ボノボって知ってる?
大型類人猿と呼ばれる仲間は我々ヒトを含めると5種存在している。
それはヒト、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー
そしてボノボだ。
ボノボと聞いてすんなり受け入れられたあなたは無類の動物好きであることが容易に想像できる。それほどボノボは知名度のない動物だ。
こんなにヒトに近いのに、限りなくヒトに近いのに他の大型類人猿のチンパンジーやゴリラに比べてここまで知名度が低いのはなぜなのか。
英語ではmonkeyとApeは分けられている。Apeは類人猿をさしmonkeyはいわゆる猿のことである。どちらも霊長類という大まかな仲間ではあるが実際このApeとmonkeyの差は大きいと感じる。
ゴリラとニホンザルよりも、ゴリラとヒトの方が動物分類上は近い生き物だとされている。どうしてもヒトと動物の間にヒトは線を引きたがるがこの3種に線を引くのであれば
ニホンザル ゴリラ / ヒト
ではなく
ニホンザル / ゴリラ ヒト なのだ。
それほどApeは動物の中でも非常に特別な存在だ。
よく動物園でチンパンジーを見たヒトたちが彼らの行動を見て
『人間みたい〜』『ヒトと一緒じゃんか』という言葉を本当に頻繁に耳にす流のだけれど、私に言わせてみればそれは当たり前のことなのである。
少し話が逸れたがボノボもApeすなわち類人猿なのであるがなぜ知名度がないのかという話に戻りたい。
ボノボはアフリカのコンゴ民主共和国のコンゴ川を挟んで南側にのみ生息している。これまた面白いことにコンゴ川の北側にはチンパンジーとゴリラが生息していてボノボと彼らが森で出会うことは一切ない。
ボノボの見た目は一回り小さいチンパンジーを想像してもらえればわかりやすい。要は体の大きさ以外はチンパンジーと瓜二つであり、他に見分け方としては子供時代チンパンジーは顔が白いがボノボは子供時代から顔が黒い。
このように両者は非常に見た目が似ているため同種だと考えられている期間が非常に長くボノボが新種だと発見されたのは1928年のことである。
今現在日本の動物園にボノボはいないが1928年以前にチンパンジーとして展示していたものが実はボノボだったと後から判明したことがある。
ボノボの知名度が低い理由としては、ボノボが発見されてからの歴史が浅いこと、日本の動物園にはいないので実物が見られないこと、見た目がチンパンジーに似ているのでそもそも一色単にされている。この3点が大きな理由では無いかと思う。
このボノボ見た目がチンパンジーと似ていると書いたが性格はまるで違う。
時には共食いをするほど気性が荒く喧嘩っ早いチンパンジーに比べて、ボノボは非常に平和的で他者との争いは好まない。
こんなことチンパンジーではあり得ないことなのだがボノボは別の群れと同じ場所で食事を取ったり過ごしたりする。
また群れを率いるボスはチンパンジーがオスなのに対してボノボはメスである。
見た目が似ているのにその暮らしはまるで違う。
コンゴ川を挟んで南側に生息するボノボと北側に生息するチンパンジー。
この両者になぜこのような違いがあるのか。
その説を2つ紹介したい
まず一つ目は弱いものたちが川を渡った説
正確に言うとチンパンジーとボノボの共通の祖先がコンゴ川の北側で暮らしていた。彼らは今のチンパンジーのように争いが絶えずに強いものが生き残り弱いものが淘汰されていた。そんな中、今から100万年前〜180万年前のアフリカの激しい乾燥期にコンゴ川の水位が一時的にさがり、争いに負けた弱いものが川を渡った。
川の南側では争いに負けた弱いものたちが集まり後のボノボになり、北には争いに勝ったものが残り、後のチンパンジーになったという説だ。
そして二つ目の説は南側では争う必要がない説
そもそも川の南側には食料が豊富で争いが起こりにくい環境だった。という説である。
この文章量の違いで伝わったと思うが個人的には一つ目の説であったらなんて素晴らしいんだろうって思うから一つ目の説推しでございます。
第一回はボノボの話でした。