パリ生活ゴ(13) フランス人化
「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)
が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。
また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。
scène 13. フランス人化
<シーン 13 >
日本に行く度、庶民フランス人化している自分に驚愕。
東京にて。オムツを買いに薬局へ行ったが売り切れ。パリでは、薬局はロ-カル情報収集の場なので、パリ式に店員になれなれしく話しかける私。「この界隈で子供の遊び場は?小児科は?」次に「オムツ売ってる店は?」この瞬間、だんなにソデを引っ張られる。
大塚家具屋で。5階で下の息子が泣き出した。2階の授乳室に行くのが面倒で店員さんに聞く。「ここで授乳していいですか?」首を斜めに傾げ「そうですねえ……」、「いいんですか?ダメなんですか?」またもソデを引っ張られる。
1階のキッズル-ムで、上の息子はソニーの大画面かぶりつきでアニメを見ていた。「はよこんかい!」と大声で一喝する私。だんなが恥ずかしそうである。
帰りのメトロで席を譲ってもらった。ふんぞりかえって「有難う」と私。だんなは腰をかがめ、手刀を切りながら「どうも、すみませんねえ」。
「東京では店でムダ話しない。『そうですねえ』 は『ダメ!』の意味。人前で大声出さない。お礼を言う時は『すみません』の方が謙虚」、と言われた。
「今じゃなくてその時言ってよ〜」と私。
「その態度が日本的じゃないっての!」とフランス人のだんなに諭された。
<使えるパリ生活ゴ 13 >
A : Qu'est ce que t'as? T'as l'air déprimée.
どうしたの? 落ち込んでるみたい。
B : J'ai besoin de réadaptation pour vivre dans la société japonaise, incapable de comprendre les messages nuancés ①à la japonaise.
日本社会でやっていくにはリハビリが必要だわ。日本的なメッセージが分からないの。
Au magasin, je suis tentée de ②papoter avec des vendeurs, j' ③engueule mon fils en public. Je suis trop francisée, mon mari me dit.
店に行けば店員とおしゃべりしたくなるし、人前で息子をどやしちゃう。フランス人化しすぎだって、夫が言うの。
A : Il est vraiment ④tatamisé.
彼はホントに日本人化してるわよね。
〜解説〜
① à la japonaiseで日本風・式の(に)。
フラン ス風・式には、à la française。パリ風・式にはà la parisienne。
② papoterは(たわいのない)おしゃべりをする【parler, discuter】。
語幹papp-は擬態語で口の動き(パクパク)を意味する。
<同意語>bavarder は(長々と)おしゃべりする。語幹bab-も擬態語 で口の動きを意。
③ engueulerはどやしつける、ののしる【réprimander, injurier】。
se faire engueulerで怒鳴られる。
s'engueuler avec~で、~と喧嘩をする【se disputer avec~】。語幹gueuleは動物の口。俗語で人の口を意。
④ tatamisé日本人化したガイジン【étranger japonisé 】。
tatami (畳)からの造語。
❤️では scène 14 でお会いしましょ❤️