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毎週ショートショートnote【モンブラン失言】
今年も畑の栗の木にたくさんの実がついた。洋菓子作りが趣味という同僚の栄子におすそ分け。あわよくばと、つい軽口をたたいてしまった。
「君のモンブランが食べたいな」
すると栄子は烈火のごとく怒り出した。「セクハラじゃない! それに ひんにゅうの私にモンブランて・・」と言ったまま、今度は泣き出してしまった。え?え?え?どゆこと?さっぱり訳がわからない。
様子を見ていたモテ男が耳打ちしてくれ、あぁそういうことかと訳はわかったが、納得まではできない。これはある種のハラハラではないのかとは思ったが、「ほら、ケーキのモンブランだから。ごめんよ」と、オレは触らぬ神にたたりなしとばかりにその場を立ち去った。
後日、栄子がモンブランを作ってオレの席に置いておいてくれた。メッセージカードが添えられている。
「栗、ありがとう。モンブラン、初めて作ってみたのでどうぞ。お口にあうと良いのだけど。この前は、失言しちゃってハラハラさせてごめんなさい」
甘いはずのモンブランが妙にほろ苦く感じるのは何故だろう。
生きづらい世の中だね、お互いに。
(了)
・いやいや!「君の『作った』モンブラン」でしょうよ、普通。
失言は貴方の方!
・そもそも、同僚を君なんて言う? キモイわぁ
・なんか別に混入してない?w
・読んだ↑後味も苦いわぁ
(読者コメントより)
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