パリ生活ゴ (33) フランス的反射神経
「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)
が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。
また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。
scène 33. フランス的反射神経
<シーン 33 >
パリから日本に飛ばされ、東京在住2年目。
いつでもパリに戻れるよう、日本の快適ライフをエンジョイしつつも、慣れ過ぎぬよう腐心している。フランス人の配偶者と私は、日本で住んでいる時は日本語で会話する、というルールを破り、あえてフランス語で会話している。
これは、私がフランス語を忘れたくない、という単純な理由ではなく、フランス人である彼も私も「ブラックジョーク満載のフランス的反射神経」を忘れないようにするための『トレーニング』をするためなのだ。
わが家の駐車場リモコン事件。
ウチにはリモコンが2つある。ある日、私が間違えてダーリンのリモコンを持って外出してしまった。彼にイヤミを言われた私の脳裏に、2つのフレーズが浮かぶ。
A「ゴメンねっ(日本語)」。
B「いつも車に置いておくのに、アナタが家に持って来るから間違えたのよ=要はアナタが悪い(フランス語)」。
瞬時に脳が判断する。
A=フランス人とのコミュニケーション上、問題アリ。
B=正解。好戦的な態度でBを言う(憎たらしい)私に、ダーリンはブラックジョーク&ロジックで対抗してくる。きゃつは結構楽しそう。
関西弁で話す時は「関西的反射神経」の良さを披露してくれる彼も、フランス語では完全に「フランス的反射神経」モードである。
海外に長期滞在したフランス人が、フランスに帰国してブラックモードに適応できずに精神を病んでしまうという話を聞くたびに、くわばら、と言いつつ「フランス的反射神経」トレーニングにいそしむ われらである。
<使えるパリ生活ゴ 33 >
A : ① Ça fait combien de temps que vous êtes au Japon?
日本にはどれぐらいになる?
B : Ça fait presque 3 ans. La vie est facile avec des services parfaits à la japonaise.
ほぼ3年。日本的な完璧なサービスがあって暮らしやすいわ。
② Tout se passe comme il faut. Mais à la fois, ①ça me fait peur de penser au retour en France.
全て順調よ。とはいえ、フランスに戻ることを考えると怖いわ。
A : Je comprends. Ce qui est ③ normal ici n'est pas normal là-bas, c'est ça?
分かるわ。ここじゃ普通のことが、あちらじゃそうじゃないってことでしょ。
B : Oui, ① c'est ça. Surtout ④ je me demande si les enfants vont bien s'adapter là-bas.
そう、まさに。それに何よりも子供がちゃんと適応するかよ。
〜解説 33 〜
① Çaにはさまざまな用法がある。
Ça fait(X時 間)que ~ で「~してX時間」になる。ça me fait peur de ~(動詞不定法)で、「~することが怖い」。この時のçaは仮主語、de以下が本主語で、英語のit ~ to構文と同型。c'est çaで「そうだ、その通り」。çaは強調のため。
② Tout se passe comme il fautで、全てがそうであるべく過ぎ去る、「全て順調だ」。
comme il fautは「申し分なく、立派に」。
③ Normalで「普通の、当然の」。
anormalは「異常な」。
④ Je me demande si ~ で「(私は)~かどうかと思う(分からない)」。
Je me demande s'il va venirは「彼が来るかどうか分からない」。また、婉曲的に何かを依頼する時にもよく使われ る構文。Je me demande si vous pouvez venir demainは「明日来てくれるかどうかなと思う(心中は、来て欲しい)」。
❤️いかがでしたか?コメント、大歓迎です❤️
❤️では scène 34でお会いしましょ。❤️