見出し画像

幸福な企業はそれぞれに違う

「誰も気付いていない、価値のある企業とはどんな企業だろうか?」
この質問は見た目より難しい。というのも、大きな意味を生み出すだけなら、企業自体が価値ある存在でなくても可能だからだ。
企業は価値を創造するだけでなく、創造した価値の一部を社内にとどめなければならない。
事業規模が巨大でも、ダメな企業は存在する。
例えば、アメリカの航空会社は数百万の乗客を運び、金額にすると毎年数千万億ドルもの価値を創造している。2012年には、平均178ドルのうち、航空会社の取り分は、わずか37セントだった。
グーグルの創造する価値はそれより少ないけれど、自社の取り分ははるかに多い。2012年、グーグルは500億ドルを売り上げ(航空会社は1600億ドルをうりあげている)その20%を利益として計上している。
それは、同じ年に航空会社が上げた利益率の100倍にもなる。
グーグルの収益性は極めて高く、現在の時価総額は、アメリカの航空会社合計の3倍になる。

航空会社にはお互いがライバルだけれども、グーグルにはそうした相手はいない。
経済学者はその違いを説明するのに単純化された二つの図式を使う。完全競争と独占だ。

「完全競争」は、経済学の教科書において理想的なデフォルトの状態とされている。
いわゆる完全競争市場とは、需要と供給が一致し、均衡状態に達した市場だ。
ここでは、企業間の差別化は存在せず、売り手は全く同一の製品を販売している。
どの企業も市場への影響力はなく、市場が価格を決定する。
利益機会が生じると、新規企業が参入し、供給が増えて価格が下がるため、参入者の目論んだ利益機会は消滅する。参入企業の数が増えすぎると損失が生まれ、一部の企業が撤退する事で価格はもとに戻る。

完全競争下では長期的に利益を出す企業は存在しない。

完全競争の反対が独占だ。完全競争下の企業が市場価格を強いられる一方で、独占企業は市場を支配しているため自由に価格が設定できる。競争がないので、独占企業は生産量と価格を調整して利益の最大化を図る。
経済学者の方から見れば独占企業はどれも同じにみえるはずだ。
不正にライバルを蹴落としていようが、国から既得権を得ていようが、イノベーションによってトップに登ろうが、変わらない。
「独占企業」という場合、それは他社とは替えが利かないほど、そのビジネスに優れた企業という意味だ。
グーグルは0から1を生んだ企業の好例でありマイクロソフトやヤフーを2000年代の初めから完全に検索分野で引き離した。
競争のおかげで社会主義国と違って自分たちは配給の列に並ばなくて済むのだと思っている。
でも実際には、資本主義と競争は対極にある。
資本主義は資本の蓄積に成り立つのに、完全競争下ではすべての収益が消滅する。だから起業家ならこう肝に銘じるべきだ。
永続的な価値を創造してそれを取り組むためには、差別化のないコモディティー(必需品、日用品、商品)ビジネスを行ってはならない。

上記内容は著書ZEOtoONEでピータースティールが語っている。
日本はインターネットの普及で決済、ポータル、物流の3つを取られてしまった。
今から起業を考える中、スマホのリペア業は爆発的な需要を生むだろう、しかし日本のオリジナルは当分出そうにないのか?

宜しければサポートお願いします。クリエイターとして活動資金に使わせて頂きます。