日記 回転抽選機を回す人の顔は欲望ではなく善性である
バイト先が潰れる
バイト先が突如消えた。あっけないものである。自分が所属したり尽力していた組織から、セレモニーなしに追い出されることが多くて最近はもはやコンプレックスである。卒業の儀式とは重要だ。
あの鐘を鳴らすのは私
鳴らしていたのは回転式抽選機で上位賞が出た時のアレである。日雇いの派遣先でがらんがらんとやっていた。どうやら運を撒き散らす星の元に生まれたらしく、5つある2等の内4つを自分の所から出した。他人しか幸せにできない男。
欲望ではなく善性
回転式抽選機を回す人間の顔は、この現代で見られる最も素朴な祈りの表情。彼らが欲しいのは金ではなく鐘なのだ。「あなたは今日、選ばれたのだ」という祝福を待つからこそ彼らの顔は愛おしい。