【楽曲語り】WILD BRAVE・中編〜悔しさも別れも乗り越えて【まいにちFinally・day34】
告知
3/21(火・祝)の21時より、Twitterスペースにて#ドル談 ラジオにゲストで出演いたします!
当日はもちろん、3/26の生バンド編成ワンマンライブに向けて、Finallyの魅力をご紹介させていただきます。
よろしくお願い申し上げます!
こんにちは!黙らない男、灰色です。
今回のまいふぁいもワイブレ語り!前置きは省略して、早速いきますよ〜。
前回の記事では、1番のラストまでを掘り下げました。二つのキーワード、「覚悟」「エンドロール」については保留中ですね。
というわけで、続いては2番に参りましょう。1番と同様に、Finallyと私たち一人一人の双方の視点を切り口にしていきます。
Finallyが感じていた「減速する自由」とは、自分たちの思い通りに活動ができないもどかしさでしょうか。夢に胸をときめかせて前途洋々とばかりにスタートダッシュを切ったものの、思い通りにいかないことばかりの現実に不本意な足踏みを余儀なくされる。そんな歯がゆい気持ちが伝わってきます。
続く「半信半疑の通例」「無責任な正義」「所在ないユートピア」といったワードたちも、同じく苛立ちや無力感を想起させます。通例とは言い換えれば常識であり、大多数に当たり前とされていることです。しきたりと言ってもいいかもしれません。彼女たちにとってそれは、たとえば旧来の「アイドルらしさ」もしくは「地下アイドルらしさ」のようなものかもしれません。
みんなが当然のように受け入れて振る舞っているそれは、本当に正しいの?無責任な誰かが決めた正義に従うことが、私たちの目指す未来に繋がっているの?他の道を選ぶことはできないの?
Finallyは思考停止に陥ることなく、悩み、苦しみます。それは彼女たちの強い志ゆえですが、しかしそのような疑問を持ってしまえば、ユートピア=理想郷に見えたはずの世界も息苦しい場所となり、居場所がないように感じてしまいます。
あるいは、ここまでのパートはむしろ、私たちの日常に当てはめる方が理解しやすいかもしれません。
「加速する時代」においては、落ち着いて呼吸を整えることも、自由なリズムで生きることも許されません。
通例、すなわち過去の方法論や思想は、とっくにその意味を失いました。夢のテクノロジーや理想の製品が次々と現実になり、ユートピアが訪れたはずの時代。しかし、誰もが無責任に正義の名の下で暴力を振りかざす日常において、私たちはむしろ安息を失っているようにも思えます。
急激すぎる変化、窮屈さ、身勝手な大義……誰もが感じている日々の苦しさにも、「ワイブレ」は焦点を当てているように聴こえました。
続くパートは一転して、Finallyのことを直接的に歌っています。「悔しさで涙も出ないような日々」が指している過去については、新参者の私はそのほとんどを知りません。それでも、彼女たちが今ここに立つまでに夥しいほどの艱難辛苦と無念があったことは、想像に難くありません。
また、このパートは歌割と振り付けも極めて特徴的です。サビ以外では唯一、ペアでの歌唱と動きの表現が盛り込まれているためです。それを担当するのは、リーダーのJuriとリードボーカルのRinka。この2人はグループの最年長でもあり、また名古屋のスクール時代から最も長く苦楽を共にした仲でもあります。
奇しくも似た声質を持つ2人がひとときユニゾンし、そして手を取り合う姿は、彼女たちが臥薪嘗胆の日々を乗り越えて再起したことを雄弁に物語っています。Finallyの全楽曲の中でも、特にストーリーテリングな表現の一つです。
Finallyに立ち塞がってきた壁、心を折ろうと襲いかかってきた逆風。そんな中で彼女たちを立ち上がらせたものもまた、「激情」でした。消えない激情は、何度でもFinallyの闘争心と反骨心を駆り立てます。
また、ここでの「piece」が示すものは「激情」ですが、Finallyにとって「piece」という単語は他にも特別な意味を持っていることも、注目すべき点です。
まもなく訪れる0326、グループ初のバンド編成ワンマンライブのタイトルは「Next, Attract, Piece」。ここでの「Piece」は、欠けてはならないメンバーの一人一人であり、またファン=Fimillyのことをも指していると語られました。
そのことを踏まえると、我々をも含んだ一人一人の「激情」が集まれば、いかなる障壁をも打ち崩せる……そんなメッセージのようにも受け取れます。
魂を突き動かすものは、音楽と歓声への原始的な感動であり、それをまた味わいたい、もっと大きくしたいという衝動です。
加えて、私はこのフレーズこそファンサイドの心情に当てはまるものだとも感じています。
私がFinallyに心惹かれて、これほどまでに熱狂させられ、全てを懸けてみたくなった根拠。それは、未だに言葉にしきれないような、一種の曖昧さに包まれています。
けれど、それでいいのかもしれません。
偶然通りがかったときに「ワイブレ」を歌っていた、あの日のFinallyの勇姿。
他のどのグループよりも印象に残った、未知の世界からの感動。
もう一度彼女たちに会いたいと足を走らせた、抑えきれない衝動。
最初は些細だったけれどもなぜか無視できなかった、そんな本能の鳴動こそが、きっと私が今こうしてFinallyを推している根拠なのです。
息苦しく圧迫される見せかけのユートピアから飛び出したFinallyは、胸高鳴るステージへと再び駆け上がります。しかし、そこに到達するまでに彼女たちが経てきたものは、数えきれないほどの出逢いと別れです。
同じように夢を見ていたアイドル仲間もいれば、クセが強くて忘れられないファンもいたでしょう。周りの人々が次々と入れ替わる中、新たな出逢いに胸を躍らせることもあれば、別離を悔やんだこともあるかもしれません。
それでも、全てを受け入れて噛み締めて、彼女たちは前に進むことを選びました。そのスタンスは、たとえば初期の楽曲「Finally」で謳っていたものとも共通しています。
このように、ターニングポイントとなる楽曲において、過去と向き合いそれを未来への糧にすることを宣言するのも、Finallyの楽曲の特徴です。あるいは、それぞれの「分岐点」での決意表明を歌にして届けてくれているとも言えるでしょう。もしあなたが既にFinallyの曲に親しんでいるなら、こうした点に着目してみるのも面白いかもしれません。
話を「ワイブレ」に戻しましょう。困難も別れも乗り越えて、再び魂の燃える戦場へ舞い戻ったFinally。激情に満たされた彼女たちは、たとえ格好がつかなくとも、這いつくばることになっても、不屈の精神で猛進します。
誰かの悪意にも、無作為なデッドフォール=偶然の不幸にも挫かれずに。
これから先、「鼓動が疾る世界」への道のりは、きっと片道切符でしょう。そこに踏み込むのに必要なのは、振り向かない強靭な意志……そして、何もかもを受け止めて粉砕するほどの「覚悟」です。
彼女たちは一足先に駆け出しました。
さあ、次は私たちが飛び込む番です。
ワイブレ語り、2番終わりです!
この死闘も次回でよーーーやく最終回。
ここまでの考察を踏まえた上で、ラストまでの歌詞と二つのキーワード「覚悟」「エンドロール」を分解することを目指します。
ちなみにまだ結論部分はできておらず、ここまで書き上がってすぐ投稿したため、着地点がどこになるかは全く分かりません!
全てを語り終えた後、私にとって「ワイブレ」はどう聴こえるのでしょうか。
それを楽しみに、次回も頑張ります!
それではまた!
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First Love by Meg
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