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Vol.06 経営者として、インストラクターとして。|山田 里菜さん
今年、設立して8年目を迎えたGravis。
現在は、子どもから大人まで、幅広い層の生徒さんたちに向け、チアダンスをはじめ、ヨガやストレッチのレッスンを提供し、レッスンスタジオも着々とその数を増やしている。
しかし、Gravis設立当初は集客が思うようにいかず、経営面では苦労することも少なくなかったそうだ。
経営を主導していた自分を含めた設立メンバーは皆、ダンスやそれを教える知識や技術はあっても、経営に関してはまったくの素人。その結果、赤字だった時期もあります。
自分としては、それまでにパフォーマーやインストラクターとしてある程度の経験も積み、結果も残してきたと思っていたので、なかなか生徒を集められなかったことに、もどかしさはありました。
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この状況が変わったのは、現在、代表取締役社長を務める山田 康介さんがGravisの経営に関わるようになってからだという。山田社長は、りなさんの旦那様でもある。
結婚して、夫が社長として経営に関わるようになってから、徐々に生徒も増えてきました。もともと、コンサルタント業務を専門にしている人なので、そのノウハウで何とかしてくれたんだと思います。
私は経営者としての目線をほぼ持てずにいたのですが、社長の様子を見てると、「経営者っていろいろ考えているんだなあ」って。勉強になっています(笑)。
こうして山田社長が経営に関わるようになり、徐々に経営も上向きに。現在、Gravisのレッスンを受けている生徒さんは取材当時までの累計で約600名にまで増えた。
それでも、りなさんの頭の中には、この先さらに目指している数字があるらしい。
設立時、父に「生徒が1,000人集まれば、安定した経営ができる」と言われていました。
今やっとその半分を超えたことろなので、もう半分。まだまだです。
りなさんが、経営者目線でこう話をしたのは、きっとこれまでのお父様や山田社長の影響もあったからだろう。さらに生徒数を増やしたいというこの思いは、経営者としては当然のものなのかもしれない。
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こういった経営者としての目標に加え、りなさんにはインストラクターとして目指しているビジョンもある。
Gravisに通う子どもたちをはじめ、自分のもとでチアダンスを学ぶ人たちには、技能についてはもちろん、チアダンスを通してチャレンジする心や、仲間と切磋琢磨する心も伝えていきたいと思います。
ただ、まだ自分の中でも、チアダンスを通して何を学べるのか、何を伝えられるのか、言語化できていない部分があるので、それをきちんと言語化することも課題のひとつですね。
また今後は、パフォーマーの技能面も精神面も充分に育むことができるインストラクターの養成にも力を入れていきたいと思っています。
世間でのチアダンスの普及率はまだまだ低いんです。なので、チアダンスに関わる人を増やしていくという意味でも、パフォーマーだけではなく、そのパフォーマーを育てられるようなインストラクターも増やしていきたいと考えています。
Gravis設立当初は、ビジネスとしてチアダンスを教えることについて、一部周囲との衝突や、それによる葛藤もあったみたいだ。
しかし、こうして今後の目標を話してくれたりなさんの姿からは、そうした衝突や葛藤を気にする様子はまったく感じられなかった。
それよりも、経営者とインストラクターの両面から、Gravisや、チアダンスとチアダンスに関わる人の現在と未来を考えているように見えた。
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りなさんのお話を伺っていて感じたのは、インストラクターとは、《インストラクター(教える側)》と《パフォーマーや将来のインストラクター(教わる側)》の関係に留まって、単に技能を教えるだけの存在ではないということだ。
チアダンスを介して同じ景色を一緒に見ながら、同じ目標を共有すること。
そして、その目標に近づくために、教わる側の技能面だけではなく、精神面にもアプローチすること。
こんなふうに、インストラクターは教わる側にとっての指導者であると同時に、同じ目的地を目指すことができる伴走者としても存在しているのだろう。
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もしそうだとすれば、これからのりなさんはインストラクターとして、誰の伴走者となり、何を目指していくのだろうか。そして、どんな景色を共に見ていくのだうか。
また機会があれば、そんなお話もぜひ伺ってみたい。
(Vol.07へつづきます)