6月9日のその先の、美弥るりかさんへ

宝塚を卒業され、新しい世界で輝き続ける美弥るりかさん。「宝塚の美弥るりかも素敵だったけど、これからの美弥るりかも素敵だと言って貰えるように」と最後のお茶会で仰っていた美弥さん。退団前のディナーショーで「大丈夫、これからも美弥るりかを愛し続けなさい」と仰っていた美弥さん。

令和最初の6月9日、大粒の涙雨が降ったあの日から1年が経ちます。予想してなかったほど世界が煌めき色づいて、予想出来なかったほどに世界が変貌して。退団後の美弥さんが、シアタークリエや東京国際フォーラムで主演されるなんて、本当に嬉しくて夢のようでした。そしてそれが中止になるなんて、誰が予想出来たでしょうか。

BADDYを観に行ったのが全ての始まりでした。カフェブレを見て、お手紙を書いて。今でも信じられないほどの目まぐるしい展開、まさに転がり堕ちていったあの時期、とにかく入り出待ちに行きたい、舞台で活躍される姿を沢山観たい、美弥るりかさんの名前が入ったグッズを持ちたい、でも気軽にお名前をお呼びするのは何故か照れてしまう、どきどきして浮ついたあの時期。舞台上での華やかな雰囲気、その場の空気をふわっと纏うような立ち振る舞い、圧倒的な演技力、そうかと思えば、優しくて可愛いオフの姿。そのギャップに溺れ、熱に浮かされる、抗えない気持ちは久しぶりでした。紛れもなく「自分を宝塚ファンに引き戻してくださった存在」でした。そして、宝塚の世界におけるスターの在り方、独自の感性を突き詰めるストイックさ、美弥さんにしか導き出せない新たな価値観を沢山教えてくださいました。

素敵な人は、素敵なご縁をくださるものです。美弥さんの元で出会えた友人達。皆でお茶会に行って、ホテル女子会もやって、楽しかったな。観劇や入り出待ちで頻繁にお会い出来た皆様、ツイッターで一緒に盛り上がることが出来たフォロワーの皆様。新しい沼で狂い始めてからも温かく見守ってくださったフォロワーの皆様。遠征する度に遊んでくれた友人達。人の温かさに沢山触れました。運命の出会いもありました。

「次はいつお会い出来るだろう」としくしくタイムに陥った、6月9日の帰り道。満を持してInstagramに降臨された(日付変わる直前の)7月9日、興奮で眠れない夜。RESTARTの7月12日、「こんなにすぐお会い出来るなんて…!」と嬉しくて感極まりつつ、泥だらけで横たわるその姿が退団後の初ビジュアルですか…さすが美弥さん…(好き)…ってぞくぞくした思い出。瑠璃色の閃光が舞浜に堕ちた8月18日、衝撃の1st LIVE。まさかご贔屓のデスボイスを聞く日が来るなんて…!(笑)その後も、今年の2月中旬まで耐えることなく。あんなに沢山お会い出来たなんて、幸せでした。参加すればするほど、色んな姿を拝見できて、初めて聞くお話を伺えて、彼女の表現したい世界観を享受できるのだから。2月頭のトーク&ライブでは、これから舞台やライブの予定が目白押し、という時期だったのもあり、少し大変そうではあったけど、決意を新たにされた姿。一緒に駆け抜ける気満々でした。

そして今、また昨年と同じく「次はいつお会い出来るだろう」という状態です。

政府のイベント自粛要請が出始めた今年の2月末。美弥さんがよく仰る「またお会いしましょう」が、「お会い」じゃなくて「お逢い」だったのだと知りました。舞台やライブが中止になって、YouTube開設のために水面下で準備を始められていたことを知りました。舞台以外でも幅広くご活躍される美弥さんですが、最後の砦、皆が心から上演を望んでいたSHOW-ism『マトリョーシカ』の中止に際して、主演舞台にかける思いがどれだけ強かったのか、痛いほど知りました。お知らせがあると1番にファンクラブ会員に伝えてくださる優しさ、嬉しいことも悲しいこともありのままに伝えてくださる、血の通ったやりとり。憧れの対象なのに、舞台の上の遠い存在のはずなのに、それを勘違いしてしまうほど、心の距離感がおかしくなってしまうような。それでも、「同じ景色を見ていたい」と言ってくださることが、いつも本当に嬉しいのです。烏滸がましくて仕方ないけど、甘えたくなってしまいます。人の気持ちは永遠ではない、だからこそ不安に思うこともあるけれど、退団しても、1年経っても、ますます気持ちが熱くなる。こんなことってあるんですね。今でも色んな気持ちを噛み締めている日々です。

MIYA COLLECTION中止時、公式から出た「未来の再会の約束」。この言葉に縋りながら、また1年積み上げていきたい。端っこのファンですが、これからもずっと応援させていただきたいです。来年の6月9日こそ、世界の誰もが大好きな人に逢いに行ける世の中になっていますように。

またお逢いできる日は、きっと泣いてしまうと思います。もしかしたらお互いに、昨年の6月9日の楽屋入りの時のように。ご卒業から1周年、おめでとうございます。そして、沢山の新しい景色を見せてくださり、本当にありがとうございました。未来の再会の約束を信じて。

2020.6.9

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