Mr.Children歌詞考察#3『かぞえうた』
東日本大震災を受けて産み出された曲。
最近はずっとこの曲を聴いています。
この曲の素敵なところと私の考えを書いていきます。
曲概要
かぞえうた
2011年4月に3rd配信限定シングルとしてリリースされた「かぞえうた」。アルバム「(an imitation)blood orange」にも収録されています。
冒頭でも触れましたが、東日本大震災を受けて書かれた曲です。
暗い状態であっても、希望をかぞえていこう。というメッセージのある曲です。
歌詞考察
歌詞がひらがな!!?
まず注目したいのは、
この曲 "ほとんど" の歌詞がひらがなで書かれているということ
有難うよりありがとう
御免よりごめん
好きよりすき
ひらがなって何となく親近感湧きませんか?
この歌詞には難しい言葉やカタカナのような海外由来の言葉も一切使われていません。
幼稚園生でも感動できるように、小さい子向けの本の語り手のようなそんな優しい言葉と歌声で語りかけてくれている気がします。
どんなひとにもとどくように。
やさしくみんなのこころにひびくように。
そんな思いを込めてあえてひらがなで語りかけてくれているのだと思います。
また先ほど "ほとんど" を強調したのは漢字で書かれている歌詞もあるからです。
これはCメロの歌詞で、ここの歌詞だけには漢字が使われています。
ひらがなで書かれている歌詞は優しく歌われているのに対し、このCメロは力強さをもって歌ってくれます。
優しく伝えたいところはひらがな
力強さを伝えたいところは漢字
歌い方の強弱だけでなく、歌詞でもこの強弱をつけているんですね。さすがです。
聴いてるだけじゃ気付けませんよねこれ。
伝えるために手を抜かない。
かっこよすぎませんか、、?
このCメロの歌詞にはとても勇気をもらえます。
稲穂は自然界において弱い立場の存在です。
でも彼らが雨や風に揺れながら耐え忍ぶ姿はとても美しい。
僕ら人間にも同じ能力がありますよね。
桜井さんも「人間にはそういう力があると信じたい」と言っています。(後述)
僕らは思考ができる稲穂です。
よく考えることに努めましょう。
考える葦として。
「きっとわらえるよ べつにむりなんかしなくても」
個人的にこの曲で一番好きなシーンです。
1番から少しメロディーが転調して、
一言目に「わらえるかい?」と優しく語りかけてくれます。
気持ちが沈んでる時に聴くと本当に心に刺さるんですよ、、、
わらえるかい
きっとわらえるよ
べつにむりなんかしなくても
「きっとわらえるよ べつにむりなんかしなくても」
本当に優しい歌詞ですよね、、、
構成
この曲Cメロ以外全て同じ歌詞構成なんです。
普通の曲のようにAメロとかサビとかがはっきり分かれていません。
”詩”にメロディーを付けたような曲です。
転調を繰り返して序盤から終盤にかけて徐々にメロディーが強くなっていきます。
このメロディーの変化が曲にストーリー性をもたらしている気がしますね。
くらやみからきぼうへ
そんなメッセージがメロディーからも感じられます。
言葉で説明しましたがこれは曲を聴いてもらった方が納得できるでしょう。
桜井さんからのメッセージ
桜井さんのコメントには本当に心を打たれます。
かぞえうたはこの言葉通りの歌詞です。
当時この曲に救われた人も多かったのではないでしょうか。
私達からしたら、災害を機にミスチルが曲を出してくれた!と、その事実しか知りようがありませんが、背景ではこんなに悩んで考えてくれているんです。
きっと震災の被害がそこまで大きくはなかった立場の人間として、桜井さんはどう伝えようか、どう歌おうか、とてもとても考えて作った曲なんだと思います。
その結果が「かぞえうた」。
『さあ なにをかぞえよう』
この問いかけに対して、かぞえるものが思い浮かぶ今の自分の環境はきっと恵まれているんだろうな。そう強く思います。
そして豆知識ですが、配信限定シングルとして発表された曲ですがベスト盤には入っていません。
この曲の収益は全て震災の復興支援金として使われており、
そのような言わば"ささげる"曲を商業目的の強いベスト盤に入れることに抵抗があったのでしょう。
このような、人に気付かれにくいこだわりが本当に素敵です。
だからハマってしまうんです。
私がミスチルの考察をしているのも、この見せないこだわりに少しでも多く気付きたいと思っているからなのかもしれません。
ふかくふかくかんがえてくれるMr.Childrenは
私のきぼうのうたです。