スパンコールグッドタイムズワンマン「Berry landing!!」LIVEレポ
こんにちは!灰色です。
本日3/18はなんとも豪華なLIVE2本立て。
昼間のシーオン・絹井愛佳さん生誕祭に続いて、夜は渋谷へ。目的地はスパンコールグッドタイムズのワンマンLIVEです。
こちらもものすごーーーく素晴らしいLIVEでしたので、全曲とは行きませんがレポをどうぞ!
スパンコールは対バンで20〜25分のステージを見たことがあるだけで、単独・ワンマンは初めて。ステージを見るたびにその独自の心地よいサウンドとビビッドなキャラクター性に魅了されていたため、今日は満を持して参戦できました。
会場は近未来会館。名前だけ知っていたものの、今回初めて行くライブハウスです。中は広いコンクリ打ちっ放しで、提灯やら漢字のライトが香港チック。壁にスプレーであれこれと落書き風の文字が描かれています。……風、ですよね?
おなじみのSEと共にメンバーが登場してLIVEがスタート。本編では音楽を最大限に尊重する代わりに、OPではファンの皆さんが全力で愛を叫んでいて楽しいですね。この時点で全員のキャラクターが分かるアイコニックさがスパンコールの大きな魅力です。
さて、ここからは個別の楽曲にコメントしていくより先に、全体を通して印象的だったポイントをいくつか挙げさせてください。
まず今回改めて感じたのは、クラップの楽しさ!どの楽曲にもたくさんクラップポイントがあり、観客はリズムに揺れながら両手を打ち鳴らします。そうして会場全体のボルテージがどんどん上がっていく様子を見ていると、スパンコールの楽曲はLIVEでフロアのクラップが重なってこそ真に完成する、とさえ思えてきます。これほどクラップが楽しいLIVEは体験したことがありません。
そうしたクラップの高揚感も含めて、誰もが思い思いに音楽とダンスに浸っているフロアの自由な雰囲気もまた、スパンコールのLIVEで大好きなところ。
特に今回はワンマンだったため、各々が気ままに楽しんでいるのに不思議な一体感があるという、とても素敵な空間があっという間に出来上がっていました。
決して大人しすぎるわけではなく、沸くときと浸るときで自然に盛り上がりのメリハリをつけるスタイルのファンの方々を見ていると、いい現場だな〜……と素直に感じます。こればっかりは運営さんサイドや一人一人のファンがコントロールできるものではないですしね。
また、近未来会館のステージはやや横に広いような印象だったのですが、それがまたスパンコールのLIVEにピッタリ!決して激しいダンスがメインのグループでもないのにそう感じたのは、各メンバーがたびたび自由に動き回るパフォーマンススタイルゆえです。
百香さんなら、バレリーナのように躍動するモーションや、しなやかな指先で誘惑する仕草。
ナオさんであれば、ステージ奥から一気に飛び出してくる縦の動きと、順番に観客へ火をつけていく横の動きの両方でしょうか。
あるいは、いっぱいの笑顔と共にバタバタとアニメのような音が聞こえてくるような、りこさんの駆け回る姿。
そうした縦横無尽に身体を使うムーブが、ステージを広く使うことによって一層輝いて見えました。伸びやかに、楽しそうに動く3人には、ビジュアルという言葉以上にあふれる魅力があります。
そしてまた、3人が派手にステージを駆けることで、一人静かに佇む真尋さんの引力までもが増したように感じられるのです。つくづく奇跡的な均衡とシナジーを持っているグループだなと、何度も感嘆せずにはいられません。
続いては、各メンバーについても印象的だったところを述べさせてください。
ナオさんの破格のパワフル&ソウルフルな歌声や、真尋さんの目を離せない神秘的なオーラについては、過去の対バンレポでもご紹介した通りです。
そして今日のワンマンでは、残るお二人の魅力も存分に体感できました。
百香さんを見ていて感じたのは、すごく繊細なバランス感覚をお持ちなんだろうな、ということです。舞踏という表現が似合うダンスに加えて、誘うような官能的な仕草が特徴の百香さんのパフォーマンス。時には投げキッスまで見せてくれます。
しかし、官能的ではあっても扇情的ではないのが百華さんのバランス感覚の絶妙なところです。艶やかではあっても、決して過度にセクシーではない。むしろ上品といった方が適切です。
どちらに触れても魅力が損なわれてしまいそうなのに、それをコントロールして、なおかつステージでは自由に振る舞うという離れ業。これは意識してもそうそうできることではありません。
そして、りこさんと言えばなんといってもその眩しすぎる笑顔。元気娘という形容がピッタリで、マイクを持っていないときも観客をみんなメロメロにしてしまう愛嬌を振りまいてくれます。
しかし、その素敵な愛嬌が時には違った形の武器にもなるのが、りこさんの凄いところです。これぞアイドル!というようなりこさんの笑顔と歌声は、陽気に楽しくフロアを盛り上げるだけではありません。時としてリリックの切なさを増幅させたり、あるいは怖ささえ感じさせる演出を可能にしたりと、様々な側面を見せてくれました。
ただでさえ笑顔がまぶしいのに、その笑顔に多彩な意味づけができるのは、りこさんのストロングポイントと言って差し支えないでしょう。
ここまで書いてきた通り、それぞれが全く異なる鮮烈な魅力を持っているスパンコールの4人。それだけに、LIVEではどこにフォーカスするかが嬉しくも大変な悩みどころです。
甘く魅惑的な百香さん、フレッシュな元気がはじけるりこさん、ハートを鷲掴みにするパワフルなナオさんに、透き通った歌声とダウナーオーラが心を惹きつけてやまない真尋さん。
これほど個性的な4人を目の前にしては、誰を見ていいのか本当に分からなくなってしまいます。どのパートで誰を見ても引き込まれるLIVE。そうなったらもう、何度も足を運ぶしかありませんよね。
さて、それではそろそろセトリも見ていきましょう。音源で振り返って確認できないものが多いため、特に印象的だった楽曲だけ触れていきます。
【4.GORON】
久々に聴けた!可愛らしさと一発で耳に残るサビがとっても好きな曲です。対バンだとたまたまタイミングが合わなかったので、今年に入ってから初めてかもしれません。同事務所のカイジューバイミーにも「RAIGEKI」という曲がありますが、同じ稲妻をテーマにした曲でも両グループの個性がバキバキに表れててすごく面白いです。
スパンコールはほとんどの楽曲が一人一人の個性的な歌い方を見せていくスタイルなので、GORONのサビのように3〜4人がユニゾンするのはひときわ特別感がありますね。声質がここまでバラバラで聴き分けやすいのもすごいです。
また、今日目を奪われたのは振り付けの妙!サビで腕を振って稲妻を宙に描くところは勿論なのですが、その後の「頬杖ポーズで置き去りに」のところが途轍もないです。人間、頬杖つくだけでこんなに個性が出るのか……と感動しました。まさに四者四様の仕草に、誰を見ていいのか分からないくらいメロメロになってしまいます。
サビの真尋さんの高音も心地よく、中でも最後の「KAIKAN!」は極めて特徴的。字面からイメージするようなセクシーさやキュートさはなく、吐息と一緒にごく控えめなボリュームで囁くような歌い方で、嫌らしさや作ってる感のない気品を感じさせます。
【6.コントラスト】
先日のキラーチューンで度肝を抜かれた一曲です。とにかく転調が理解の追いつかない極端さで、全く予想できない展開が連続します。コンセプトも他の都会的な楽曲より幻想的で、「ゼンマイ」という言葉が多用されている通り、まるでメンバーが人形になったようなモーションがファンタジックな空気を醸し出します。
なんといってもこの曲はりこさんがヤバい!!彼女のスマイルを逆手に取り、他の3人を観客ごと操る指揮者のような動きをしたり、1人だけでステージを走り回ったりと、いつも通り自由奔放なはずなのにダークな空気を広げていきます。
みずみずしい笑顔とファンサでこれぞアイドル!というポジションを務めているだけでも素敵なのに、それが異なるキャラクター性を持たせるとこれほどまでに妖しく危険な魅力に変わるとは、脱帽です。
そこからは曲調が一転し、サビはナオさんをメインとした重低音ラッシュのヘドバンに。まるで悪夢のようなジェットコースターぶりで、一度味わったら絶対に忘れられません。音源で歌詞を確認したくもありますが、この曲は是非LIVEでまた堪能したいですね。
【7.フューズ】
スパンコールのLIVEの異端性を象徴する、メロウでムーディーなサウンドが一番好きな楽曲。コントラストからの切り替えがまさに好対照です。ワンマンで観客全員が楽しみ方を知っている今日は普段以上に情感たっぷりで、近未来会館のライトが裏路地の街灯に見えてきました。
退廃的な空気と美しい歌声の調和で、耳も目も最高に幸せな時間。百香さんの色香も、真尋さんの儚げな憂いも、全てが溶け合っていました。この曲を堂々と演じられるアイドルは、およそスパンコールだけでしょう。とりあえずサブスクください。
【9.世界の隅の真ん中で】
詩的で洒落た表現が多い他の曲と比べて特にストレートなリリックが特徴的な、これまた大好きな作品です。
演劇のように完成された独自の世界観がスパンコールの持ち味ですが、これはむしろ「地下アイドルとしてのスパンコールグッドタイムズ」を歌っているようにも感じられました。「いつかまた会える しばらくさよならね」という歌詞や、何より「世界の隅の真ん中」というタイトルそのものが、喧騒から離れた路地の地下にあるステージそのものを指しているように思えるのです。
何にもまして鮮烈なのは、ナオさんの「名乗りをあげてもどいつもこいつも分かってない」「私はここよ 早くみつけて」という叫びでした。
どこにもない独創的なグループで、誰にも負けない熱い歌声を発揮する彼女自身が、まだ見ぬファンに精一杯語りかけている。そんな切なる思いが、胸に深く刺さりました。
【10.雨のキネマとアンブレラ】
弾むような歌い方で胸が躍るダンスナンバーです。これはもう、今日やってこそ!雨の中、地下のライブハウスでパフォーマンスするというこのシチュエーションがこれ以上ないくらいにピッタリです。
他にも雨の街に似合う曲がスパンコールには多く、敬遠される悪天候が最高の演出になってしまうという粋な逆転現象。前日から楽しみにしていましたが、生で味わうとやっぱり格別でした。あ、そういや昼間キネマ倶楽部にも行ったな……。
「まるでキネマ」という比喩も、この4人にはピッタリ。アイドルではなく、名作映画の女優たちを名画座で眺めているかのようです。しかしスクリーンの中と違うのは、そんな魅力たっぷりのメンバーたちがそれぞれトーンの違う「抱きしめてくれていいんだよ」と目の前で歌ってくれること。オタク冥利に尽きるとはこのことですね。僕も空を飛べそうです。
【11&EN1.サーチライト】
最後はやはりこれしかありません!説明不要の代表曲にして、スパンコールの武器が満載されたスペシャルナンバーです。過去記事でもたくさん触れていますが、ネオン街で4匹の猫が踊っているような情景が浮かぶ曲。百香さんと真尋さんは特に猫っぽさがありますね。
そして何といってもサビのナオさん&真尋さんという正反対に近い2人によるぶつかり合いこそ、サーチライトの、そしてスパンコールというグループの極点です。
何もかもが対照的ながら、別のアプローチで素晴らしい歌唱を実現しているお二人。しかし、この日はさらに凄かった!本編ラストからアンコール一曲目という、まさかの連続サーチライトだったわけですが、意識してテイストを変えられていたのがハッキリと分かりました。
新作のオフィシャルTシャツに着替えられたことも作用しているのでしょうか、ナオさんはもう一段の盛り上がりを起こすために溌剌とした爽やかな歌い方に。そして真尋さんは、本編でほとんど俯いていた顔を上げることが増え、相変わらず表情には乏しいながらも、その様子にはどこか楽しさが滲んでいました。
ワンマン本編で全曲を消化してしまうくらい、スパンコールは決してまだ曲数が多いわけではありません。しかしその分、対バンで磨いた一曲一曲の魅せ方を相当に研究されていたことが、新参者の私にもすぐに理解できました。
最後には8曲目&アンコールの大トリだった「Shangri-LA」にも触れたかったのですが、残念ながらこちらも音源配信がなく、記憶がやや曖昧になってきた中で適当なことを言ってしまうのは避けたいため、今回は控えさせていただきます。申し訳ありません!
アンコールも終わり、大満足のワンマンは無事終了!折角なので、最後は特典会にもお邪魔しました。だいぶ前の対バンで一度だけ行ったことがあったのですが、それ以来のチェキです。
時間の都合もあり、回れるのはお一人だけになりそうだったので、ずっとお話ししてみたかった真尋さんへついに初めましてをすることに。一度見たら忘れられないほど異質な魅力を持つこのお方とのトークは……と、無粋なことはやめておきましょう。
さて、余韻に浸りながら近未来会館の扉をくぐって階段を昇れば、再びそこは渋谷の街。
雨が上がったばかりで人通りの少ない道の様子は、普段の渋谷らしさがないからか何処かおかしくて、さっきまで夢の中にいたような気さえしてきます。それほど、濃密な90分を過ごせました。
上質なトラックに、演者とフロアが一体となって真に完成する楽曲。
鮮やかな個性を発揮する4人のメンバーと、熱くも紳士的なコードを共有するたくさんのファン。
それらが一体となって生まれる、特別で贅沢で代えがたい時間は、やっぱり唯一無二のものでした。
ステレオタイプなアイドルではないけれど、どんなアイドルのLIVEにも負けない、独自のスタイルが青くきらめくダンスタイム。
そんな最高のひとときこそがきっと、「スパンコールグッドタイムズ」なのでしょう。
今夜はなんだか、素敵な夢を見られそうです。
〜今日のシェア〜
花瓶 by MegRinka
本当に本当に大好きな、言葉の一つ一つが響く名曲中の名曲です。
評価・シェアよろしくお願いします!!
告知
この記事をお読みいただけた皆様、この記事書いた物好きが狂ってる推しってどんなもんだろ?と疑問に思われましたら3/26のFinallyバンドワンマンへ是非お越しください!!
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3/21(火・祝)の21時より、Twitterスペースにて#ドル談 ラジオにゲストで出演いたします!
当日はもちろん、3/26の生バンド編成ワンマンライブに向けて、Finallyの魅力をご紹介させていただきます。
よろしくお願い申し上げます