①リナ・マイフレンド
あと、たった3回。
たった3回のライブで活動を終えるグループです。
前回noteを書いたときには、まさかこんな状況が来るとは夢にも思っていませんでした。
もう、自分にできることなんて何もありません。
それでも、この気持ちを抑えることはできませんでした。
だから、書きます。
俺が生きた時代には、こんなにも素晴らしいアイドルが5人いたのだと。
その存在を讃えた碑を、せめてインターネットの海に建てるために。
一人目は、やっぱりこの人しか有り得ません。
リナ・マイフレンド=白石李奈という花
「常に全力」。
「ステージで倒れるんじゃないか」。
ナウドラのステージを見て、一番初めに抱いた印象でした。
その流儀を極めたのが彼女、リンリンです。
歌声も、表情も、髪の乱れ方も。
リンリンがステージの前に出るとき、彼女の存在全てが観客にぶつかってきます。
もはや、迫力とか気合といった言葉では表せません。
炎。
声量の限界を超えて、限られた時間に全てを燃やしつくそうとする炎が、今のリンリンです。
彼女の素のキャラクターを知らなければ、心配になってしまうほどの、捨て身の熱量。
過去に在籍したどのメンバーとも違います。
あのキング・ユリアとも、ナナティックとも違います。
今のナウドラにおいては、リンリンこそがエースにしてスーパーボーカリストです。
真正面から受け止めたらのけぞってしまうような、凄まじいパワー。
ここまでの覚悟と気力を見せつけてくる人に、これから先自分はどれだけ出会えるでしょうか。
そんなことを思ってしまいますが、それでも、決して荒々しさが先行するわけではないのがまたリンリンの驚くべき点です。
彼女には日本舞踊の心得があると聞いて、なるほど納得がいきました。「Forever young」などで見られる、足を後ろにまっすぐ引いて弧を描く動きや、彼女がフロントに躍り出るときにくるりと回る独特のムーブ。その優雅さは、日本舞踊が由来だったのです。
力強さと優雅さの両立。
ことパフォーマンスだけをとっても、リンリンはこれほどまでに優れています。
ですが今の私にとって、リンリンの魅力はそれだけではありません。
むしろこれらは、氷山の一角に過ぎず。
私が真に胸打たれたのは、彼女の精神、魂というべきものでした。
ここからは、ごく個人的な話で失礼します。
昨年12月、ユーナの地元山梨にPSN全員で遠征したときのこと。
詳細は省きますが、グループが難局に直面する中でリンリンは、ありのまま私に胸中を語ってくれました。
そしてそれ以降、私の目に映る彼女のステージは、加速的にその凄みを増していきました。
ナウドラを背負う覚悟。
カポネとも共通しますが、それがリンリンを常人ならざる高みへ押し上げました。
おそらくは、否応なしに、だったのでしょう。
それでも、感情をそのまま綴るリリックの多いナウドラにおいて、この相乗効果はとてつもないものがありました。
ナウドラのストーリー全てを、リンリンは歌のレベルアップの糧とするのです。
その進化が、新体制への転換点においても見られたのは言うまでもありません。
本人たちにどれだけの苦悩や苦しみがあったのか、それは最早我々には想像もできません。
けれど、リンリンはそれを全て、余すことなく力に変えてきました。
ナウドラというグループが歩んできた物語を、全て己の燃料にしてきたのです。
これほどのことが、ひとりのアイドルに、人間に可能なのか。
それも、たった2年で。
人一人分を遥かに超えるエネルギーが、紡がれた想いが、リンリンを突き動かしている。
だからこそ、彼女の歌は胸に深く深く突き刺さるのです。
彼女の前世を知らず、限られた時間しか言葉を交わしていない私にも。
ありったけの想いを燃やすリンリンは、もはや誰とも比較できない眩しさを放っています。
そして、それでもなお。
リンリン最大の魅力は、ずっとずっと変わることがありませんでした。
どこまでも明るくて、快活で、会えば必ず一緒にバカ笑いをしてしまうような、愛くるしい天性のキャラクター。
リンリンはいつだって、私に、みんなに笑顔をくれました。
あのあっけらかんとした笑い声に、どれほど救われたでしょう。
リンリンがいてくれれば大丈夫だと。
リンリンがいる限り、俺たちもついていこうと。
そう思わせてくれるのが、彼女でした。
何もかもを乗り越えて、歌う。
伝える。
笑顔を贈る。
これがアイドルでなくて、なんだというのでしょう。
リンリンをアイドルと呼ばずして、なんと呼ぶのでしょう。
容易な壁など、「普通」なことなど、一度もなかったかもしれません。
けれどその中でリンリンは、超一流のアイドルとして花開きました。
彼女の「李奈」という名前にある「李」の字は、スモモを表す漢字です。
その花言葉は、「飾らない上品さ」。
調べてみてそのピッタリ具合に、思わず笑ってしまいました。
リンリンに伝えたら、大喜びしてくれそうですね。
かわいくて、騒がしくて、唐揚げとファンのことが大好きで、内には飾らない上品な美しさを持った。
リンリンはきっと、この先何年経っても枯れることがない、大輪の花です。
どんな場所だって、きっと彼女には関係なくて。
この先もリンリンは、私たちに笑顔をくれる……いえ、一緒に笑い合える花であり続けてくれるのでしょう。
どうかその行き先に、陽の光が降り注がんことを。
心から、願っています。
誰よりもカッコいいのに、誰よりも親しみやすい。
マイ・フレンドへ、愛を込めて。