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百万石メモリーズ 第八景「白山信仰の白山比咩神社・金運の金劔宮」

百万石メモリーズについて

江戸から加賀藩に嫁いできたお姫様「珠姫(主人公:たまひめちゃん)」が前世の記憶を半分抱えて輪廻転生し、現代の加賀百万石を訪れる。 加賀百万石の各地にあるパワースポットや歴史的な場所を巡る物語。

この物語は、第一景から第十二景まであります。今回の話は第八景となります。
「百万石メモリーズ」全12章
■第一景 珠姫のお寺天徳院・白蛇龍神の金澤神社
■第二景 珠姫が通った子宝観音院・金沢城鬼門封じの五本松宝泉寺
■第三景 殿様の眼病治した香林坊地蔵尊・縁切りと縁結び貴船明神
■第四景 百万石まつりの尾山神社・十二支巡り願掛け香林寺
■第五景 希望が見える富樫城址・三天狗が守る前田家の裏鬼門
■第六景 利常の小松城址と浮宮天満宮・大聖寺の金龍山実性院
■第七景 奇岩胎内めぐり那谷寺・女人救済の遊郭串茶屋
第八景 白山信仰の白山比咩神社・金運の金劔宮
■第九景 入らずの森気多大社・隠し砦の妙成寺五重塔
■第十景 海流が交わる聖域珠洲岬・日本海を守る須須神社
■第十一景 化け鼠と戦った猫墓法船寺・夢枕に立った白蛇養智院
■第十二景 船出の大野湊神社・浄化の霊山医王山寺

第一景は無料でご覧いただけます。

第二景から第十二景までは、各話後半部分が有料(1話100円)になっております。
今後グランゼーラ公式noteでは、毎月1日と15日に順次配信してまいります。
一挙に最終の第十二景までご覧いただきたい方は、下記の電子書籍ストアにて販売中です。
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百万石メモリーズ公式サイトはこちら→https://www.granzella.co.jp/contents/book/


登場人物紹介

・珠姫(たまひめちゃん)
江戸から加賀藩に嫁いできたお姫様で、この物語の主人公。
前世の記憶を半分抱えて輪廻転生し、現在の加賀百万石の様々な場所を巡る。
・タケチョ
徳川家康公の前世の記憶を半分抱え、輪廻転生した。
孫である珠姫が心配で、豆狸の姿に変身して旅に同行している。

人物相関図

著者:麻井 紅仁子
編集・イラスト:ほんだしょうこ

第八景
白山信仰の白山しらやま比咩ひめ神社じんじゃ~金運の金劔宮きんけんぐう

「ねぇリョウスケ、本当に新之助がくるの?」

「はい。この境内で待ち合わせてますが、時間がありますから先にお参りしましょう」

「新之助は江戸に帰ったとばかり思っていたから昨日ケイスケから聞いたときは本当に驚いたわ」

「彼は江戸から来る際、最初からある任務を与えられていたのですよ」

「まぁ…新之助はとっても手品や軽業が上手でねたまをいつも笑わせてくれたのよ」

「ハハハハハ、彼は忍者でしたから軽業なぞはお手の物だったでしょうよ」

「それも昨夜聞いてびっくりよ!…すっかりだまされてたわ。いつも面白いことばかり言ってたまが泣くといつも笑わせてくれたの。忍者だったなんてまだ信じられないわぁ」

「ハハハハ、本人に会ったらキツク叱ってやってください。はい本殿につきましたよ」

「とても立派な拝殿ですこと」

「僕は今通ってきた表参道も大好きです。あそこを通るときは木々の神気に包まれてるようで」

「そうね、表参道からの、あの長い木立を一歩進むたび空気が違いはじめて…
久しぶりにあちらの世界の風と似た匂いがして驚いていたのよ」

「白山は信仰の山で、この地に鎮座されている加賀一ノ宮白山しらやま比咩ひめ神社じんじゃは全国白山神の総本宮です。そのうえ最澄はじめあまたの修験者が修行された神の山ですから吹く風にも霊気があるのでしょうね」

「どのような神様が?」

「ご鎮座二千百年の歴史があります。御祭神は、白山しらやま比咩ひめの大神おおかみこと菊理媛尊くくりひめのみこと伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冉尊いざなみのみことの三柱です」

「まぁ!女の神様…それも山の神様で女神はとても珍しいわね。
ねぇねぇリョウスケ、あの長い木立の表参道の入り口の木を見た?二本の木かと思ったら根元がくっついていて…前に『結びつ木』なんて立て札があったわよ」

「最近は確かにあちこちで新しいことを。良いご縁を結ばせてくださいとお願いする人が多いのでしょうね」

「ふふふ、リョウスケも早く良い方と…」

「いや、僕はまだ…その…。
姫様、白山山頂にある奥宮までは簡単には行けませんので今日は、この山門横の遥拝所ようはいじょ ※1からお参りして菊理媛尊様にご挨拶をいたしましょう」

「まあ、リョウスケったら照れちゃって!」

「さ、こちらをご覧ください。白山連峰を表す、大汝おおなんじみね御前ごぜんがみね、別山(白山三山)の形をした三つの大岩を鳥居の中にお祀りしております」
 珠姫のからかいに、堅物青年のリョウスケは耳まで赤くなってるじゃぁありませんかホホホ。


白山比咩神社

 金沢から車で三十分ほど白山に向かって走ると県南の古い街鶴来つるぎがございます。
ここは、白山しらやま比咩ひめ神社じんじゃ金劔きんけんぐうなどの門前町として古くから繁栄した歴史ある町で、江戸初期頃には加賀藩領地として鶴来街道宿場も置かれよりいっそう賑わったのでございます。

 現代ではスキー場はじめレクリエーション施設も多く県民の憩いの場になり文化の層も厚い所でございますよ。
白山の伏流ふくりゅうすいを求めて多くの酒造業者が金沢から移住してきたそうで今も酒造りが盛んな街でもございます。

「たぁ~さま~」

「あっ!新之助?」

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