ヴァリアンツについて
初めまして。サルハン(@GreatGAIMON)です。
今期ヴァリアンツを使用してCSに出場し、3-2が2回、片方がトナメ上がり初戦負けという結果でした。
まるで芳しくない結果に終わったものの、圧倒的なデッキパワーを誇るティアラメンツ相手に5-2。
2敗の内容もそこまで悪くなく、しっかり磨けばワンチャン頑張れる可能性を感じます。
というわけで、せっかくなので自分の考えを色々残しておこうと思います。
結構はっきり持論を述べていますが、戦績かなり微妙なので「それは違うでしょ」みたいな異論や反論は大歓迎です。
ヴァリアンツを使っている人の一つの手がかりにでもなれば幸いです。
※本記事執筆時のOCGは2022/10/1〜2023/1/1におけるクシャトリラ・ティアラメンツ登場後のティアラメンツ1強環境で、私の住む地域ではトーナメントがほぼほぼティアラメンツに占められています。
前提条件としてご留意の方お願いします。
※ソロアクティベートが登場していない現在のマスターデュエル版ヴァリアンツでは根本的に成立しない部分があるのでその点もご留意ください。
1.先行展開
本noteではヴァリアンツの先行展開以外の部分に焦点を当てるのが趣旨です。
ですから、今回は本noteを読む上で支障の出ない範囲のみを紹介します。
先行展開についてもっと詳しく知りたい方は参考文献を載せておきますので、そちらをご覧ください。
それでは、以下が今回紹介する構築のかなり基本的な展開例となっております。今回は最小値を1例に挙げていますが、大まかな流れは同じですのでご覧ください。
ヴァリアンツは東雲1枚が大きくアドバンテージを生み出す為、展開の起点もそこです。
よってこの、エレクトラムを作って東雲を回収する、所謂「P前エレク」が基本中の基本の動きになってきます。
せっかくなのでここからの動きも一応載せておきます。
本noteを読む上では特に必要ありませんし、長くなるので別ページで。
また、メインでの最大盤面は以下のようになります。
サイド後だとここに+で魔法使い族の里やヴァリアンツの西園が加わったりもします。
要点としては
・レベル4.2体で御影志士を作ってパキケファロをサーチし、使っていない召喚権で通常召喚。
・ビヨンドザペンデュラムからサーチした稀代の決闘者で戦闘耐性を付与
・ライゴウやスペリオルドーラ、アルクトスで伏せを割ったり耐性を与えてパキケのバックアップを行う。
・サイド後はマジェスティPからサーチされる魔法族の里も追加される
というものです。
ようわからん人もこれだけ抑えておけば十分。
以下は参考文献です。
「もっと展開知りたいよ…」という方はこちらで色々展開を見ていただくと大体流れがわかってくるかと思います。
Twitterでも色々展開動画上げられてるので是非。
サイワさん(@saisaimaru)(Twitterに展開動画アリ、ヴァリアンツの1人回し多め)
sheepさん(@pbavbf)(Twitterに展開動画アリ、ヴァリアンツ以外も多め)
2.ヴァリアンツの強み
それでは次にこのデッキの強みについて。
ヴァリアンツには5つの強みがあります。
・先行盤面の強度が高い。
・後手も安定して戦うことができる。
・ラー玉ラヴァゴを無理なく使える。
・無効系妨害に対する耐性が高い。
・ティアラメンツとメタが被っていない。
それぞれ紹介していきます。
・先行盤面の強度が高い。
先ほど紹介しましたが、一度展開が成立すると
魔法使い族の里+パキケファロ+戦闘破壊無効+相手場にフィールド魔法+エンドフェイズカード破壊(+パキケファロに効果耐性+好きなタイミングで2面除去)
と、ラヴァゴーレムや一滴結界波、拮抗勝負のような普通はケアが難しいサイドカードすら封殺してしまう強固な盤面を作り出します。
一度敷かれた盤面はラー玉のような極少数のカードでしか捲りが効かず、伏せて捲るような動きすら許しません。
クシャトリラやラビュリンスといったデッキに突き刺さるメタを一切受け付けない盤面強度の高さは、他と比較した際の明確な強みです。
・後手も安定して戦うことができる。
ヴァリアンツはとにかく手数が多いデッキです。
その理由は共通である自己ss効果であり、デッキの中のほぼ全てのモンスターがこれに該当します。
テーマのフィールド魔法も一方向でなく相互で繋がっており、「このカードは引いて強いけどこのカードはお膳立てしてやらないと弱い」というカードがとにかく少ないです。
つまり、後手を取ることになった場合も、上記の性質上手札6枚のカードが全て手数として機能する確率が非常に高いということになります。
メインギミックだけでも2妨害や3妨害、場合によっては4妨害くらいであれば普通に乗り越えてしまうのはヴァリアンツの最大の強みです。
・ラー玉ラヴァゴを無理なく使える。
先行展開からもわかる通り、ヴァリアンツは一切召喚権に頼らず展開をすることができます。
ですから、ラー玉ラヴァゴといった現代遊戯王最上クラスの後手捲り札を無理なく扱える点は、特に展開系のデッキだと珍しく、目立った強みといえます。
・無効系妨害に対する耐性が高い
上記2点の強みにも通ずるポイントです。
エフェクトヴェーラー・小夜しぐれ・無限泡影といった代表的な誘発を手数で押し除けることができます。
こちらの特徴はビヨンドザペンデュラムの効果と密接に関わっている為、詳しくはそちらで説明します。
・ティアラメンツとメタが被っていない
今環境最大母数かつ最強のデッキパワーを誇るティアラメンツとメタがほとんど被っていません。
浮幽さくらはもちろんのこと、汎用性の高い精神操作や三戦の才といった魔法まで受け付けず、ビーステッド系の対面に関しては「おやつ」と言っていいレベルで有利がついています。被る部分と言えばディメンション・アトラクターくらいでしょうか。
墓地を主なリソース源とするデッキがトップティアーに上がる度に差別化が可能なのはメタを意識した場合のヴァリアンツの強みでしょう。
*追記(2023/01)
前期まで有利のついていたビーステッドですが、優秀なレベル2チューナー達の登場や、ディスパテル、アンヘル、スプライト等を用いた強力な先行展開を行う構築が組み上げられたことで大きく有利とも言えない状況となっています。
3.ヴァリアンツの弱み
ここまででヴァリアンツの強みを話しましたが、ここからは弱みについて話します。
私が思うには4つあります。
・押し引きの選択ができない
・Gニビルの受けが悪い
・出張ギミックをメインデッキに組み込み辛い
・所詮は展開系
これらです。
あえて多めに書きましたが、勿論ネガティブキャンペーンの意図はありません。
弱みを知って強みを押し付けることを目指します。
・押し引きの選択ができない
ヴァリアンツの最も特徴的な弱みだと思います。
ここでの「押し」というのはリソースを全て吐き出してワンキルないし絶対的な制圧に向かうことで、「引き」というのは少ない動きで最小の妨害を用意し、リソースを抱えてターンを返すことを指します。
ヴァリアンツはこの「引き」の動きが全くと言って良いほどできません。
展開途中でカードを増やす力自体はそれなりにあるのですが、妨害を立てるためには展開を最後まで通し抜く必要がある為、「リソースがあるときに止まる」という動きができません。
また、展開を終えるとリソースがほぼ全て消滅してしまいます。
故に、動きが完全に「押し」一辺倒であり、瞬間的な手数とアドバンテージの広がりで相手を押し切って勝つという戦い方しかできません。
ですから、ロングゲームやリソース勝負などには持ち込まない構築、プレイを意識する必要があります。
・Gニビルの受けが悪い
先述した弱点が引き起こす問題がこちらです。
途中で展開を止めることができない為、Gを通されたヴァリアンツには、追加で引き込まれる誘発に怯えながらただただ突っ走る道しか残されません。
幸い、最終盤面が里パキケのような0or100の無限妨害である為、展開さえ通れば勝ち筋は見えます。
無限泡影を「撃たせない」という形でケアできるのも救いでしょう、その他の誘発連打が無ければなんとかなることも多いです。
ただ、その際問題となるのがニビルの存在です。
一部のサイドカードが効かないという強みがこのデッキにはありますが、ニビルとなれば話が変わります。
展開の中でニビルのケアができるカードを特殊召喚5回目までに立てることができない為、ニビルをモロにくらいます。故に竜剣士同様ニビルは割り切りが基本で、このカードが重いということはそれを引き込めるGも同時に致命的なカードとなります。
ここからお分かりいただけるように、最終的な盤面の強度は高いものの、そこまでの過程は割と脆い部分もあります。
ですから、先行の過信は禁物で、サイド後も含めて全体の勝率を考え、バランスよく勝ちを狙う必要があります。
・出張ギミックをメインデッキに組み込み辛い
ヴァリアンツは下級ヴァリアンツの制約によって、エクストラ以外からのヴァリアンツ以外の特殊召喚を苦手にしています。
ですから、今期で言えば「クシャトリラ・フェンリル」の採用はイマイチ噛み合いませんでしたし、Pテーマで採用されがちな「霧の谷の巨神鳥」のようなカードも採用できません。
強力な汎用モンスターが発表されても取り込み辛く、活用できる他テーマと差が開いてしまうのもこのテーマの弱みです。
・所詮は展開系
サイドチェンジのスペース自体は作り出せる方なのでまだマシですが、1本目の同型勝負は割と先行ゲーです。
手数で押し切れる盤面ならまだなんとかなりますが、それこそ結界像のようなカードで蓋をする対面はどうしようもないです。
これはまあ展開系の宿命みたいなもんですね、書くほどのものでもなかったか。
弱みは以上になります。
トップティアーで無いがゆえの粗さはありますが、どれも戦い方を選べばカバーできる範囲のものです。
ですから、完璧を目指すのではなく、割り切る部分は割り切ってその環境で勝率を出せる方向に尖らせていくのが大切だと考えています。
4.デッキレシピ
今期最終的に使用した構築とほぼ同じものです。こちらをベースに話を進めていきます。
デッキの初動は東雲ではなくエレクトラムで、そこから東雲獲得→ゲームを始めていくという前提になっています。
その点、デッキの大半を占める自己ssの効果を持つPモンスター達はエレクトラムになることのできる初動であり、デッキの基盤です。
ビヨンドザペンデュラムを絡めることで誘発ケアの手段にもなり得ます。
また、メインはかなり先行に寄せた構築になっている部分もポイントです。
というのも、対ティアラメンツのメイン後手はそこそこから下ブレくらいであれば拾えますが、上ブレはGやその他のサイドカードに頼らないと捲ることがほぼ不可能であるというのが背景にあります。
ですから、いくら先行の過信が禁物なデッキとは言えども、メイン戦で後手に固執し過ぎると先手の勝率ダウンが後手の勝率アップを上回ってしまい、総合的な勝率を大きく落としてしまいます。
故に今期のメイン戦は割り切って先行の勝率を求め、サイド後から後手を意識することにしました。
5.メインデッキ
ここからは、先述の構築をベースに、採用理由やそのカードに対する考え方を述べていきます。
ヴァリアンツの巫女-東雲 3枚
確定枠です。
アドバンテージの獲得能力がテーマ内で頭2つ抜きん出ており、誰が見てもわかるマストカウンターです。
テーマ内の全てのカードにアクセスする事ができるカードで、1枚から展開を成立させることができます。
ただ、ソロアクティベートと合わせて枚数が6枚であり、それ以上枚数を増やすとなるとスモールワールドや金満で謙虚な壺に依存することとなります。
ところが、今期のヴァリアンツにおけるスモールワールドの評価は低いですし、後述しますが、初動として金謙を使うのはかなりリスキーです。
ですから、東雲を引いている前提でゲームを始めるのは些か無理がある為、今回の構築では東雲はスタートする前提のカードではなくエレクトラムからスタートして獲得できるカード、素引きは上振れ要素であり貫通札であると認識しています。
ヴァリアンツB-バロン 3枚
ヴァリアンツの忍者-南月 3枚
ヴァリアンツというテーマにおいて重要な位置移動の役割を果たす2枚。
バロンの②効果を自分に使うことはほぼ無く、ペンデュラムテーマ相手に使うかどうかといったレベルの効果で無いと考えても良いレベルです。
一方、南月は②側も効果が強力です。
Gデュークで動かしてGデュークそのものを特殊召喚し、そのままランク10を作り出したり、
フィールド魔法がないorエレクトラムでフィールド魔法を既に割ってしまっている状況で、ヴァイカントの効果で永続魔法化したモンスターを特殊召喚まで漕ぎ着けるといった役割を果たします。
上記のように効果の強さで言えば南月に軍配が上がりますが、南月は上級であり、特殊召喚に一定のハードルがあります。
事故を恐れて減らしている構築も散見されますが
・東雲へのうららの貫通札になる。
・後手時は西園を動かしたい為、位置を移動させるカードが一枚初手で欲しい。
以上の2点から複数枚数の採用が適切かと思います。
ただ、被りの弱さが目立つ場面もありますし、
後手だと水属性下級の2体が特に優秀であるが故に、相手による除去やこちら側の温存で盤面に存在しないケースが多く、このカードを出せない場面もあります。
ですから、3枚目は変更するのもアリだと思います。
今回は先行勝率への意識とマーキスの当たりを増やす観点から3枚。
ヴァリアンツM-マーキス 3枚
今回の構築を成り立たせる上でのキーマン。
貴重なアドバンテージ源である為3枚の採用です。
サイコロ効果が一見頼りないようにも見えますが、今回の構築ではヴァリアンツカードが効果を使ったマーキス自身を除くと24枚も採用されており、デッキの3/5を占めています。
また、それらのうち18枚はエレクトラムやビヨンドザペンデュラムを成立させるための素材になることができるカードであり、残り6枚(フィールド魔法+マーキス2枚、マーキスは自己ss効果を使用済みのため)も展開の補助に使用することが可能です。
サイコロを1回振った時の平均値が3.5であることを考えるとかなりの高確率で手数となるカードが獲得できることがわかります。
勿論、サイコロ効果はそれでも外れることは往々にしてある為、マーキスによってなんらかのヴァリアンツカードが獲得できる前提でデッキを動かすことはありません。
あくまでカード1枚分として考え、なにかが捲れたらさらに展開が伸びるな、後手まくりの成功率が上がるな、そしてそれをかなり高い確率で行ってくれるな、という認識で運用しています。
また、このカードに対する否定的な意見として「マーキスで何か捲れなかったら負けという場面で、もしなにも捲れなかったら負けになるのが嫌だ」という意見が見られます。
確かにそういった場面もあるでしょう。
では仮にそのカードがマーキスではなかったとして、一体どのカードであればその場面を打開できたのでしょうか?
ヴァリアンツは手数こそ多いデッキであるものの、アドバンテージの獲得は完全に東雲一体に依存しており、その他のテーマ内カードでデッキからカードを獲得することは非常に困難です。
しかし、マーキスは確率のブレこそあるもののPモンスター1枚から2枚に増える事ができる数少ないカードであり、おそらくこの役割を東雲に依存せず果たす事はスモールワールドであっても金満で謙虚な壺であっても困難でしょう。
「マーキスで何か捲れなかったら負けという場面で何も捲れなかった為に負けた」
という場面はもしかしたら
「本来Pモンスターの枚数が足りず確定で負けだった場面で、マーキスがワンチャンを生み出してくれた」
という場面なのかもしれません。
レベル4Pモンスターの採択について。
ここからはレベル4のPモンスターについて記載しますが、エレクトラムを初動としたヴァリアンツを構築する上でレベル4の枚数は非常に重要です。
というのも、最終盤面を作る上で絶対に欠かせない部分が御影志士パキケファロのギミックで、これを構成するのがレベル4×2だからです。
他のどんなカードが足りなくなるのも許容範囲ですが、ここだけは絶対に欠かしてはいけません。
それを踏まえると、例えば、レベル4でないPモンスター×3の初動では最終的なレベル4の枚数が1枚になってしまうのですが、これが問題なのはお分かりでしょう。3枚の中にレベル4が1枚必ず必要です。
また、東雲の②効果に誘発を撃たれるとかなりの場合レベル4の枚数が1枚減ってしまうのも懸念すべきポイントです。この懸念が存在する以上、レベル4を丁度2枚用意できるような調整は、相手の誘発1枚でプランが大きく狂ってしまう為非常にリスキーと言えます。
以上のことから、先行での安定した展開を担保するためにも、レベル4の枚数を少し過剰なくらいで調整しています。
ヴァリアンツの弓引-西園 3枚
東雲の次に強いヴァリアンツです。
一見妨害を踏めるか否かが50%にも見えるカードですが、相手目線では①の効果に対して効果無効を発動しなければ、表が出て無効にされた後②の効果でもう一枚妨害を踏まれるというリスクを負う為、ほとんどの場合効果無効もしくはルルカロスを切ってくれます。
以上のことから手数1としてカウントできます。
また、先行時も御影の素材として優秀で、セレーネで釣り上げることでリンク値+1になることができます。
アルクトスと合わせて妨害になることもしばしば。
エレクを作る、エレクに割られるの役割が可能なヴァリアンツ下級。御影の素材に優秀。後手は1枚欲しい。
3枚確定枠です。
ヴァリアンツV-ヴァイカント 3枚
先行でのスペリオルドーラ成立ルートにおいて、EXモンスターゾーン下の上級ヴァリアンツの成立、Gデュークのスケール化と替えの効かない働きをします。
また、フィールド魔法が発動中で手札にヴァイカントを抱えている状態では、最初のリンク2をビヨンドにして誘発を誘い、そこからヴァイカントと森羅万象でpモンスターを2体用意することで誘発を踏んだ上でエレクトラム→東雲の流れを作る事もできます。
東雲ほど質が高いわけではないですが、それでもカード3枚分になることができる為ヴァリアンツを動かす上で非常に重要な存在です。
自由に特殊召喚できる下級であり、先行展開の中でも特に重要なカードであることから、東雲に誘発を受けても獲得できるようメインは最大枚数採用するのが無難だと思います。
魔界劇団カーテン・ライザー 3枚
メインデッキではテーマ内に存在しない上スケールでありながら同時に自己ssも可能と、唯一の性能を持ちます。
特殊召喚に用いてリンク2の素材にすることは勿論、上スケールとして運用すればビヨンドザペンデュラムから東雲をサーチする余裕が生まれる為、あえて特殊召喚せずエレクトラムに誘発をもらってビヨンドから東雲に繋げるというパターンも頻繁に行います。
他にも、クシャトリラにエレクトラムを飛ばされたとしてもこのカードを引いていればビヨンドから東雲を獲得できたり、どこにでも特殊召喚が可能であることからフィールド魔法の百式公国とも相性が良かったり、何かと便利なポイントがあります。
サイド後の後手で稀代の決闘者をサイドアウトするのであれば貴重な上スケール要素ともなる為、1枚、もしくは素引きしてしまう事を考慮して2枚以上の採用推奨です。
EM稀代の決闘者 1枚
上スケールという役割と、パキケファロを戦闘から守るという役割を1枚で果たせるカード。
不採用の場合は羅天神将やヴァレルソードドラゴン、アストラム、アルクトスといったモンスターを最終盤面に成立させることが絶対条件になり、デッキとしての動きの柔軟性が損なわれることから必須枠です。
フォッシル・ダイナパキケファロ 1枚
必須枠。御影志士からサーチする妨害の要です。
後手まくりでもビーステッドにダメージカットされないようにする為の蓋や、アクセスコードトーカーでティアラメンツモンスターの除去をする際に効果を誘発させないようにするなどの役割があります。
また、デッキに存在していることで
御影志士サーチ効果→除いた西園をセレーネで吊り上げる→アクセス御影志士通常召喚パキケファロ
という動きで蓋をしつつ8000打点を用意することも可能になります。
この動きが強いが故に素引きを割り切ってサイド後後手もデッキに残すこともしばしば
割と頻発するパターンなので、ヴァリアンツを使い始めの方は覚えておくといいかと思います。
灰流うらら 3枚
ティアラメンツハゥフニス、ティアラメンツクシャトリラ、そしてなにより増殖するGを無効化できます。
ヴァリアンツはとにかくGの受けが悪く、通った場合はダメ元で突っ張るしかない為、汎用性を持ちながらGを無効化できるこういったカードの存在は極めて貴重です。
一方、メイン戦での対ティアラメンツの手札誘発としては評価が低いことから、手札誘発としての役割というよりも指名者の一部という認識です。
増殖するG 3枚
強い。
昨今の環境上採用するのが基本ですが、確定枠ではないのかなという印象です。
というのも、「ドローの枚数=手数になる」という部分を除けばこのデッキはそこまでGとの相性が良くありません。3つ理由があります。
・先行でとにかく弱い。
先行ではゲームの焦点がこちらのパキケファロの成立とその突破の可否ただ1点ですが、Gでカードをドローしたところでそのやりとりには干渉できません。
また、リソースが増えてもパキケファロが残る状況は大体勝ちで、パキケファロが突破されればターンが返ってこないのでゲームに関係ないです。
故に先行ではゲームに全く関与しない後手特化カードで、普通のデッキに《ライトニングストーム》や《拮抗勝負》を採用するのとほとんど同じ感覚です。
・リスクがある。
後引きや指名者、うららのリスクがあります。
採用できる誘発の枚数が少ないというのも一因で、本来相手が腐らせるはずの指名者から狙い撃ちに合ってしまいます。
・これほどのリターンが必要とは限らない。
そもそも後手がそれなりに強いデッキである為、全ての環境でGに頼らなくてはいけないわけではありません。故に、前述の2点も含めて考慮すると過剰なハイリスクハイリターンカードになってしまっている可能性があります。
同じ先行意味なくて後手捲れるカードなら、うらら指名者受けなくて後引き間に合うラー玉ラヴァゴの方が強くない?という話です。
強くない場合もあるでしょうが、強い場合もあるので固定観念を持たず判断する必要があります。
今期は対ティアラメンツを考えるとかなり良いカードでした。
基本的に上振れたティアラメンツに対応する事はこのカードと浮幽さくら以外ではほぼ不可能で、このカードのリターンは必要です。
また、デッキの中に4、5枚採用されているティアラメンツのテーマ内誘発が特殊召喚を伴うものであるのも重要で、本来先行だとやることがないこのカードが今期だと誘発貫通札になります。
また、こちらの後手1ターン目でもティアラメンツは展開してくる為、後引きでも十分役割が持てます。
以上を加味した結果今期はリスクよりもリターンが優っていると考えた為、3枚採用しています。
VV-ソロアクティベート 3枚
3枚確定枠。
東雲と同様に「初動になれる最強妨害貫通札」という認識です。
被りを考慮しても素引きのリターンがとにかく大きい為、減らす選択肢は無いと思います。
MDに早く来い
VV-真羅万象 2枚
VV-百式公国(ケーニッヒヴィッセン) 2枚
このデッキを使う理由の一つです。
このカード自体がアドバンテージを獲得する訳ではありませんが、メインで確実に3枚投入される無限泡影や、ラビュリンスの増加でチラホラ見られる拮抗勝負といったクリティカルな後手札を完全に機能不全にし、こちらの後手でもペルレイノやパライゾスを剥がしたりとなかなか他のカードではできない働きをしてくれます。
勿論、盤面の除去や展開の補助といった本来の用途も強力で、被ったヴァリアンツもこのカードで補助してやれば手数に変わります。
また、上級ヴァリアンツの特殊召喚ハードルを無くしてくれる点もそれらの枚数が多いこの構築とマッチしている点です。
被りを恐れ、合わせて2枚や3枚採用するケースが多く見られますが、今回は4枚採用しています。
実際このカード、先手はともかく後手での被りがかなり弱く、相手がこのカードに妨害を当てない限りは2枚目以降がほぼほぼ死に札になります。
ただ、今回のメイン戦では先行勝率の担保が最も重要な部分ですから、引き過ぎによる後手のリスクより、引けなかった場合の先手のリスクを重く見ています。よって合わせて4枚の採用です。
最後に、里発動中に相手の場にケーニッヒを残さないようにしましょう。(それで一回負けた)
墓穴の指名者 2枚
うららの項でも述べた通り、Gが重いことから最大枚数の採用。
他のG無効カードと違って無効化できるカードの幅も広く、先行の勝率を下支えしてくれる重要なカードです。
金満で謙虚な壺 2枚
「先行を勝ちに行く」という意志が最も強く表れたカード。
1.先行展開でご紹介しましたが、基本的にこのデッキは「P前エレク」からゲームを始めていくことになります。
当然、そういった構造にしている以上エレクトラムに対する誘発が重い場合もあります。
それを解決するのがこのカードの役割で、このカードから東雲やソロアクティベートといったカードに繋げる事で誘発を貫通することができます。
たった1枚でエレクトラムへの妨害をケアできることが素晴らしいのは勿論、墓穴等の他誘発貫通札と重なってしまった場合には初動にもなりえます。
1枚でどちらの役割も果たすことができるカードの存在が東雲やソロアクティベートと合わせて8枚、期待値1あるとないとでは初手の安定感が見違えるほど変わります。
また、後述しますが、サイド後から投入する魔法使い族の里を獲得するのに一役買うのも良い点です。このカードがなければサイド後の里の成立確率は70%を下回りますが、金謙2枚が入るだけで80%まで上昇します。大きな違いです。
後手ではかなりの使い辛さを感じさせますが、それでもメインはパキケが確実にある為ターンを返し易いこと、1本目は先手勝率の安定がかなり重要であることを鑑みて採用しています。
また、補足ですが最後に一点、このカードには気をつけるべきポイントがあります。
それは使用するタイミングです。
先行での金謙の打ち方
※注意
ここから先は6.エクストラデッキにおけるスペリオルドーラの項を読んでいただいた上で読んでいただく方が理解しやすいかと思います。
金謙は先行での発動タイミングがかなりシビアです。その理由はエクストラにあります。
今回のエクストラを広げたものですが、この中から先行展開で絶対に必要で、除外できないカードを除くと
こんな感じになります。右が絶対に必要なカード達。
ここから残ったカードを3つの区分に分けます。
こういった分け方になります。
これはスペリオルドーラを成立するにあたって絶対に必要なカード(上)と必要でないカード(下)、そして必要な場面もあるカード(中段)を分けたものです。
お分かりかと思いますが、金謙を使ってカードを6枚除外するとなると中段の「場合によってはスペリオルドーラの展開に必要になるかもしれないカード」(便宜上「中段」と呼びます)の一部もしくは全てを除外することになります。
金謙を発動する上ではこの性質をしっかり理解しておく必要があります。
先行1ターン目、初手5枚、金謙を除く手札4枚が、先程の「中段」さえあればスペリオルドーラを立てることができる4枚であった場合、
金謙を発動すると相手から全く誘発を受けていないのにも関わらず自らスペリオルドーラ成立の芽を潰してしまうことになります。
そしてこの「誘発を何も受けていないのに」という部分が問題です。
6.エクストラデッキでのスペリオルドーラの項で説明している通り、スペリオルドーラの最も重要な採用目的は御影志士への誘発ケアです。
これを念頭に置いた上で話を戻します。
仮に相手に誘発を撃たれたのであれば誘発ケアカードとしての金謙の使用はある程度肯定されます。
なんせ相手が既に誘発を撃っていますからね。
誘発を既に撃っているということは誘発がもう手札にない可能性が上がったということで、そしてそれは同時に御影志士へ撃たれる誘発の可能性が下がり、スペリオルドーラによるケアの必要性が落ちたことを意味します。
金謙でスペリオルドーラのルートを潰すこともある程度肯定されるでしょう。
しかし、何も誘発を撃たれていないのでは話が変わります。
何も誘発を撃たれていない状況では依然として御影志士への誘発の脅威に備えなければなりません。
その中で、自らスペリオルドーラへ向かう為のルートを潰すのはリスクのある行為と言えるでしょう。
また、「中段」の中には誘発を受けた場合の妥協点として使用するモンスターも存在しています。
相手が一体どこに誘発を撃つのか?金謙から何が捲れて何がどうケアできるのか?
不確定要素がこれだけ多い中で着地点を先に除外してしまうのは順序が逆で、これもまたリスキーです。
誘発を受けなかった際の金謙の使い方にはコツがあります。
それは、P召喚直前に使うか使わないかを判断することです。
このデッキの先行展開は誘発をもらうポイントがおおよそP召喚前に存在しています。(エレクトラム、東雲、ビヨンド)
ですから、P召喚直前にはおおよそのサーチが終わっていて頭数が出揃っている為、どれくらいのモンスターが並ぶのかも簡単に予測できますし、P召喚後には誘発を受けるモンスターはセレーネか御影志士くらいしか残っていないので、このタイミングであれば何が捲れるとどうなるのか、何を除外していいのかの判断が容易になります。
「中段」ありきでドーラが出ることがわかるのなら撃たなくていいですし。
ドーラが出せないのならそれらを除外して墓穴の指名者を探しに行くべきですよね。
エクストラを多く使いそうなのであれば3枚除外の択ももちろんあります。
以上が僕の考えるヴァリアンツでの金謙の撃ち方です。
6.エクストラデッキ
ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム 1枚
確定枠。
言わずと知れたPテーマの心臓であり、このデッキの初動です。
冒頭のデッキレシピの項でも書いた通り、基本的に「P前エレク」で東雲を獲得し、デッキを回していきます。
軌跡の魔術師(ビヨンド・ザ・ペンデュラム) 3枚
間違いなく「ヴァリアンツ」というテーマを成立させているカードで、エレクトラムが禁止になるよりこのカードが消える方が圧倒的に厳しいレベルです。
用途としては上スケールの獲得がメインで、上スケールが既に手札にある場合は東雲を始めとしたヴァリアンツモンスターをサーチする余裕が生まれます。
エレクトラムより先に出すことで誘発を貰いにいくこともしばしば。
②の効果も強力で、この効果が、①効果発動段階のビヨンドに対するフィールド上の効果無効カード(サリークやスタペリア、無限泡擁)の使用を対戦相手に強要します。
どちらの効果も勿論重要ですが、このカードを使用する上で特筆すべきは①の効果の性質です。
効果の適用後、非常に重い制約が科されるこの効果ですが、それと同時にターン1の制約を持たないというメリットも持ちます。
この「ターン1が無い」というのがこのカードを扱う上での肝となります。
2.ヴァリアンツの強みでも少し触れたかと思いますが、ヴァリアンツは無効系妨害に対してある程度の耐性があります。
その理由がこの効果で、無効系妨害をもらったとしてもターン1の制約が無い為、
モンスター効果発動→効果無効もらう→横にヴァリアンツ出してモンスター+ヴァリアンツでビヨンド→効果無効もらう→横にヴァリアンツだしてビヨンド+ヴァリアンツでビヨンド
という動きを用いる事で相手の誘発1枚に対してヴァリアンツモンスター1枚で交換する事ができます。
先行ではエレクトラムへの誘発をこのカードがケアしてくれるパターンもありますし、
後手であれば先述の通り②の効果がこのカードへの妨害の使用を強要するのも合間って、相手に弱い効果無効の使わせ方を強いることができます。
上記の妨害貫通を多用すること、このカードの効果自体がそもそもかなり通したいカードであることから、このカードに関しては1枚以下にすることはあり得ません。
2枚以上の採用が確定枠かと思います。
3枚目については、スペリオルドーラを成立させる際に「エレクトラム+Gデュークで作れるリンク体」が必要なルートがある為、その枠で採用しました。
数回ドーラ成立以外の目的で使用した為感触は良かったです。
ただ、必要なのであれば他の「エレクトラム+Gデュークで作れるリンク体」でも構わないと思います。
羅天神将 1枚
今回のメインデッキでは1回きりの特殊召喚効果持ちモンスター×3を複数セットという構成をとっている以上、どうしても被りが発生して召喚権が必要という場面に遭遇します。
そういった場面で、召喚権をパキケファロに残さなくともよくしてくれるこのカードの存在は貴重で、先行展開の動きに柔軟性を与えてくれます。
また、②の効果も優秀です。クシャトリラ対面のメイン戦はバース+フェンリルで盤面の解決を狙われてしまう為、アルクトスもしくは羅天でパキケファロを守っていきます。
一方、サイド後は本来パキケファロの解決になり得ない精神操作がこのカードの存在で解答札になってしまう場合もある為、使用する際は注意が必要です。
何度か抜けたり入ったりを繰り返していますが、抜くと案外必要な場面が出てくる為現在は採用しています。
神聖魔皇后セレーネ 1枚
先行時のリンク値伸ばし、後手でのアクセス成立で主に使用します。
ビヨンド効果を使用後、エクストラデッキにPモンスターが3枚あるのであればP召喚前に出して効果を破棄してもP召喚後に出して効果を使っても、最終的なリンク値自体は変わりません。
西園にアクセスできずカーテンライザーとヴァイカントで御影志士を作る場合や、EXモンスターゾーン下の東雲をどかして上級をおきたい場合は前者の方が良いですし、里やアルクトスの都合上西園を場に残したいのであれば後者の方が良いです。
手札や盤面の状況と相談し、出すタイミングを変えていきます。
アクセスコード・トーカー 1枚
ヴァレルソード・ドラゴンと選択する余地はあると思います。
前期であればムドラケルドウによる墓地リンクの一掃や、ビーステッド系によるセレーネビヨンドの除外が面倒でしたが、今期はそれらがほぼおらず、ビヨンド以外で除去をしながら打点を用意したい場面がチラホラあった為こちらを選択しています。
破械雙王神ライゴウ 1枚
先行展開で場に出すリンク4として最も理想的なモンスターです。
メイン戦でこちらがパキケファロ+稀代の決闘者という盤面を作ると、ティアラメンツ側は
スクリーム落としからの罠回収→ガバ伏せ+ティアラメンツモンスター通常召喚エンド
というプレイを取ります。
サリークやメタノイズといった伏せカードをこちらのターンに駆使してパキケファロを無力化し、融合召喚を狙うという意図があります。
しかし、サリークやメタノイズはどちらもフィールドにティアラメンツモンスターが存在している場合にだけ使用できるカードであり、エンドフェイズにライゴウでそのティアラメンツモンスターを除去してしまえば、無限泡影以外のセットカードは全て発動機会を失うため抑え込むことが可能になります。
あとは全員で突撃して勝利です。
他にもアルクトス+西園と組み合わせることで4枚ものカード破壊が見込める為、ラビュリンス相手にも比較的強力に使用することができます。
双穹の騎士アストラム 1枚
自由枠。
稀代の決闘者へアクセスすることができなかった場合、戦闘破壊からパキケファロを守る為に使用します。
それだけの目的なら羅天でも良いのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、羅天はビヨンド+魔法使いで出すのが普通である為、魔法使いの枚数を多めに消費します。
故に里と相性が悪く、羅天を出すと最終的に魔法使いの枚数が足りなくなりがちです。
しかし、アストラムであればビヨンド+非魔法使いでセレーネを出し、御影から西園を除いてパキケサーチ、セレーネから西園を吊り上げてセレーネ+御影でアストラムと、魔法使いの消費を一体抑えながらアストラム+西園の盤面を作ることができます。
また、誘発をチェックする目的でエレクトラムより先にビヨンドを出し、結果ビヨンドの下にエレクトラムを生成することになった場合も、そのエレクトラムを素材にライゴウ下アストラムを出す事でより強固な盤面を作る事ができます。
No.2蚊学忍者シャドー・モスキート 1枚
教えてもらったカード。
その人から教えてもらった内容を我が物顔で話すのは気が引ける為、自分で考えた部分だけを話します。
強み弱みの部分でも触れた通り、ヴァリアンツは基本的に1ターンでの絶対的な制圧ないしワンキルを狙います。ところが、昨今は環境トップレベルにもなると、バトルフェイズビーステッドによるダメージカットや、非破壊時効果持ち、破壊耐性持ちのモンスターによる盤面の掌握が当然のように行われます。その為、ワンキルには「ビヨンド②効果+アクセスorヴァレソ」以上の一工夫が必要な場面が多いです。
そういった状況で役割を果たすのがこのカードです。
なにせ、モンスター×3+シャドーモスキート+相手の場に攻撃力2700以上のモンスターという状況でワンキルが成立しますからね。
先ほど述べた厄介なモンスター達の処理や、バトルフェイズのビーステッドに憂いを感じる必要もありません。
リソースを無視してただただワンキルへ向かう動きはヴァリアンツの目的と合致しています。
また、このカード、一見出し辛そうに見えますが意外に使い勝手が良いです。
その理由に、ヴァリアンツでの後手時に見られる特有の動きがあります。
ヴァリアンツを使用されている方のほとんどが経験されると思いますが、後手捲りの際はよく東雲を2度特殊召喚します。
1度目は自己ss、2度目はP召喚です。
というのも、1度目の自己ss後の①効果にはほとんどの場合無効系妨害が撃たれます。
相手目線からしてみれば1つの妨害で2つのサーチを否定できるわけですから当然でしょう。
となれば、こちらは2度目の特殊召喚で東雲を効果無効の状態から解き放ち、②の効果を使用可能にする必要があります。
実際、これはかなり頻発する動きで、後手のカツカツな状況であればここでモンスターが1体増えるか否かでは大きく変わりますから、狙えるのであれば当然狙います。
これを踏まえた上でワンキル前の盤面を吟味すると、東雲+これを動かすバロンor南月は積極的に盤面に出しているパターンが多くなるということになります。
つまり、ワンキルの達成にはこれらのモンスター達を打点に上手く昇華する必要があるということです。
ここがまさにシャドーモスキートが噛み合う部分です。
東雲とバロンを素材に使うシャドーモスキートはこの盤面を打点に昇華するにあたってほとんど無駄がありません。
また、後述しますが、召喚権も基本は使う必要がなく、P召喚し直した東雲からサーチしたヴァリアンツを通常召喚する選択肢も取れる為、ヴァリアンツにありがちな「両端塞がってる問題」に対応しながらワンキルへの頭数を揃えることもできます。
今使いやすい理由を説明しましたが、イマイチピンとこないと思います。
というわけで、実際に使用したティアラメンツ環境を引き合いに、さらに具体的に話していこうと思います。
対ティアラ想定のシャドーモスキート
対ティアラメンツのワンキルを考えた際に無視できないのが、ティアラメンツ・スクリームによる攻撃力ダウンの存在です。
基本的に、盤面のティアラメンツを全て除去しながらワンキルするとなると、シャドーモスキート非採用のヴァリアンツでは「アクセス+御影パキケファロ」もしくは「アクセス+深淵」という組み合わせで相手の特殊召喚効果を封殺しながら対応することになります。
ところが、ティアラメンツ・スクリームの適用下では打点が不十分になってしまいます。追加の要素が必要です。
というわけで、スクリーム下でワンキルできる「アクセス+御影パキケ」「アクセス+深淵」の盤面を作って、シャドーモスキートと比較してみましょう。
まずは「アクセス+御影パキケ」ですが、スクリーム適用下でワンキルするとなるとこんな感じの盤面になるのではないでしょうか。
全員に500ダウンが入るので、+で1200以上の打点、即ち上級ヴァリアンツorヴァイカントは必須です。
ではこれらのカードで盤面を作ってみます。
初期盤面です。
まずはこんな感じで、東雲とヴァイカントを出します。南月を出して東雲を動かし、西園をサーチします。
サーチしました。ただ、召喚権はパキケの為に温存しないといけない上、南月が邪魔な為西園が出せません。
これが先程述べた「両端塞がってる問題」です。
上のカードが揃っていても、カードの動かし方の都合上ビヨンド+スケールだけでは「アクセス+御影パキケ+南月」の盤面を作る事はできません。
P召喚する前に西園南月ないしレベル4モンスターが一体場に出ている必要があります。
ではシャドーモスキートはどうでしょう。
今回は条件の統一の為に召喚権が残っている前提で動きます。
先ほどの初期盤面です。
南月を出して東雲を動かします。今回はバロンをサーチ。
通常召喚。
パキケ出さなくていいのでここに召喚権を使えます。
シャドーモスキート+モンスター×3です。
このように、パキケを使ったワンキルパターンには到達できなかった初期盤面でもシャドーモスキートへは向かう事ができます。
また、そもそもシャドーモスキートによるワンキルであれば他のモンスターが西園やヴァイカントである必要すらありません。枚数こそ必要ですが、カードの指定は東雲とそれを動かすモンスターだけです。
カードの枚数に余裕の無い後手ではこのわずかな要求値の差がゲームを決定します。
この差を埋めてくれるのがシャドーモスキートというわけです。
結構ここまででお腹いっぱいかと思いますが、次は「アクセス+深淵」の場合です。しんどい。
スクリーム適用下でどうやったら打点を作れるか最終盤面を考えます。
これだけでは打点は足りません。ここにどう付け加えるかを考えます。
深淵の打点は素材から西園を外してセレーネの吊り上げ効果でリンク値に変換している為1700になっています。ですから、スクリーム下だと2体合わせて打点が6000です。
ここに打点を追加で2000用意するとしましょう。
一体の場合は打点が2500必要です。
ヴァリアンツG-グランデュークはその条件に合致しますが、後手捲りの段階でグランデュークを出せるように上級の位置を調整するのは難しいでしょう。
2体の場合は打点が3000必要です。
東雲はスクリーム下だと打点が無いので意味がありません。
バロンも相方が2200必要です。グランデュークの次に大きい攻撃力が本構築だと南月の1800なのでこちらも意味がないでしょう。
さらに、レベル4の2体は深淵の素材にしている為、実質的に+で上級ヴァリアンツ2体が必要ということになります。
ここで「東雲の出し直し」の条件を考えながら要求値を考えてみましょう。
「東雲+上級2種+レベル4.2種」
バロン以外の全てのヴァリアンツが場に出ているということになります。
断言しますが、盤面をまくりながらこんな盤面を作るのは不可能です。
これ以上検証するまでもないでしょう。
ここまでで示した内容でお伝えできたかわかりませんが、構造上の相性自体は良い方だと思います。
勿論、環境や構築、サイドチェンジによって必要のない場面はいくらでも出てきます。
採用する方がレアなカードであるのは間違いないです。
ただ、
「1戦目のビーステッドが危ぶまれる」
「面処理の面倒なテーマがtier上位」
「ターンを返し辛い構築、サイチェンを考えている」
そういう状況では、このカードを採用候補に考えても良いのではないでしょうか。
御影志士 1枚
パキケファロをサーチします。
No.81超弩級砲塔列車スペリオル・ドーラ 1枚
ヴァリアンツは展開ルートの開拓がチラホラ行われていますが、その中でもこのカードの発見は最大級の革新と言えます。
ヴァリアンツは先行展開の終盤で御影志士からパキケファロのサーチへ向かいますが、よほど上振れない限りは展開過程でアポロウーサを立てる事がない為、御影志士まで無効系誘発を待たれると一切ケアできず直撃するという致命的欠陥を抱えていました。
しかし、このカードの成立ルートが生まれたことで状況が一変。
御影志士まで誘発を待った対面を咎めることが可能になりました。
ヴァリアンツは深く研究されておらず、理解度が高いプレイヤーも少ない為、御影志士まで誘発を待たれるということは中々ありません。
そしてその状況に甘んじているのか、このカードを採用していない構築はかなり多いです。
しかし、このカードを採用しないということは
「1枚でも御影志士まで誘発を待たれていたらリソース0のフェンリル1枚で壊滅する盤面になる」
という条件に対して同意することを意味します。
観戦が少なく初対面も多くなるシングルイベントやマスターデュエルであればそこまでのプレイを取られる可能性も下がるかと思いますが、CSとなると周囲からの観戦も多くなりますし、同じ方と複数回対戦することもあることからリスクを重く見て確定枠としています。
ヴァリアンツG-グランデューク 2枚
スペリオルドーラを採用している都合上こちらも確定枠です。
P召喚前に出した上級ヴァリアンツをGデュークに変換し、P召喚し直すことで上級の枚数を増やしてアルクトスへ繋げたり、ケーニッヒヴィッセンで魔法罠ゾーンへ送ったラヴァゴーレムを大ダメージを与えながら使いまわしたりと、細かい使い道があります。
針淵のヴァリアンツ-アルクトスⅫ 1枚
最新弾で登場したヴァリアンツ待望の新規カード。
当初の評価は人により様々でしたが、現在は良カードという評価に落ち着いているのではないかと見ていて感じます。
単純にモンスター2体で出せる妨害というのがヴァリアンツでは革新的で、ライゴウ+パキケの隣に追加する形で添えることができます。
基本は御影への誘発をケアすることを優先してスペリオルドーラを出しますが、ライゴウと併せて3面、西園がいれば4面のカードに触れるのは驚異的で、メイン一本目の基本的な捲られ手段であるガバ伏せに対抗できるのはスペリオルドーラにはないアドバンテージでもあります。
スペリオルドーラは出ないが上級が並んでいる場合や、両方出せる場面。罠デッキ対面でパキケよりも伏せ割りの方が大事であるのならば積極的に出していきます。
また、これは小技ですが、ライゴウアルクトスパキケ稀代のような一見3面しか触る事ができずガバ伏せが怖いような盤面であっても、相手目線だとPテーマということで無限泡影を端に置いてることがほとんどであるため、エンドフェイズに「場のティアラメンツ両端の魔法罠」と破壊すると腐ったサリークやメタノイズ、ブラフ魔法なんかが中央3列に残ります。
あとは返しに3面処理して全処理です。
今後も「端に無限泡影を置かれる」というPテーマの性質を逆手に取れる場面はあると思います。
みなさん是非。
追記
ドーラとアルクトスを両立させるルートの一例をサイワさんが挙げられていたためこちらでご紹介させていただきます。
7.サイドデッキ(少し)
竜剣士マジェスティP&魔法使い族の里 1枚ずつ
エレクトラム→マジェスティ→里と繋げることでサイド後の魔法による捲りを無効化します。
たまにメイン採用されている構築を見かけますが、個人的には過剰だと思います。
今現在の環境上位デッキであるティアラメンツ、クシャトリラ、ラビュリンスのデッキレシピを見渡していただければ分かる通り、メインデッキには魔法による後手捲り札はほぼ存在していません。
クシャトリラ意識のメイン皆既は消滅しましたし、ごくごく稀にティアラメンツがティアラメンツ・ハートビーツを採用していることがあるくらいで、クシャトリラのバースからの捲りも羅天神将やアルクトスで十分対応可能です。
メイン採用のメリットはほぼありませんが、逆に採用すると後手で腐るカードの枚数が2枚も増えてしまいますし、これは副次的なものですが、一度不必要に見せると相手がサイド後からの魔法の投入を渋ってしまい、里の効力が薄れます。
今期はサイドからの投入が適切でしょう。
【追記】
どうせメインサイド55枚のどこかに入れるならサイド15枚の内の後手札2枠分とメインの後手サイチェン対象枠2枠分を確保する為にメインに入れるのも良さそうです。
テラ・フォーミング 1枚
ヴァリアンツフィールド魔法と魔法使い族の里を使い分ける事ができ、展開補助や無限泡擁+拮抗勝負ケアへの選択肢も残しながら里+パキケファロの再現性を高めてくれます。
金謙から直接里を捲る確率をこのカードの採用で16%から30%へ引き上げることができるのも地味に嬉しいポイントで、エレクトラムやマジェスティへの誘発を考えると割と良い上がり幅なのかなというのは体感です。
G3枚目との先行サイチェン枠を考えた際、ヴァリアンツのサイド後先行は里の再現性が最も重要と考えたことからこのカードを採用しました。
残り12枚
ここは今話してもあんま意味ないと思いますので割愛します。
対ティアラメンツはサイドカード1枚での捲りが安定しなかった為、最終的にはサイドカード2枚で捲れるような構築を目指しました。
8.採用しなかったカード
スモールワールド
ヴァリアンツは手札の枚数がそのまま手数に直結します。
ですから、手札の枚数を減らすこのカードはそもそも構造上デッキとして相性があまり良くありません。
一方、東雲が手札にあるか否かでデッキのパワーが目に見えて変わるのも事実です。
手札の「枚数(≒手数)」を捨てて「質」を向上させるこのカードはいわばデッキの「最大値」を落として「平均値」を上げるカードです。
ですから、環境においてどれだけのパワーが要求されているのかによってこのカードの評価は変化すると思います。
今期はティアラメンツが圧倒的なデッキパワーを誇っており、後手からワンチャン捲るのであれば高い最大値を求めていく必要がある為、ミスマッチと判断しました。
また、ラヴァゴーレムがティアラメンツに対して刺さりが悪いというのも懸念されるポイントでしょう。
というのも、スモールワールドは「手数」を犠牲にしてしまう為、それを特に要求する後手では、単純に使用するだけでは非力なカードになってしまいます。
ところが、ラヴァゴーレムを1枚デッキに入れておくだけで、「スモールワールドとコストでラヴァゴーレム→手札2枚でモンスター2妨害を踏む」or「スモールワールドと魔法無効の交換」を行うことが可能で、本来スモールワールドを引いた瞬間確定してしまう「手札枚数−1」の問題をある程度解消することができます。ヴァリアンツではほとんどどのモンスターからラヴァゴーレムへ繋げることができるのも魅力的でしょう。
つまり、ラヴァゴーレムの評価はスモールワールドの評価にある程度の影響を及ぼすということです。
個人的には先行札として見るだけであれば間違いなく金満で謙虚な壺に軍配が上がる為、後手でのバリューという面で差別化する為にもスモールワールドとラヴァゴーレムはほぼ必ずセットで採用されるべきと考えています。
そのラヴァゴーレムの評価が先述の通りティアラメンツに対しては低い為、スモールワールドも評価を落としています。
三戦の才
ヴァリアンツと相性自体はとても良い1枚です。
コントロール奪取効果が強力であることは勿論のこと、先述の通りヴァリアンツは手札の枚数がそのまま手数に直結するデッキである為、ドロー効果も強力に扱うことができます。
その上、無限泡影をメインギミックでケアできる展開デッキであるという都合上、相手目線モンスター効果無しにこちらの動きを抑えることが難しい為、引いた瞬間「三戦の才使えないなら展開全通りorモンスター効果使われたら三戦の才使える」のどちらに転んでも美味しい2択が発生します。
しかし、今回の構築だと先行で「P前エレク」に誘発をもらったとして、そこからの2ドローで展開を繋げようとすると東雲orソロアクティベートorレベル4含むヴァリアンツ2枚or特殊召喚できるヴァリアンツと上スケール、という高い要求値のドローが必要になります。
これでは誘発ケアの手段としてはいささか頼りないです。
また、サイド後の後手においても、対ティアラメンツに効果的なサイドカードがGさくら刻印と、ドローでは間に合わないカードで構成されており、かみ合いの悪さが見えます。
極め付けはコントロール奪取の効果がケアされやすいというのも弱みです。
コントロール奪取の強い打ち方は相手の妨害効果持ちのモンスターを奪いつつリンク値が+1になることを狙う打ち方で、対ティアラメンツであればスタペリアを奪うことでさらにもう1妨害無効にすることを狙うというものです。
しかし、ヴァリアンツはエレクトラムも含めてモンスター効果がほとんど起動効果であり、(共通の②の効果も起動効果である位置移動効果よって誘発する為、実質起動効果です。)
こちらがモンスターを特殊召喚してから次の効果を発動するまでにスペルスピード2以上のカードを使うタイミングを何度も対戦相手に与えてしまいます。
つまりスタペリアやカレイドハートのような奪いたいカードが、こちらが三戦の才を発動できるタイミングではフィールドにはおらず、こちらがモンスターの特殊召喚に成功してからまさに次、モンスター効果もしくは三戦の才を起動しようという、この間のスペルスピード2のタイミングになって初めて姿を現すということです。
そしてその一連のやりとりの間では通常魔法である三戦の才による介入は不可能で、やりとりが処理された後には効果使用済みのスタペリアやカレイドハートと手札の三戦の才という結末が待っています。
これでは前述の強い打ち方は一切できません。
また、ドロー効果とコントロール奪取効果だけでなく、ハンデス効果もティアラメンツ・クシャトリラの登場によって相手の手札誘発を奪い取る力を失っています。
3つそれぞれの効果が全て微妙な評価であり、
効果的か否かが相手のプレイ次第である点が、対戦相手はできうる限りの最高のプレーを取ってくると想定すべきと考えている自分の考えとズレてしまっていることから不採用としました。
抹殺の指名者
ヴァリアンツというテーマはGの受けがとにかく悪く、通ってしまえば負けに一気に近づきます。
しかし、抹殺の指名者を採用したとしても初手でGが飛んでこないor止めることができる確率は、うらら墓穴の5枚時における約84%から6枚になって86%と、たった2%しか変わりません。
CSにおいて先行はいいとこ15回とかです。
しかし、2%は50回に1回の事象となっています。
また、ヴァリアンツの構造上ケアしやすいうららを無効にする価値も薄く、少量の無効系誘発の採用も現環境ではそこまで良い選択肢とは思えないため、流行りの小夜しぐれや無限泡擁もケアできません。
その上で後手時に強いカードでないことも明白です。
明らかに引いて勝つゲームよりも引いて負けるゲームの方が多いと判断したことから不採用としました。
Dデューク
レベル4、アド獲得、位置移動の3要素がどれもこなせない上、レベルが8である為にP召喚しづらいことから先行では役割が薄いです。
一方、後手札としてであればかなり優秀です。
メインギミックでありながら伏せを触れるのは西園を除けば唯一の能力で、神系の罠が致命的なPテーマにとってこれほど嬉しい効果はありません。
コントロール奪取も1妨害踏みながらビヨンドやアルクトスにつながる為非常に強力ですし、なにより、サイドカードとしてメインのモンスターと交換してもモンスターの総数が変わらない為、サイドチェンジにありがちな「サイドカードを入れすぎて事故った」という事象が起こりづらくなるのはこのカード唯一の強みだと思います。
ティアラメンツ・サリークを踏めないのが今期だと致命的と判断したことから不採用にしていますが、今回採用していないテーマカードの中では今後最も使いそうなカードです。
ヴァレルソード・ドラゴン
欲しい場面が一度もなかった為不採用にしています。
ただ、アクセスより若干大きい6000という打点がDデュークと併せると大きくゲーム展開を左右する差分になる上、Gを突っ張ってワンキルする際の手札からのヴェーラー無限に対してアクセスよりも耐性があったり、バグースカ+リンク4で頑張るシチュエーションになった場合に相性が良かったりと、盤面の処理があまり難しくない環境であればある程度優位性のあるカードだと思います。
幻中&北条
幻中のイラストと除去の質はかなり良いですが、カードの枚数に対して構えれる妨害の数が少なく、北条を移動させないといけないという勝手の効かない部分がネックに感じた為不採用にしています。
北条もユニオンキャリアー禁止の現在では幻中を出すことだけが役割である為、不採用です。
使用するのであればパキケファロベースから抜本的にデッキ構築を変更する必要があると思います。
追記
北条はヴァイカントでおいた東雲を回収することで後続にすることもできます。
タイタニックギャラクシーを理由する道もあるため、今後も研究の余地アリです。
始まりの地&ポジションチェンジ
ソロアクティベート登場以前は必須レベルであった2枚。
現在では不必要に先行展開の最大値を上げるだけの事故要因です。
始まりの地の方は真羅1+ケーニッヒ2+始まりの地1にすることで実質ケーニッヒ3枚分にできる為、里を打ちやすいというメリットがありますがまあ微々たるものでしょう。
ただ、ウーサエクストリオ型なら②のリソース獲得能力が強力に働く場面もある為、そちらの時代がまた来れば使用する事があるかもしれません。
ポジションチェンジはバイバイ
今回のnoteはここまでになります。
駄文、長文大変失礼致しました。
「記事のこの部分、俺はこう思うんだけど」みたいな意見は歓迎です。
Twitter(@GreatGAIMON)やってますので是非DMに。フォローもお待ちしてます。
それでは以上になります。
読んでいただいてありがとうございました。