見出し画像

就労支援事業所 『健常者』のあなたにも伝えたいこと

よく、就職支援事業所について質問を受けるので、ここに記しておきます。

就労支援a型は、軽度の障がい者が
時給をもらって、毎日数時間、働きながら、就職につなげる訓練をする場です。

b型は、かつて俗に言う『作業所』と言われていた場所、工賃をもらって軽作業しながら、まずは、心身のバランスを整える場です。

     

障がいの無い人にも、必ず知っておいてほしいこと


今、a型の制度自体が廃止の危機を迎えています。   

どこも利用者の大半が、精神(発達)、軽度の知的障害の方ですが、

時給がもらえるといっても、月5万〜8万円程度、

お仕事も単純作業がほとんどであり、残念ながら『障がい者の自立』には、程遠いのが現状です。

先の投稿で少し触れましたが、

単純な障害の重さというよりも、

むしろ、センシティブな理由で、一般社会からはみだしてしまった人をたくさん、受け入れているところも珍しくありません。

(私は、主にそういった方たちのケアを担当していました)

「平凡な幸せ」を手に入れてはいけないの?

私のように、『健常者』と家庭を持ち、まあまあ質素でも、暮らしていくのに困らないだけの稼ぎがある、という利用者は、本当にごく僅かです。

所帯持ちの方は、時々いらっしゃいますが、経済的にも、メンタル面においても、

早急な支援を必要としている家庭がほとんどです。

実際、私より障害の軽い人(精神疾患)から

「あなたは自閉症なのに、なんでフツーのサラリーマンと結婚できるの?

よっぽど運に恵まれてるのね」と言われたこともあります。

こんなことは、メンタルケアに関わっていたら、日常茶飯事なので、いちいち怒っても仕方がないのですが、

職業訓練と別に、『社会性』を育てることの必要性と
難しさを痛感した出来事でもありました。

綺麗ごとだけじゃ生きていけない


誤解を恐れずにいえば、ほとんどの精神、知的障害者にとって『自立』は、今でも、まさしく絵に書いた餅です。

ただ、ほとんどの一般の方々は、それすら知らないのが現状です。

かつて、軽度の知的障害を持つ友人に「あなたは、障がい者と健常者のハーフだから」と、言われましたが、

そういう稀な立場だからこそ、見えるものもあります。



いいなと思ったら応援しよう!