パリ生活ゴ(27) 東北人とマルセイユ人
「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)
が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。
また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。
scène 27. 東北人とマルセイユ人
<シーン 27 >
「フランス男」=「ラテン、ロマンチック、感情の起伏が激しく、大げさな話しぶり」のイメ-ジがあるよう……。が、ウチのは正反対。「ジュテ~ム(愛してる)」なんて死ぬまでに聞けるのか?うれしいのか怒っているのか?事実描写は誇張はゼロであくまで客観的に淡々と。
かたや、私はネアカで調子乗り。時に激しく落ち込み、「明日死ぬ」と本気で思う。少なくとも1万回はジュテ-ムと言い、貢ぎ物も3千回はした。うれしいとスキップし、怒り心頭すると皿を割る(このために買ってある安物の皿)。事実描写は“ほんの少し” 盛るクセがある。
私も昔は違ったのだが……、フランス庶民生活で以心伝心、何も言わずにいたらアホ扱い、感情をコントロ-ルすれば後回しにされ、事実を『盛らず』に淡々と述べれば、面白くないと無視される。
「フランスでサバイバルするうちにちょっちオーバーリアクションになったのよね、あたち」と私が言うと、彼が一言。「昔からそうやったやろ。100円のことは100万円って言うし、疲れた時は腰が抜けた、死にかけ3秒前って言う。おマエの家の伝統とちゃうんかい」。
「家の伝統???」確認しようと、うちのオカンに電話したら「なんや、3年ぶりやな(実は3日ぶり)」。
今ではフランス系東北人(彼)、アジア系マルセイユ人=大げさなジェスチャー、話っぷり(私)と呼び合う私たちは、仲が良いのか悪いのか。
<使えるパリ生活ゴ 27 >
A la fête Saint Sylvestre
大みそかのパーティーで
Tout le monde: Bonne année!
みんな:おめでとう!
A : Regardez par ici. Je vais vous ①mitrailler de photos aujourd'hui.
こっちを見て。今日は写真、撮りまくるぞ。
B : Tu ②as la pêche.
元気じゃん。
A : Ben oui, aujourd'hui, ③tout est permis.
まあね。今日は何でもアリさ。
④Par contre Noël, c'était ⑤cauchemar.
それに引き換えクリスマスは最悪。
Je suis allé chez mes parents avec ma nouvelle copine.
新しい彼女とウチの両親の家に行ったんだ。
Ma famille l'a ⑥bombardée de questions. Ils m'ont vraiment tué.
親戚が彼女を質問攻めにしてさ。ホント参ったよ。
〜解説 27 〜
① mitrailler(人)de(モノ)で「人にモノを雨あられと浴びせる」
(⑥を参照)。…de photos で「写真を撮りまくる」。… de questionsで 「質問攻めにする」。mitraillerはもともと「一斉 射撃する」の意味。
② avoir la pêcheで「元気がいい」
【同義語: être en forme】。
③ tout est permisで「全てが許されている」 (なんでもアリ)。
羽を伸ばして自由に振舞う時に使う。
④ par contreで「それに反して」、「それに引 き換え」。
前文と明確に対比する時に使う。文語体ではen revanche。
⑤ cauchemarで「悪夢」、「やっかいな出来事」。
Il est mon cauchemarで「彼が私の悩みの種」。
⑥ bombarder(人)de(モノ)で「人にモノを投げつける」、「雨と降らせる」(①を参照)。
もともとは「砲撃、爆撃する」の意。Mon médecin m'a bombardé de médicaments で「医者が薬をどっさり出した」。
❤️では scène 28 でお会いしましょ❤️