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パリ生活ゴ (30) 在日フランス人の蛮行劇

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 30.   在日フランス人の蛮行劇

<シーン 30 >
日本で時おり、在日フランス人の蛮行を目にしてしまう。

大阪環状線ホームにて。電車が止まった瞬間、後方からフランス人ファミリーがドドドッと乗り込む。列など完璧無視。「やったな〜」と嬉しげな両親。

六本木ヒルズのスタバにて。男性2人がフランス語でだべっていた。
「可愛い女に声かけて日本語練習するねん。タダやしな」。

成田空港の出国審査の列で。前に子供がするりと横入りし、親らしき大人も続き、一言。「アンリ、ようやった」。

フランス語はアジア人には分からぬとばかり、好き勝手なことを言いながら行う蛮行の数々。こんな やからは征伐したくなるのが関西オバハンの性。

環状線では「日本は整列乗車や。先進国やからな」。
ヒルズでは「わて、フランス語練習したいねんけど相手してくれる?」。
強面のオバハンからフランス語とは一瞬ひるむが「仏語できるの?」と先刻の蛮行は忘れたフリ。やはり彼らはしぶとい。

だが、成田空港では勝手が違った。横入りしたパパの背中をポンポンとしたのは一緒にいた私の兄。
「あんたら、列まもらなあかんでえ」、とバリバリの大阪弁。やっと、きゃつらのバツの悪そうな顔。 さすが大阪のオッサンは、スゴいわ。

<使えるパリ生活ゴ  30>
A : T’as l’air stressé. Qu’est ce qui ne va pas?
 イラついてるみたいだな。どうしたんだよ?

B : Ce midi dans un café, j’ai ①dragué une nana. Mais après, sa copine hyper ②moche nous a rejoint. Malheureusement elle n’était pas ③cool.
昼、カフェで女を引っかけたんだ。でも後でめちゃダサい友達が来てさ、悪いことにそいつが感じ悪くてさ。

A : ④C'est-à-dire?
というと?

B : Elle parlait parfaitement français, et elle a dit qu’au Japon l’image des français étaient trop bonne ⑤par rapport à la réalité.
フランス語完璧に話してさ、日本じゃ現実に比べてフランス人のイメ-ジが良すぎるって言うんだよ。

〜解説 30 〜
① draguer+人で「(人を)ナンパする」。

類似語【racoler, faire la cour à】。dragueは「すくい網」。「獲物をすくう」→「目当ての人をナ ンパする」の意に転化。
<同意語> aller à la pêcheが「釣りに行く」→「ナンパしに行くの意で使われることもある」。se faire draguerで「ナンパされる」。dragueurは「ナンパ男」。

② mocheで「ダサい」。
類義語【laid, affreux】。 【mauvais】天気が悪い、【méprisable】行動が下劣などの意でも使う。

③ coolは英語からの借用。「すごい」、「素敵な」
類義語【bien, super, chouette】。

④ C'est-à-direで「すなわち」、「つまり」。
端的に論点をまとめる時に使うが、c'est-à-dire?と語尾を上げると、相手が何をいわんとしているのか聞く時にも使える。

⑤ par rapport à「~と比べて」。
rapportは、「関係」。

❤️では scène 31 でお会いしましょ❤️


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