毎週ショートショートnote【タンバリン湿原】
放課後にグランドで練習している鼓笛隊の列を見て、自分も参加したいと思った。担任の先生に相談すると、音楽室に行くように言われ、そこに鼓笛隊のメンバーが集まって各々自分の楽器を練習していた。音空間の向こうで音楽の先生が手招きしている。
「そうだなぁ、とりあえずタンバリンやってくれるかな?」「はい!」
楽器は何でもよかった。とにかく、鼓笛隊でみんなと行進してみたい。タンバリンは最後尾。一番後ろで斜めに行進していく列を見るのも楽しそう。
聖者の行進 ♪ が鼓笛隊の課題曲だ。タンバリンは適当に叩いとけばいいから楽だと思っていたら、指揮者の子の転校が決まり後釜に指名された。
「女の子にやらせたらかわいそうだろ?」と先生が言う。なんで?と頭の中にもやもやと泥炭がたまり湿原が広がったが、もう決まったことだと言わんばかりの先生に負けて引き受けた。町に大きな橋が架かることが決まって、その起工式に鼓笛隊は町のメイン通りを行進した。アームストロングは歌う。GO!町に~♪
(了)
Oh, when the saints go marching in,
Oh, when the saints go marching in,
Oh, Lord, I wanna be in that number,
When the saints go marching in.
おお、聖者が行進して行くとき、
おお、聖者が行進して行くとき、
おお、主よ、おれもその中に入りたい、
聖者が行進して行くときに。
伝説級? もう国宝級です。
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