②カンナ・スタイル
天性のロックガール、カンナ
初めてステージに立ってからまだ半年というのが、未だに信じられません。
それほどに安心感がありました。
カンナはまるで初めから、ロックアイドルになるために生まれてきたような、そんな風格を漂わせていました。
クールビューティーというと古臭いですが、所作や視線の一つ一つが、とにかく様になっていてカッコいい。
もちろん、緊張なんて微塵も感じません。
表情からは集中力が見てとれますが、それも過剰に張り詰めていることは決してなく。
新加入してくれたニカとカンナの二人は、これまでのナウドラにはない要素をプラスしてくれましたが、カンナのそれは「緩急」と言ってもいいかもしれません。
たとえばリンリンは、常に前のめりで全身全霊を込めるのがスタイルです。
それが最高なのは過去に触れた通りですが、カンナはまた違った歌い方をします。
時にはあえて力を抜くように、どこか気だるさのようなものを漂わせながら、出力を抑えて歌うのです。
そしてその様子が彼女のビジュアルと相まって、本当に様になっている。映画のワンシーンを切り取ったかのようにビシッと決まるのです。
もともと邦ロック好きという彼女のこと、歌唱表現の研究には余念がないのかもしれません。
さらにそうした脱力の使い分けに、深い響きのある声質もプラスされることで、なんとも魅力的な色気があります。
しかしもちろん、カンナの歌はそれだけではありません。
ここ一番の見せ場での爆発力は、見るたびにその上限を更新し続けています。
活動終了に向かう今もなお、その勢いは増しているほどに。
特に「現在・過去・未来」の落ちサビは、この1ヶ月だけでも驚くほどに進化しました。
一声目から天を衝き、空間を震わせるような爆発。
どんなモヤモヤも吹き飛ばしてくれる、最高のカタルシス。
先述したように、出力を抑えた状態からの振り幅が特に大きい彼女だからこそ、尚更インパクトが大きく感じられるのでしょう。
これこそがナウドラ、と嬉しくなる頼もしさです。
また、10/16には自身初めての生誕イベントにて、メンバー全員とのスペシャルステージとソロ歌唱を披露してくれました。
これがまた最高の仕上がりだったのですが、詳しく語るよりもこの写真をご覧いただいた方が早いでしょう。
純白のドレスに身を包み、大好きなポルカドットスティングレイの「ラブコール」を熱唱するカンナ。
この美しさで、鹿鳴館のお立ち台に足をかけて吼える。
これほど、カンナというアイドルを表したワンシーンはありません。
痺れました。
惚れました。
たった半年で、彼女は見事にロックアイドルとしての才能を芽吹かせました。
この世界へ誘ってくれたユーナにも、私が感謝したいほどです。
ナウドラとしてのカンナを見ることができなくなるのは寂しい限りですが、他のメンバー同様、彼女のポテンシャルはまだまだここで終わるべきものではありません。
とびきりカッコよくて個性的な歌声。
セルフプロデュースにもうってつけな編集スキル。
それと、外見に反して大きすぎる胃袋。
魅力的な要素満載の栞愛には、果てしない可能性が広がっています。
次はどんなステージで、その進化を見せてくれるのか。
私は今から、それが楽しみで仕方ありません。
美しきロックの申し子。
カンナの快進撃は、まだ始まったばかりです。