赤川花火大会 【ここを見てほしい】 初級・中級編 と【皆様への期待】
今回は、「赤川花火大会をこんな角度から見てほしい」「花火鑑賞の世界に踏み込んでほしい」そんな願いをこめて記事にしてみました。
はじめに
近年、赤川花火はメディアの露出も多く、チヤホヤともてはやされています。「この夏おすすめの花火大会○○選」「圧巻のミュージックスターマイン」など、様々なうたい文句でプロモーションされています。
そこに嘘はなく、私もその通りだと思うのですが、時折、赤川花火大会を見ているとモヤモヤを感じます。
これを払拭すべく、「モヤモヤの正体」や、「観客が持つべき視点」「皆様への期待」をまとめていきます。
冒頭で気持ちが入りすぎましたので、これからは、軽やかに行きたいと思います。
ここを見てほしい赤川花火
皆さんは、赤川花火に「協賛企業紹介のアナウンスがない」のはご存じでしょうか?こちらが、1つめのここを見てほしいです。
会場でアナウンスに耳を傾けて下さい。企業協賛のアナウンスがないはずです。実行委員会が花火に集中してもらうために、そうしているそうです。
なぜ、花火に集中してほしいのか?
それは、「赤川花火大会は花火競技会」だからです。これが、2つめのここを見てほしいです。
有名な【花火競技会】と【花火大会】のたとえ話を紹介します。
「きれいな花火が打ち揚がった時に、拍手がおきるのが花火競技会」
「どんな花火が打ち揚がっても、拍手がおきるのが花火大会」なんだそうです。
赤川花火は花火競技会なので当然、「打揚げ花火師さん」がいて「審査員」がいます。審査員は花火のどこを見ているかご存じでしょうか?(詳しくは大会プログラム4ページに譲ります。)
また、審査員は、競技会で打ち揚げられる「全ての花火に点数を付けます。」
競技会の花火は審査される宿命を持つ花火なので、観客の我々も、審査員と同じ視線で競技会の花火を見るといっそう楽しめます。
(審査員と同様に、それぞれ点数を付けるのはハードルが高いので、ここでは無視します。)
鑑賞レベルを分けてみます
花火を見ると言っても、様々な鑑賞レベルがありますので、今回は、【初級】と【中級】に分けます。
レベル的には、
【初級】すわり・盆・消え口がわからない。玉名がわからない。
【中級】すわりの判断がつく。玉名と業者名でどんな花火か想像がつく。
こんなところでしょうか?
どちらのレベルにしろ、競技会の花火は、
「審査員になったつもりで花火を見る」ようにしましょう。
競技会花火の鑑賞ポイント
【初級】
盆と消え口を見て下さい。
・花火が、まん丸になっているか?
・花火の消え際に、パッと同時に消えるか?
慣れてきたら、芯がきれいな同心円か?にも注目して下さい
【中級】
・すわりを含めた、全体のバランスを見て下さい。
・各社の最新技術(前年からの進化)を感じ取って下さい。
・優勝に向けた気合いが伝わってくるか?を見て下さい。
(競技会を見ながら「この花火師さん、優勝を取りに来てる。」と、それらしくつぶやけば、花火通に見えるかもしれません。)
競技会優勝者を当ててみよう
鑑賞のポイントに注意しながら、一番いいと思った花火師さん1社をメモしておいて下さい。(点数は、必要ありません)
次に、【花火競技会の審査結果】が翌日くらいに発表にされるので、自分のメモとくらべてみて下さい。
割物花火の部の優勝者を見事当てたひとは、「持って生まれた、花火鑑賞の才能」があると思います。
よくわからず、全ての花火に拍手した人は・・・。
人間の目は、かなりよくできているので、「この花火が一番きれいだったな」程度の、ざっくりした感覚でも優勝者を見分けるときがあります。
好きな花火業者さんをつくる
花火鑑賞のレベルが上がってくると、花火業者さんの特徴がわかってきます。気になる業者さんを、各大会で1社覚えるだけで、かなりの数の業者さんを覚えられます。
今回の赤川花火では、最低限これを覚えて下さい。
【初級】
1番 オープニング 伊那火工堀内煙火店
12番 市民花火 紅屋青木煙火店
17番 割物花火の部 野村花火工業
26番 エンディング マルゴー
4社がノルマです。頑張りましょう!
【中級】
7番 18番 篠原煙火店 地域によっては、なかなか出会えません。
11番 齊木煙火本店 競技会でないと、出会えません。
19番 磯谷煙火店 ドラマチック花火以外での登場です。
上記以外にも、自分が好きな花火を揚げた業者さんを覚えて、鑑賞の引き出しを増やしましょう。
どんな花火か打ち揚がるか予想してみる
なぜこんな事にこだわるかというと、「誰が作った、どんな花火か?」が、わからない花火を目の前に突然打ち揚げられるよりも、
「24番 伊那火工堀内煙火店 昇り銀竜付四重芯菊先紅銀乱」と事前の情報があれば、どんな業者さんの、どんな花火かがわかります。だからこそ、審査ができるのです。
くどく説明すると、24番の花火は、伊那火工堀内煙火店さんの、花火玉が打揚がって上昇して行くときに、シュルシュルと銀色の尾を引き、上空で開いたときに、中に4重の芯があり一番外側の大きい円が、赤色から銀色のキラキラに変化する花火。であることがわかります。
最初にこれがわかっていれば、皆さんでも審査できますよね。これが花火競技会です。
冒頭のモヤモヤの正体
赤川花火大会は、花火競技会でレベルの高さを保ちつつ、大会が企画する大型プログラムで観客を楽しませているようです。
観客が「どんな花火師さんがどんな花火を打揚げるのか?」そこに興味を示さず、大きなプログラムの花火で拍手喝采。
これが、私のモヤモヤの正体です。乱暴な言い方をすると、「花火の質に、観客の質が追いついていない。」とも言えます。
皆様への期待
観客のレベルが上がらないと花火大会の質が上がらないと、私は、勝手に思っています。
花火の質は、ほぼ日本一のところまできていると思います。
例を出せば、
・協賛企業のアナウンスがないため花火に集中できる。
・花火競技会なので、質の高い花火が打ち揚がる。
・全ての割物花火は、「花火業者名」と「玉名」が公表されている。
・全てのスターマインが音楽付。(競技会のデザイン花火含む)
・実行委員会が用意する大型プログラムは、異常なほどの力の入れよう。
一方、観客の方はどうでしょうか?
・競技会であることすら知らない。
・花火の見方がよくわかっていないから、どんな花火にも拍手が起こる。
・花火が打ち揚がっていても、ウロウロと人が歩いている。
(花火を見る態勢、心の姿勢ができていない)
・酒盛りしながら、花火に興味を示さない。
気持ちが入りすぎ、辛辣な内容になってしまいました。
勘のいい人はお気づきかも知れません。
そうです。
私は、「観客の質が上がれば、赤川花火は日本一の花火大会になれる!」と本気で思っています。
そのためには、赤川花火の観客の質が、花火の質に追いつかないといけません。赤川花火の観客である我々が、良い花火を見分ける力を身に付けつつ、マナーも含めた、お手本となりましょう。
最後に
今回も、気持ちが前のめりで、話や見出しにまとまりがなくなってしまいました。でもまとめてみます。
赤川花火を観覧する皆様への提案(ミッション)です。
「審査員になったつもりで、花火競技会を見ましょう。」
「観客の質向上を成し遂げる、先駆者になりましょう。」
今年は、この2点を意識して、赤川花火を見てみて下さい。
これを、来年以降も続けていただけたら、「赤川花火の観客は、花火が上がっている時は、身じろぎ一つしないで花火を見ている。観客の質が日本一の花火大会」と言われる日も来ると思います。
「観客の質が上がれば、赤川花火は日本一になれます。」
この記事を読んでいただいた方と、日本一を成し遂げる事ができると信じております。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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