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ポイントという企業の通貨発行権

どこの店でもポイントカードやポイントが付くようになった。

消費者はポイントがついてお得になるからあった方が良い。

やって損はないのでとりあえずやっておく。

財布には各社のポイントカードが入っているのではないか?

しかしこのポイントとはどのようなものなのだろうか?

企業側の目的は消費者の囲い込みである。
他の会社へ流れてしまう顧客を自社に留める役割、来店頻度の増加、また個人情報の取得によってビッグデータを分析して、新たな利益確保につながるのである。

しかしそのメリットは消費者に享受されているだろうか?
顧客の囲い込みだがポイントでお得になるからその会社を選択するというのは、その店への本来の来店目的から変わってしまっているのではないか?

そもそもその店の商品やサービスを気に入っていたり、価格と商品が良いから来店しているはずである。
しかしその来店目的がポイントに移行してしまうと、次のポイントで〇〇がもらえるイベントなどがあると、本来は必要ではなかった〇〇の為に消費活動をすることを促すことになる。
いらないもの、もしくは今後も使い続けるものの先買いをさせることでその会社は売上を作り出していく。
しかしそのように作られた先買いは、次の消費を鈍化させる。

消費の先食いなのである。

消費者のマインドも必要なものだけを購入するというところから、余計なものの消費をしやすくなる。

実体経済もいらないものをどれだけ消費させるかになっている。

ポイントではなく、それだけ利益が出ているのなら本来は価格に転嫁するべきである。

それを複雑なシステムにして、消費者に分かりにくくしている。

また来店頻度の増加も本当にそうだろうか?

もともとその店を利用している人に対して、ポイントサービスを行っても大体はコストのほうが大きいと思われる。
10回来店でトートバッグプレゼントなどはトートバッグのコストのほうが高いはずだ。またトートバッグの購入や商品管理も業務に加わるので、業務量のコストも増加する。

ビッグデータに関しては大手の企業で有効に機能できると思う。
例えばスーパーで惣菜をプレゼントなどをすることで、自社のマヨネーズやそれに付随する調味料の消費を促し、調味料の購入を促すこともでき。
調味料で利益を獲得することもできる。

全部企業のマーケティング戦略である。
その戦略に消費者はまんまと乗せられているのだ。

医療や薬も本来の目的でいえば、治療して消費者が元気になってくれるもので、何度も何度も来店してもらうものでもない。
来店しなくなることが目的なはずである。

消費活動が多様化しており、自分に必要なものを買いに行っていたはずが、
ポイントや利便性、ブランドというステータスをも購入することで、本来の消費目的を見失っている。

それほど必要でないものの為に消費をしたり、無料でもらえたりすることで消費者は満足するようになってきた。

消費活動そのものが快楽になってきた。

企業側も消費者に本来の質と目的を提供することに力を注ぐべきであり、利益に目的が行き過ぎている。

ポイントカードは消費者のために出来たものではない、企業のためにできたものである。
消費者のために出来たものならば、ポイントカードのデザインやシステム管理などにかかる莫大なコストを商品に転嫁しているはずである。

ここにも消費者不在の企業利益主義が存在しているように感じる。

最後にポイントの持つ機能について話したい。
それはポイントとは企業による独自の通貨発行である。

企業がポイントという通貨発行権を得たということだ。

そのポイントによって商品やサービスと交換できるというのは、通貨と変わりない。その企業が破綻しないかぎり、そのポイントは通貨の機能を持ち続けるのである。

これだけの企業が独自の通貨発行を行うということは、インフレを加速することにつながる。
日銀が金利を上げて、市中の通貨を回収しても、企業が通貨発行している限り、更にインフレは続く。

給与をデジタル払いにする企業も出てきた。
通貨発行権を企業が持つようになり、その権利を企業が競う時代になってきたのである。

安全な通貨を求めて消費者は動くようになり、そのポイントで消費活動を企業は囲い込んで、利益を上げていく。

企業の次は個人が通貨発行を行う時代になる。
個人でポイントを発行し、その人の信用度によってポイントの価値が高まる。

もうデジタル通貨の時代は始まっている。

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