至高の1時間。Finally遠征「いちのみやアイドルフェス」感想
こんにちは!灰色です!
気がつけばめちゃくちゃ久しぶりの対バンレポnoteです。いや、毎日更新とかしてた方がおかしかったんですが。
もうね、今回という今回は、書かずにはいられません。
だって、
これで、
これですよ。
最推しFinallyと、準最推しジエメイの共演。
しかも出番が連続。
さらにさらに尺は30分。
これで燃えなかったら嘘でしょう?
これで遠征しなかったらオタクじゃないでしょう?
これで書かなかったら、灰色じゃないでしょう?
まことに、凄まじいイベントでした。
間違いなく、俺が日本で一番この日のこの1時間を楽しんでたと思います。
あまりにもテンションが上がったため、今回は初めて……ではないかもですが、久しぶりに前方優先チケットをチョイス。
尾張一宮駅に10時前という超弩級の早起きスケジュールにより、無事に最前ど真ん中をゲットしました。
ちなみにキャパはというと、
Zepp Shinjukuの1500人よりでけえ。
でもって肝心の客入りですが、
運営さんが赤字で爆発しないことを祈ります。
以上。
四姉妹の進化
そんなわけで開演から全グループを見つつ、先手のジエメイを待ちます。
スタートからの王道系グループの連続に、これまた俺の推しだけ武闘派なパターンやな……と思ってたのですが、二組前の「蜜兎」(ハニバニ)から一気にボルテージがアップ!
わ続く「α:tale」もハイレベルなダンスで魅せてくれ、程よく温まった状態でジエメイの出番になりました。
ジエメイ、本日も大爆発。
前までのグループと同じ会場とは思えないほどの、規格外の声量が4人分。
そこがライブハウスであろうと市民会館であろうと、彼女たちには一切関係ありませんでした。
ただただ、強い。
それにしても驚くべきは、メンバー全員の止まらない進化です。
あくまで今日受けた印象ですが、にあち(八乙女ニア)は低音の力強さが一段と増していました。
低音帯を歌いこなすアイドルはそれだけで印象に残りますが、にあちはその中でも逸材中の逸材!ビジュアルとの(さらにはキャラクターとの)ギャップもすごいですが、その補正を抜きにしてもとにかく骨太な超実力派です。
そんな彼女の注目ポイントといえば、レアリゼのラストの超スーパーロングトーン。聴くたびに長さとパワフルさが増していますが、果たしてどこまで進化するのでしょうか。
り汰姫(眠目り汰)は、特にIRISでの声のシフトが素晴らしかったです。もはやスイッチを切り替えている感すらなく、ごく当たり前にそのときそのときの最適な表現へ、水が流れるようにトーンを変えていきます。
透き通るような声から一転して、レアリゼの「熱い鼓動 エントロピー叫んで」では熱血全開!変幻自在とはこのことでしょう。
また、ロさん(神代ロゼ)は、いつしか目を見張るほどのダンスを身につけていました。それも巧みなダンススキルというよりは、鬼気迫る勢いをそのまま肉体に乗せているといった方が似合います。
もはや憑依にも見えるその表現は、本人へのダメージを心配してしまうほどでした。Twitter・特典会・ステージで三つの顔を持つ彼女ですが、それどころではない百面相と化してきています。機会さえあれば演劇や声優に挑戦してほしいとも感じました。
そして、ワナさん(黎鮫ワナ)の歌です。もとより、アイドルだの歌手だのという次元を凌駕している彼女ですが、なおも立ち止まらず高みを追究するその歌へのストイックさには、畏敬の念を覚えずにはいられません。
かつてのアグレッシブに噛みつくような歌い方から、より振り幅を持たせる方向へと進化してきたことは以前も触れましたが、それに加えて今はさらに歌詞の意味を大切にすること、その場の全員へと丁寧にメッセージを伝えることを意識しているようにも感じられました。
Mewの「正しさなんていらない 優しさだけ」というリリックは、慈愛の気持ちを普段から惜しみなく表している彼女にこそ似合うものです。
こうしたジエメイの4人の歌唱は、ホールの音響効果によって何倍もその説得力を増していました。
ライブハウスでの全てを燃やし尽くすパフォーマンスがインパクト抜群のジエメイですが、その根底にあるのは四者四様の音楽的な素養です。
言い換えれば、我武者羅なパワーだけでない、ボーカリストとしての絶対的な基礎スペックの高さ。であればこそ、今日それぞれの声の魅力が一段と引き出されたのも納得というところでしょう。
この日のセトリの特徴としては、泥だらけヒーローとIRISを久しぶりに回収できて嬉しかった反面、キュートな色の濃いワタシスタイルとツンデレはお預け。
また、現状Live限定となっている新曲・召命コーリングも披露なしでした。どの曲も捨てがたいジエメイのこと、曲数が増えれば増えるほどにあれも聴きたかったが増えるのは致し方ありません。
幸い、明日7/16も渋谷で2本ジエメイのLiveを見られるため、そこでの回収に期待しましょう。
ライブハウスでフロアを震わせるだけでなく、ホールでは各々の成長ぶりを存分に見せつける。
その有無を言わせないパフォーマンスに触れれば、ジエメイを勢いだけの新進グループだと侮ることは絶対にできないはずです。
最推しの真価
30分にわたるジエメイのステージの余韻が冷めやらぬ中、後手・Finallyの入場です。
とにかく、改めて感じました。
Finallyは、大舞台ほど輝く。
他を圧倒する完成度を持ちながら、なおも発展途上。
伸び代というより、潜在能力という方が適切でしょう。
Finallyがホールで輝く理由の一つには、楽曲の圧倒的なバリエーションと質の高さがあります。
飽くなきヒーロー、New:ERA、Trash Talkなどのアップテンポなナンバーはどちらかというとライブハウス向きですが、それらは数多ある武器の一種類に過ぎません。
並のロックアイドルとは一線を画するその品揃えの多彩さは、今日も遺憾なく発揮されました。
かねてより野外やホールとの相性がいいと感じていた君エールだけではありません。
決別はジュリちゃんの歌い出しがグッと美しくなり、加えて照明の演出も完璧に。
何よりも嬉しかったのは、燈-touを初めてホールで聴けたことでした。
最新曲ながらもFinally史上トップクラスの「聴かせる」名曲である燈ですが、これまでは機会に恵まれず、その真価を完全に味わうことはなかなかできませんでした。
しかし、今日は別です。
音響もさることながら、会場自体が極めて広かったため、メンバー全員の歌声がとてもクリアに、かつノイズに阻まれることなく響いていました。
ユニゾンパートがラストのみ、そして一人ずつサビを歌うのが特徴の燈ならではの、各自の声質の魅力が存分に引き出されていたとも言えます。
心底、震えました。
初披露から2ヶ月。
今日の燈は、これまでの2ヶ月とは全くの別物だったと、あえて言い切ってしまいましょう。
素晴らしい楽曲をありがとうと、作曲のtakaさんと作詞のMegに、今更ながらも感謝したくなりました。
燈に限らず、一人ひとりの歌声という点において、特に今回は印象的なLIVEでした。
それぞれの見せ場で全員が持ち味を活かしていたのは言うまでもありませんが、心苦しいながらも今日は半分の3人だけに話題を絞らせてください。
まず印象的だったのは、アオイの歌です。
純粋な声量の爆発力では他のメンバーに一歩譲る彼女ですが、可憐な中にも芯のある歌声は彼女ならではの武器です。
特に燈でのアオイの存在感は、Finallyの LIVEに数回来た程度の私の友人たちが聴いてすぐに絶賛していたほどでした。あるいは、Finally楽曲に慣れていない層にこそ訴求する力があるのかもしれません。
普段のライブハウスでは、音源とマイクのバランスなどの諸条件が必ずしもアオイの特性に合ってはいなかったのでしょう。
怪我による離脱期間も歌の研究を重ね、自分なりに声質を活かす歌唱法を模索してきたと語ってくれたアオイ。
彼女は今も自信のなさを度々口にしますが、懸命に咲く花のような歌声は、既にその素質を物語るのに十分なものとなっていました。
続いて言及したいのは、リンちゃんです。
このイベントには初めて祖父母が観に来てくれていると話していたリンちゃん。演歌大好きなおじいちゃんの耳にBelievingやロッケンが大丈夫だったのかはさておき、ステージではいつも以上に丁寧な歌い方をしていたように思えます。
対バンを見ていると、どれほど実力を評価されているグループでも、トラックとの音量バランスなどの要因によって歌詞がぼやけてしまっていることが少なくありません。
あるいはそういった歌い方を意図的に用いることもあるのでしょうが、よく知らないグループのときこそリリックに注目したい私としては、やはり「盛り上がったけど何言ってるか分からなかった」という結果には残念な思いがありました。
FinallyのLIVEにおいては、歌詞が頭に焼きついていることを別としても、そうした問題はほとんど感じることがありません。
そしてまた、特にリンちゃんの「ことば」を大切にする歌い方には際立つものがあります。
自ら作詞を手がけるということもあるでしょうし、長いボーカル歴の中で編み出したものなのかもしれませんが、とにかく一言たりとも手を抜かずに、意味も響きも大事にしながら歌い上げるのです。
ボーカルという枠に留まらず、語り部といった言葉が彼女には似合うかもしれません。
そんなリンちゃんが、大舞台に良質な音響を伴って、そして晴れ姿をおじいちゃんおばあちゃんに見せられる機会。
パフォーマンスが素晴らしいのはもはや当然。それだけでなく、この場でLIVEをしている瞬間、一秒一秒をかけがえのないものとして噛みしめながら歌っているように、私には感じられました。
そして最後はやはり、この人にも触れないわけにいきません。
もう一人のリードボーカル、メグです。
Finallyにとっては過去最大のチャレンジとなった、3/26のバンド編成ワンマン。そうそうたる面々によるサウンドを背負い、各々が全力以上のパフォーマンスを見せてくれたあの日に、しかしジュリちゃんとメグから受けた印象はなおも異質でした。
生演奏をまとったジュリちゃんのダンスは、まるで重りが取れたように軽やかで。普段からパフォーマーという形容が相応しいテクニカルさを持つ彼女ですが、それすらも全力ではなかったのだと悟らされる、スピードとパワーを併せ持つ舞踏を見せてくれました。
それだけでもワンマンの感想が全て上書きされかねない驚きでしたが、しかしあの日はさらなる衝撃が私を待っていました。
2部の本編ラスト、リナリアのスペシャルアレンジver.で冒頭にアカペラを披露したメグ。
あのとき、言葉にしきれない感動と共に頭によぎったのは、彼女にとってはBLAZEのステージすらも不十分に見えるという、身も蓋もない感想でした。
計り知れないポテンシャル。
メグがFinallyの楽曲をフルパワーで歌えることは、もしかしたら稀なのかもしれません。
あれから今日まで、普段のLIVEを見ているときにはどうしても思わずにはいられません。
メグの本当の力が、また見たいと。
そして、今回。
30分という限られた時間ではありましたが、それでも今日は、その一端を再び垣間見ることができました。
やはり、良好な音響があってこそ、メグの歌声はフルにその魅力を発揮できるのだと感じます。
リナリアや君君、花瓶に愛迷なんかもホール音響で聴いてみたいですね。
そんな希望は尽きませんが、ひとまず今は久々にメグの全力を味わえた幸運を噛みしめることとします。
交差の先に
一瞬の一時間でした。
勿論、ここでどちらが上だったかなどという不粋な話をする気は更々ありません。
というより、もはや私ごときには、この6人と4人の魅力の全容は、測り得ません。
それは、単に語彙の不足だけではなく。
この2グループについて語るには、現在だけを見ても意味がないからです。
将来……それも、そう遠くない日。
どのような選択を経て、どこのステージに、何者として立つのか。
その可能性は、無限に分岐しています。
想像もつかない、ただ期待するしかないその未来を前に、現時点での比較など成り立つはずがありません。
嬉しいことに、今日は出番が連続していて余裕のない中でも、それぞれのメンバーが舞台袖から少しずつ互いのグループのLiveを見ていたそうです。
特典会では、各々がもう一方へと絶賛の嵐。
お前ら直接楽屋で伝えろよ、という言葉をぐっとこらえつつ、心底嬉しくその感想を聞かせてもらいました。
推し同士が出会ったことが嬉しい、それだけではありません。
次代を創る、怪物たち。
その歴史的な邂逅は、必ずやそれぞれのグループに刺激をもたらすはずだからです。
ここから始まる、無双同士の化学反応。
まるでマッドサイエンティストの心持ちです。
私はそこで何が起こるか、それが見たくて仕方ないのです。
無限の可能性を秘めた、二組の推し。
私ごとき凡夫にその未来は予想できないことは既に触れましたが、しかし蛇足を承知で追記するならば一つだけ、間違いのないことがあります。
そんなに長いこと、俺はこの場所にいられないな、ということです。
今日、私は前方優先チケットで入場して、最前ど真ん中に陣取ってLIVEを存分に楽しみました。
普段はここまで客席のことを具体的に書かないのですが、今日だけはあえて具体的に言ってしまいます。
本当に、最高の時間でした。
推したちの笑顔。
間近で見るダンス。
ぶつかってくる歌声。
心臓が止まりそうになるほどの、劇的なレス(と呼ばれるらしい、刺激的な何か)。
心底、幸せでした。
けれど、その幸せを感じるほどに、別の思いも広がっていきました。
Finallyも、ジエメイも、間違いなくもっともっと大きくなる。
最前なんて、望んでも到底取れなくなる。
愛しい推しの目の前になんて、まずいられない。
今日振り向いて見えた、1588席?
否、もっと大きな会場で。
何千人の中に俺は混じって、ステージからは点にしか見えなくなる。
それでも見つけてほしいとか、忘れないでほしいとか、そんな分不相応なことは願わない。
いつか、彼女たちを取り囲む星の海に埋もれて、
まなざしだけの存在になる。
それでいい。
それがいい。
それこそが希望で、夢だから。
だから今、この瞬間は、二度とありえない奇跡。
俺のnoteを読んで、泣いたと言ってくれた推し。
「灰色くんは、私たちと同じところを見ているんだと思う」と語ってくれた推し。
ここに書ききれないほどの言葉とその光で、いつも俺を救ってくれる、世界にたった一人の最推し。
このひとたちに出会えて、今目の前にこうしていられることが、望んでも二度と得られない奇跡なのだと。
そんな当たり前すぎることを感じながら、ジエメイのIRISを、そしてFinallyのFinally(曲名)を聴いていたら、涙が止まりませんでした。
それぞれ、ワンマン以来のことでした。
普段以上に感傷的な話になってしまいました。
7/29には、大阪の対バンで再度この二組が共演します。
残念ながら私は不参戦なのですが、是非ともその場面は一人でも多くの人に目撃してほしいと思います。
ともに、新時代の証人になりましょう。
それではまた!