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打揚げ花火を楽しむ ①

今回は、打揚げ花火の鑑賞方法について紹介します。

はじめに

ここでは花火の鑑賞方法に主眼を置き、花火の歴史や製造などは割愛したいと思います。
花火の歴史や製造については、公益社団法人日本煙火協会様で発行している「花火入門」に非常にわかりやすくまとめてありますので、ご一読されることをお勧めします。

打揚げ花火は大きく「割物」「小割物」「ポカ物」に分けられますが、ここでは、割物花火の鑑賞方法について紹介します。

鑑賞方法の紹介に先立ち【予備知識】と【鑑賞ポイント】について大まかな説明をしてみたいと思います。



まずは、打揚げ花火の動画を見てみよう

まず始めに、普段花火を見ている感覚で、割物花火の動画をごらんください。

どんな風に見えたでしょうか?
たわいのない普通の花火だったと思います。

ちなみにこの花火は、2024年の大曲の花火 春の章 標準審査玉です。
後ほど、もう一度見ていただくので、今現在の感想を覚えておいてください。


割物花火の【予備知識】と【鑑賞ポイント】

割物花火の【予備知識】

星の種類
星の種類は大きく「菊」と「牡丹」に大別されます。
ざっくりですが、
星が尾を引いた後に発光するが「菊」
尾を引かないで発光するものが「牡丹」です。

牡丹

芯入り割物
花火が一番大きく広がった円(厳密には球)の状態を割物花火の基本としたとき、一番大きく広がった円の中に小さな円(小さな円を芯と呼びます。)がある花火を芯入りと言います。

芯入り菊

芯の種類
芯が一重だと芯入り(しんいり) 全体で見ると2つの同心円
芯が二重だと八重芯(やえしん) 全体で見ると3つの同心円
芯が三重だと三重芯(みえしん・みつえしん) 全体で見ると4つの同心円
芯が四重だと四重芯(よえしん・よつえしん) 全体で見ると5つの同心円
芯が五重だと五重芯(ごえしん・いつえしん) 全体で見ると6つの同心円
となります。

三重芯変化菊

玉名
花火には打揚げられる花火ごとに名前がついています。
名前の付け方には一定の決まりがあり、地域により多少の違いがあるものの、決まりを一度覚えてしまえば、花火の世界が一変します。

最初に見た動画の玉名は、「昇曲付 三重芯菊先緑オレンジ点滅」です。
どんな花火か、玉名から想像してみます。

玉が打揚げられた時に何かしらのおまけがついていて【昇曲付】
芯が三重だから全体で見ると4つの同心円の花火が揚がり【三重芯】
一番大きく開く円は、尾を引いてから発光するタイプの星を使っていて、尾を引いた後は緑色からオレンジ色の点滅になる【菊先緑オレンジ点滅】

玉名からは、ざっとこんな花火だと想像できます。

玉名の記事を追加します【2024年8月10日】


割物花火の鑑賞ポイント

割物花火の鑑賞ポイントは【すわり】【肩】【盆】【消え口】に注目するのが一般的です。
私の場合は、【すわり】【盆】【消え口】を中心に見ています

自分の好みが固まるまでは、【盆】>【消え口】>【すわり】>【肩】の順番で見始めればいいと思います。

それぞれについて少し細かく説明してみます。



【盆】は、開いた花火の丸さ加減を楽しみます
じっくり見ると、丸く開いていない花火も少なからずあります。

私の場合は、真ん丸な花火(盆が良い花火)を見ると目にスカッとした爽快感を感じます。


消え口

【消え口】は、花火が消えるときの様子を楽しみます。
星が燃え尽きた時にすべて同時にパッと消える(消え口がそろう)ものが良いとされますが、実際には星がいくつか燃え残りパッと消えない場合もあります。

私の場合は、消え口に花火のキレや花火全体の締まりを感じます。


すわり

【すわり】は、花火玉を打ち上げる技術を楽しみます。
玉が最高到達点で開くと良いとされ、すわりが良いなどと表現します。

実際には盆や消え口のようなわかり易いポイントがなく、少しわかりづらいです。花火を見始めの頃は、あまりこだわる必要はないと思います。

私の場合は、すわりの善し悪しは盆に感じる違和感として見ているような気がします。抽象的ですみません。


もう一度、打揚げ花火の動画を見てみよう

以上の予備知識と鑑賞ポイントをふまえ、先ほどの動画を見てみましょう。
玉名は「昇曲付三重芯菊先緑オレンジ点滅」です。

注目してほしいのは、
①一番外側の星は、「菊」のタイプで緑色からオレンジ色の点滅に変化。
②「芯は3重」で、外側の円を含めて4つの同心円になる。
③「盆」 まん丸になるでしょうか?
④「消え口」 パッと消えるでしょうか?

見慣れていない方は、「まん丸か?」「パッと消えるか?」だけ見てください。
見慣れている方は、星の色の変化や芯の出来具合を見てください。


いかがでしたか?

盆は良かったですか?
消え口はそろっていましたか?
玉名と花火の内容はマッチしていましたか?

花火の感じ方は人それぞれ。
同じ花火でも、何げなく見た時と、ポイントを意識して見た時では、良くも悪くも「花火がちがって見えた。」という方がいたら、うれしいかぎりです。

今回は、大まかすぎる内容となってしまいました。以降は少し細かく説明していけたらと思います。
(いかんせん素人のため、アドバイスやヒントをコメント欄でご教示いただけると助かります。)

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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