『FE 風花雪月』三周目 金鹿ルート ネタバレ感想
ついに三つ目の学級、金鹿の学級を受け持ちました。実は一番興味を惹かれていた組であり、最初に選ぼうすらとしていたのですが、薄々感じていた「ゲーム側の仄かな誘導」に乗るがまま金鹿はお預けしていました。
今思うと、英断というほかない。金鹿は明らかに三周目(四周目?)を想定したようなストーリー構成でした。
前置きで色々話してもしょうがないので、いつものようにダラダラと記事を書いていきます。それではGO!
初の女先生
ギャルゲーを楽しみたかったので、二周目まではベレトを選んでいましたが、そろそろ味変したかったのでベレスを主人公にしました。スタイルが実にけしからん。服装もとんでもない。
ベレスは女性のためファルコンナイトに就職できる。級長の特殊職を抑えて合計成長率1位タイの強クラスであり、ベレトとの大きな相違点になっています。ウォーマスターも強そうだけど(未使用)
あと女神としての器なら、やっぱ女先生の方が味があって良いのかなぁって。篭手でネメシスに殴りかかるOP再現もできるし。
ずるい
青獅子と黒鷲は、大量の謎が残されたままエンディングを迎えてしまいました。なぜなら、ディミトリは帝国打倒、エーデルガルトは教団打倒が一番の目的だったから、真相を知ろうという気概はありませんでした。
しかし、クロードは探偵の如く謎を探求し真実を追求しつづけます。モヤモヤを抱えたユーザーを見越したかのように、金鹿ではありとあらゆる謎が解明されていきました。
ずっと怪しいけど手が出せなくて歯がゆい思いをしていた「闇に蠢くもの」を遂に殲滅することに成功するし、ネメシスとかいうバケモンが復活したけどそれすら打ち倒してしまう。
「風花雪月」を知るためには欠かせないルートであり、他二つとの差を感じずにはいられません。
そもそも、戦力で一番劣るはずの同盟が、王国と帝国よりも“成果”を出していること自体がずるい。先生がついて獅子に鰭とはいえクロードの完璧超人っぷりが際立ちますね…。
巧みな三周目への誘導
自己紹介、舞踏会ムービー、製品版パッケージ。あらゆる面でクロードは"3番目"だったからこそ、私は金鹿を最後に回しました。これは公式も絶対狙っていたのだと思います。
二つのルートを経て頭の中が疑問符で満ちたユーザーを解き放つ金鹿ルートを、公式は絶対最後に回したかったんだろうなぁって。
まぁ、最後といっても黒鷲で教団側に付くルートがまだ残っていますがね。向こうは全くの未知数で怖い。もうラスボス候補いなくないですか?
鬱をすべて背負った漢ディミトリ
「風花雪月」は素晴らしいゲームですが、この作品について思想すると気分が沈み込む。ディミトリがあまりにも報われないから。
金鹿の彼は黒鷲以上に絶望でしたね。「先生がいない青獅子」といえる状況であり、見るに堪えなかった。
同じ帝国打倒を掲げる同盟と手を組むのでは、なんて楽観視していた時もありました。鷲獅子戦ver.2で帝国が攻められているのを見たディミトリは、同盟もろとも帝国を討とうと突っ込んできました。なんで?
エーデルガルトは「敵も味方も分からない混戦」に持ち込もうとはしていましたが、指示を出す直前でディミトリは帝国軍の判別をしていました。つまり確信犯。
クロードに「俺たちが戦って誰が喜ぶ⁉」と珍しく苛烈に詰められても「お前にかまっている場合じゃない」と全く論理的じゃない返事。なんてか、ここまで意味不明な行動に走るほどに壊れてしまったことが悲しいよ。
ディミトリを撃破しても彼は死なず、単身エーデルガルトを追って行きます。止める役割の仲間は死んだし、先生は担任ではない。
無策に突っ込んでいった彼の末路はあまりにも無残なものでした。イベントも、ムービーも、一枚絵もなくテキストのみで死を伝えられる呆気なさに、私のメンタルはとどめを刺されました。
兵力や情勢を省みずに帝国へ特攻、同盟と協力して仇を討つ確率を上げる思考にすら至れず、それどころかまとめて倒そうとする国力の無駄遣い、王子であることを忘れ無謀に帝国に当たって砕け散る。
ディミトリは王国史上最悪の権力者として後世までその悪名は語り継がれることでしょう。何も成し遂げることなく、言い訳しようがない“犬死”でした。どうして彼だけこんな目に遭うんだよ。
黒鷲も落ち込んだけど、これを見てしまうと遥かにマシだったんだなって。獣ではあったけど、教団と行動していたがために彼の復讐心も肯定されてたのかなって思う。だから幾分かは彼も救われたので仲間を想う気持ちがディミトリに残っていたし、仲間もディミトリを信じてた。いやまぁ金鹿も仲間は彼を見捨ててなかったけどね。完全に断ち切るにはスカウトしかないのよ。
戦闘面について
難易度は変わらずにハード。ルナティックは全ルートを回ってからに決めているんだ。DLC? はて。
先生は全技能S+を目指しているので、今回は剣は使わせずに籠手と槍で戦わせたり教習を受けさせました。
噂の技能レベル上げの手段にも頼らせていただきました。場所を選ばずに受けきれるラファエルが有能だった。おかげで先生の槍籠手飛行の技能レベルをカンストできた!
スカウト縛りで仲間になる学級外の人間はセテス様だけだったな。てか残りはほとんど登場すらしなかった。カトリーヌとかツィリルはレア様が弱っているときこそ傍にいないとダメやろがい!
最初の記事で戦技は使えないって言ったと思うけど、弓兵に関してはむしろ戦技が本体ですね(笑) 射程伸ばせるのが本当に強い。能力が足りなくてもほぼ一軍確定じゃないかなー、それぐらいにはズルい。
射程をここまで伸ばせるFEは初めてです。どれだけ打たれ弱くても、火力と射程さえ確保できれば鬼強い。だからリシテアも獅子奮迅の活躍でした。ダークスパイクのおかげで死神騎士の処理が格段に楽になりました。
踊り子について
従来のFEでは強ユニットであり、私も「風花雪月」では言われるがまま生徒を圧力で踊り子に就職させていました。
が、クラス成長率たるものが壊滅的に低いらしいのだ。よって、踊り子になったユニットはいずれ能力で置いていかれる運命にあるのだとか。
踊りに専念させればたいした問題ではないが…踊り子の専用スキル「剣回避+20」がとても強力だと聞いた。剣を主体で戦うユニットを白鷺杯に出場させ、このスキルを入手したらソドマスを目指す…なんて育成がとても魅力的だと気付いた。次周は教団ルートなので、ペトラをこのやり方で育てようと思う。
おわりに
青獅子と黒鷲に感じていた違和感の正体が分かりました。「人vs人で完結していた」からだ。
確かにラスボスはどれも人間ではないけど、どちらのルートも軍と軍の戦争で終始しています。でもFEって絶対異形の化け物集団との抗争が始まるじゃん? 「闇に蠢くもの」との本格対決が始まったときにようやく「これってFEだったな」となりました。
元々なんでもできると思っていたクロードに先生が加わると、やはりというか二人の級長よりも世界を良い方向に動かしましたね。うん、やっぱ先生はディミトリの傍にいないとダメだ。
最も平民率が高い学級が最も世界の困難に立ち向かっているのも、いつものFEらしい展開ですね。もちろん大団円。このハッピーエンドに絶対に加われないディミトリが哀れすぎる。
じゃあ青獅子で他学級の生徒もスカウトしまくって心安らかなり、ともいかないよね。ぶっ壊れたディミトリを見た仲間の反応を想像すると胸が苦しいし、あのラストも鬱ゲーと呼ばれる所以でしょう。いやぁ、良いゲームだよ、ホント。