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引き算思考で得られる本当の自由と満足感

何かを足すことばかりを考えていた。

生活をより良くするために、収入を上げて、良い家に住んで、旅行や料理を存分に楽しむ。私は足し算で幸せになろうとしていましたが、今では引き算のほうが幸せになれると確信しています

足し算思考ではどんどん増やすことばかりに意識が向かって、際限のない欲求や見栄に囚われやすくなります。足し算で追加されるものはほとんどが余計なものであり、私たちからお金や時間を奪っていきます。

反対に、引き算思考では、見栄を切り捨て、自分の大切なものに意識がいきます。引き算で無駄をなくすことで自由をもたらし、本当に必要なものに集中できます。

今回は「引き算思考が自由と幸せをもたらすワケと実践法」を紹介します。引き算思考でシンプルに生きると、経済的・精神的・身体的な自由を手に入れることができ、満足できる人生を送ることができます。

足し算は人を苦しめる

人は増やすほうが簡単に思いつくため、すぐに足し算する傾向があります。企業のイメージ戦略によって、住まい、グルメ、旅行などにお金を使うことが成功者であるかのように宣伝されていることも、足し算思考に拍車をかけています。

ニューヨーク大学の研究では、問題解決の際に「引き算(レス)」よりも「足し算(モア)」を優先させることが明らかになっています。時間を増やすために、やることを減らすのではなく、時短家電を買ったり、時短サービスを利用したりしやすいということですね。

足し算思考には大きな3つのデメリットがあります。

  1. 無限の欲望に苦しむ:欲望、問題解決のために増やすことをしていると、自らの欲求に苦しみます。自分に何らかの問題があったとしても、「お金を増やす、有名になる、外見を磨く」という表面的な解決策に飛びつき、本当の問題に向き合えません。表面的な目標を達成しても、「お金をもっと増やす」といった欲望の無限のループにハマってしまいます。

  2. 莫大なコストがかかる:増やすことが癖になっていると、いくら時間とお金があっても足りません。年収何百億円以上の野球やボクシングの選手でも豪邸や高級車などで浪費して破産することは少なくありません。小さなものでも一つ一つ積み重なっていくと、莫大なコストがかかってしまいます。マイナスの蓄積による悪影響は、お金や労力に限らず、人間関係、ストレスにも同じことが言えます。

  3. 大切なことができなくなる:不必要なモノ、やることをどんどん足していくと、自由に使える時間がどんどん減っていきます。そのため、余計なものに時間がとられて、大切なことができなくなります。家族のために収入を増やそうとしている人が、長時間労働で家に不在がちになることで、むしろ家族にとって悪影響を与える場合などですね。増やすことで本当に大切なことにフォーカスできなくなります。

「モア」の思考は物質主義とも結びついており、ベイラー大学らの研究によると、物質主義は喜びの感情や人生の満足度を下げることが分かっています。何かを増やすことを第一に考える人は注意してください。

引き算は自由で満足できる人生をもたらす

引き算思考で現代社会に蔓延している「より多くを求める」を防ぎ、自分にとっての適量でラクに生きることができます

引き算で無駄を省き、効果が最大限に高まる「スイートスポット」を模索していきます。自分の適量を認識して、「足るを知る」「これでもう十分」の精神になります。

引き算思考の3つのメリットを紹介します。

  1. 自分に正直に生きられる:減らすためには、自分の価値観を理解して、大切なものを見極めなければいけません。引き算思考では、余計なものを削ぎ落とす際に、「自分にとって本当に必要なものは何か?」と自らに問いかける必要があります。そのため、大切なものに集中でき、自分が望む幸せを手に入れることができます。

  2. 自由になれる:時間、お金、ストレスなどのコストが最小限になるため、悩みがグッと減ります。コストが減れば、仕事時間を減らしたり、自由な時間を増やしたりできるので、選択肢が大幅に広がります。経済的・精神的・身体的にも余裕が生まれて、日々を気持ちよく、自由に生きることができます。

  3. 人生に満足できる:引き算思考で余計なものを削ぎ落としていくと、現在の生活でも十分に満たされていることが実感できます。収入が低くても、空調が効いた部屋で美味しいものを食べて、動画鑑賞を楽しんだり、大切な人と時間を過ごしたりできます。見栄や欲望に囚われなくなるので、現状に感謝と満足をもたらします。

引き算思考は自分の価値観と向き合う必要があります。実践していく過程で自分なりの答えを見つけ出していかなければならないので、精神的な成長にもつながります。

日常での引き算思考の実践法

引き算は足し算よりも簡単に実践できて、すぐに効果を感じられます。

以下のことを実践してみましょう。

  • サティスファイサーでいる:最高の選択で満足する「マキシマイザー」ではなく、ほどほどの選択で満足できる「サティスファイサー」を目指します。仕事なら80点の出来をクリアする、日常生活なら安いものから試すことをしてみてください。自分にとってちょうどいい加減を知ることができます。

  • 増やす前に減らす:増やす前にまず減らすことを考えてみてください。問題は引き算で解決することが少なくありません。時間を増やすために、SNS、YouTubeをやめる、ダイエットするために家や仕事場にお菓子を置かなくするといった引き算から検討しましょう。すでにあるもので代用することも有効です。

  • 足し算で失われるものを考える:足し算で、時間やお金がどれくらい犠牲になるかを目を向けましょう。何かを足すために、家族や趣味の時間が減るかもしれませんし、貯蓄や経済的な余裕を失うことになるかもしれません。効果がなかったり、悪影響になったりするなどの潜在的なリスクを負うこともあります。

  • レスを持続する:モノ、情報、お金、やることを減らしてみてください。大きく減らすには、自分にとって本当に必要なものだけを残して、それ以外は捨てましょう。レスを持続させて、生活を洗練させていきます。必要なもの、いらないものを理由と一緒にメモしておくと迷わずに済みます。

引き算は自分の価値観で生きる方法

引き算思考では、自分にとって本当に大切なものを選択することができます。人は足し算で考える傾向があるので、引き算を意識して実践し続けましょう。

減らすことは誰にでもできますし、自分の人生をよりコントロールできます。減らすことを習慣にしていると、成長、自由、本質的な幸せが手に入ります。

私は無駄な出費を減らしたところ、幸せに生きるために「自分はお金をそんなに必要としていない」ことに気づけました。貯金は増えていっていますが、生活水準を無駄に上げずに、このままちょうどいい生活を楽しみます。

普段から高いものにお金を使うよりも、たまに良いものを買ったり、食べたりするほうが幸福度が高くなります。今の時代は安くて美味しいものや面白い娯楽がたくさんあるので、お金をかけなくても人生を満喫できるんですよね。