1936年のスコアブック
アメリカ議会図書館で開催されている「ベースボール・アメリカーナ展」に行ってきました。目を引いたのが、1936年のワールドシリーズ(ニューヨーク・ヤンキースVSニューヨーク・ジャイアンツ)の第1戦のスコアブック。印刷されたスコアブックでなく、ノートに手書きしたもので、ヤンキースの3番にジョー・ディマジオの名前も見えます。ジャイアンツの先発投手は、カール・ハッベル。「リーグの違ったハッベルとベーブ・ルースの対戦が見たい」と願った少年ファンの投書でオールスター・ゲームが誕生したという伝説がある、あのハッベル(実話ではないという説も)。
解説文によると、
Vincent Curry, who worked at New York’s Department of Public Welfare, followed the radio broadcast of the 1936 World Series, Game 1, between his Yankees and the Giants, keeping score in this notebook.
このスコアブックを書いたニューヨーク公衆衛生局勤務のヴィンセント・カリーさんは、仕事の合間にラジオにかじりついて、試合の行方を追ったらしい。試合は平日の昼間に行われ、何百万人もの人々が仕事と野球の間で引き裂かれることになったそう。
In no other sport do fans take meticulous play-by-play notes, filling in scorecards according to standard practice and personal flourishes.
野球は「ファンが1プレー1プレーをすべて記録できる他に類のないスポーツだ」とも。
先日、久しぶりに野球映画の傑作「フィールド・オブ・ドリームス」を見ていたら、フェンウェイ・パークで観戦しているシーン(「ムーンライト・グラハム」の名前がセンターのスクリーンに登場する場面)で、ケビン・コスナー演じるレイ・キンセラもスコアを付けていました。ただ、残念ながら、メジャーリーグの球場でスコアを付けながら観戦しているお客はほとんど見かけたことがありません。観戦しながら、スマホで試合展開をチェックできる時代だからかもしれないですね。
どういう人選かわからないが、展示会場にイチローの写真が飾ってあったのを見て、アメリカでも本物のスター選手なんだなと実感しました。