鮮やかなモノクローム

いつの日からか、
それはもう記憶を辿っても曖昧で
はっきりとしないけれど。

セピア色でもなく、
色が抜け落ちてしまったかのような情景、

身長が低い順番に並んで
いつも前から2番目だった僕に
お母さんが言う事が僕のセカイだった頃、
  
その時、言葉すら知らなかった
自我というものが芽生える。

どこに繋がっているかもわからないけど。
ゆく道を自分で決めている。

遠い記憶を理由なく否定し
自分の中から追い出して、

新しい
毒々しいくらい鮮やかな波の中で、
小さくても夜に輝くクラゲのような、
夏の涼しさの中でしか見つけられない
ホタルのような、そんな小さな点から

僕が始まった。





 

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