轟洋介こそ、HiGH&LOWシリーズを象徴する唯一無二の存在である 6 灰色 2022年10月22日 10:15 ※この記事は先日Twitterに放流した連続ツイートをまとめたものになります。轟が何故ここまでハイローオタク……いえ、なぜ自分にとって特別なキャラなのか、という話です。彼はハイローシリーズを最も象徴するキャラの一人だと考えていますが、それは彼が作中で描かれていない空白の部分までを含めて感情移入させ、その空白と感情を全て織り込んだ物語を紡いでくれたからです。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 17年のEOSから19年のザワドラマまで、轟一派は登場しません。また作中時間でも、彼らはザワ映画で3年生となり、年度基準で2年が経過しています。そのため今回は、合わせてこれらの空白期間を仮に「2年」とします。正確にはザム公開からだと現実で3年経過していますが、簡略化のためご容赦ください。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 さて、この2年の空白期間は、作中に登場していなかったにも関わらず、轟というキャラにとって非常に重要な意味を持つことは、皆さんもご存知の通りです。轟一派は、共に鬨の声を上げてコンテナ街の喧嘩を乗り越えたことで、名実ともに村山と肩を並べる鬼邪高の一員になれたはずでした。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 ところが、『全日は子供だから巻き込まない』(EOS公開時資料他)という後出しのような理屈によって、遥かに格下である全日のその他有象無象と一緒くたにされ、部外者扱いで置いていかれてしまいます。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 なんで線を引くのか、背中を預けてくれないのか。援軍を率い、あの激闘を経験したのに、自分の存在は、実力は、尚も仲間として認められていないのか。疑問は不満となり、行き場のないまま膨張したフラストレーションは、2年を経て巨大な心の壁を作ります。それはまた、成長を阻む殻でもありました。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 そして、S2とザムで轟を大好きになった我々ファンもまた、EOSのキャスト発表〜FM公開時まで、同様の疑問を持ち続けていました。FMのEDで存在を忘れられていないことこそ分かったものの、今後シリーズの中で彼はどう位置付けられるのか、それとも二度と登場することはないのか。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 轟一派に対する扱いの不透明さに、少なからず不満を感じたファンもいたでしょう。つまり、轟も我々も、同期間に同種の気持ちを燻らせていたのです。たとえ画面の中には轟がいなくとも、むしろ彼がいないこと、先々どうなるか分からないこと自体が、我々にとっても気持ちの面での壁となっていました。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 その後、出番の面では空白が明け、EOS〜FM後までの裏側がザワドラマで描かれます。まず我々は「轟は忘れられていなかった」「ちゃんと心中を描いてくれるんだ」ということに安堵し、一派3人の絆が垣間見えるシーンには歓喜しました。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 ただし、轟がその実力をアクションで存分に発揮することはなく、また最後の村山宣言によって苛立ちを爆発寸前まで膨らませたまま、物語は新キャラクターを主役に据えた映画に続きます。結局我々はすぐに、「映画での轟の扱いがどうなるか」という新たな不安のハードル、壁を抱えることになりました。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 そして一方で、役者・前田公輝もまた、久しぶりに轟を演じることに対する思い入れは強く、新作にあたって時には演技・解釈に悩み苦しむこともあった、と語っています。あるいは、轟が愛されていることを知っていたからこそ、一層の重圧を感じることもあったかもしれません。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 そのようにして役者自身までもが、空白期間を含めて作品と役に正面から向き合うことを強いられたこと、それは前田公輝にとっても、一つの壁となっていたのではないでしょうか。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 こうして振り返ってみると、2年間の空白は轟というキャラにとってのみならず、我々ファンにとっても、そして彼を演じる前田公輝にとっても、容易に破れない「壁」を心の中に作ってしまっていたことが見えてきます。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 作品の枠を超えた三者が抱えた「壁」。これは、およそ他には見られない轟だけの現象であり、また役者自身がキャラクターと一体化しながら解釈を深め、共に変化・成長していくという、ハイローシリーズの特色ゆえに起こった出来事でもあります。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 そして、映画が公開されました。そこで、我らが轟洋介は……期待と不安とで塗り固められた壁を、見事にその拳と蹴りで粉砕してくれました。開始早々の村山との再戦では敗れこそしたものの、百手以上とも語られたシリーズ史上最高の徒手格闘を披露します。山田裕貴と前田公輝だからこそ叶った戦いです。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 そして敗戦の末、楓士雄と道が交わったことで変化の転機を迎えると、晴れて己の殻を破り飛翔、全日最強の男として文字通り別格の活躍を見せます。さらに、不器用さを残しながらも柔和な表情や仲間との心の交流も描かれ、この一作を通じてついに轟は永かった空白の期間を完全に乗り越えたのでした。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 長い空白期間を経て、複雑な感情で高く分厚く固められてしまった「壁」。しかし、あの2年間があったからこそ、轟が己の壁を突き破ったことは、およそ後にも先にもないであろう、唯一無二の物語体験となったのです。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 それは轟洋介の成長・羽化であると同時に、きっと役者・前田公輝にとってもまた一つの進化であり、そしてずっと待っていた我々ファンにとっては、最高のご褒美とも言える爽快感と歓喜の大爆発。そんな、三者三様の形での極上のカタルシスが、壁の向こうにはありました。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 「壁破って立ち上がれ 駆け上がるLike a phoenix rising 自分次第ですべて変わる 呼び覚ませGonna make it louder」。シリーズファンにはお馴染み「HIGHER GROUND」のサビ部分です。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 スピンオフであるザワシリーズで流れることこそありませんが、轟洋介というキャラはHiGH&LOWの核にあるこのスピリットを、役者、そしてファンまでをも巻き込んで、熱く刻み込んでくれました。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 演技、ビジュアル、強さ、関係性、数少ないドラマシリーズから出続けているキャラクターであること……自分がここまで来てあえて挙げるまでもなく、轟の魅力はとても語り尽くせません。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 ですが自分にとっては、キャラクター・役者・ファンの三者が2年の空白と壁、そこで抱いた感情を共有し、それを乗り越えて……まさに「共に戦い、共に悲しみ、共に強くなる」物語を一緒に体験できたことこそが、ハイローシリーズを象徴する存在として轟を愛してやまない、最大の理由なのです。— 灰色 (@mtkflying) October 21, 2022 ダウンロード copy #映画 #ハイロー #HiGH_LOW #前田公輝 #HiGH_LOW_THE_WORST #轟洋介 6 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート