかなり
小さいので大電流の機器はきびしいかも知れない。
TLP241Aの回路でマブチモーター(RE-280RA)で駆動するトントンくん
動作させてみたが、動きはスムーズだった。押しっぱなしにしてもリレー
の発熱は感じられなかった。電源3Vでは電池がヘタってきたときの動作に不安があるので、TLP241Aでは電源は4.5Vにしたほうがよさそうである。(またはコンバータで昇圧?)

(まとめ)
LED点灯用に別回路が必要なとき、リレーへの電流調整の抵抗の代わりにLEDを使う方法は非常に有用な方法である。リレー以外にもトランジスタなど応用範囲は広いと思われる。
教えていただいた広瀬さんに感謝!ありがとうございました。

追記
その後「障がいのある子の力を生かすスイッチ製作とおもちゃの改造入門」で1入力2回路のリレーがあることを知った。(941H-2C-5DG5V-2
乾電池ボックス、3.5φモノラルジャック、リレーを直列に繋いで使っている。