憧れの父親像
ずっと心に残ってる20代の時に聞いた実話。
昔サンフランシスコで大地震があった時の話。
多くの建物が倒壊して各地で大きな被害が出た
歴史的な大震災の時のとある小学校での出来事。
そのコンクリート製の立派な校舎でさえ、見るも
無惨に倒壊して、多くの生徒や関係者が生き埋め
になっていた話。
地震後、子供の安否がわからない保護者たちが、
次から次に駆けつけていたが、その変わり果てた
学校を見て、誰もが絶望し泣き崩れていた。
その中で、一人の父親が、泣き崩れている人たちに向かって「この瓦礫を一つずつ取り除くぞ!」
と呼びかけ、倒壊した瓦礫の山へ走っていき、
動かせる瓦礫から一つずつ取り除き始めました。
他の保護者たちも必死に瓦礫を取り除き始めたが
交通機関も麻痺していて重機も到着しない、
1時間、3時間、5時間、小さな瓦礫を一つずつ
取り除いていっても、全く先へ進みません。
12時間、24時間、一人ずつ、他の保護者たちの
手が止まっていきました。その光景はとても残酷
で、人々は絶望感に包まれていき、みんな泣き崩れていったが、その父親は休むことなくひたすら
瓦礫を取り除いていた。
周りの保護者たちもその父親に「もう頑張った、
十分やった、もう無理だよ、無理だって」と
声をかけるも、その父親は休むことなく一人で
作業を続けました。
生き埋めになったら時間が経過するにつれて
生存確率はどんどん下がってくる。万が一、
最初は生きていたとしても、そこへの酸素の
供給が途絶えるなどで、亡くなっていく。
その倒壊した小学校も、その限界時間を過ぎよう
としていた。それでも父親は作業を続けていた。
はっきりと時間は覚えていないが、その限界時間
を過ぎたころ、瓦礫の中から微かに小さな声が
聞こえてきたのだ。
父親は近くにいる人たちに協力を呼びかけ、
もう一度周りの人達と協力し合って、なんと
奇跡的に一部の生存者にたどり着いたのだ。
そこは偶然にも大きな空洞となっていたことと
さらに奇跡的に通気口が通っていたことで
酸素の供給も途絶えていなかったのだ。
そして、その中には、その父親の息子を含め、
一部の生徒そして先生たちがいたのだ。
ものすごい奇跡だったらしい。
もちろん全員が助かったわけではないが
その場所は歓喜の声に包まれた。
中にいた人たちが次々に救出されていく。
そして父親の息子も救出されて、そして
真っ先に父親の胸に飛びこんで抱きしめた。
そして一度父親の胸に顔をうずめて、その後すぐ
父親の顔を見上げ息子は泣きながら叫んだ。
僕のお父さんは絶対諦めないって!!!
僕は友達にずっと言ってたんだ!!!
ア、、ツ、、
この光景はテレビでも取り上げたらしい。
私はこの話聞いた時に本当に心が震えた。
なんなんだその絶大なる父親への信頼は。
でも一つだけ言えるのは何もない普段の私生活
から、すでに父親はそんな男だったんだろうな。
もし普段の私を見てる私の家族が、少年と同じ
状況下におかれていたら、絶対に、、きっと、
おい!絶対に諦めるなよ!いつもすぐ諦める!
おい!もっと必死になれよ、一睡もするなよ!
おい!頼むから今回はカッコいいとこ見せろよ!
寝るなよ!頼むからな!少しは頑張れよ!
だろうな、、、うん、、、間違いない、、
でも私が結婚生活の中で一つだけ大切にしている
大事な掟というか、意識していることはある。
ただ女性は共感しなくていい。スルーしてくれ。
これを女性のほうから求められたら破綻する。
世の男性にとっては一つの羅針盤になると思う。
娘が生まれた頃、自分が父親になんてなれるのか
最初に色々考えた。
できれば子供たちにいつまでもパパ大好きと
思われたい。カッコいいパパでいたい。
そしてそのことを、昔からパパ大好きといつも
言ってる親友の女友達に質問したことがある。
子供たちにどういう接し方をしていたらそんな
いつまでもパパ大好きと思ってもらえるの?と。
彼女は汚れのない真っ直ぐな言葉でこう言った。
そんなの簡単よ。ママを大切にしてたからよ
私たちのことなんかよりママに対してだよ。
自分のママを大切にしてくれるパパが好きだし
私も結婚したらそんな人がいいと思える。
逆に子供にだけ優しくてママに優しくなかったら
私だったらまずは私の好きなママに優しくしてよ
と思うし、逆にママに優しければ、
いくら私たちに厳しくても、パパを好きと思う。
子供に好かれたいなら、
見るべきは子供じゃなくて、ママだよ。
それだけでいい。見るのはママよ。
目から鱗だった。本当にその時に衝撃を受けた
その考え方が今の自分のルールになってる。
子供たちに好かれたいなら、子供じゃなくて
ママに対してどうなのかが大事か、盲点だった。
今でも私はその彼女の教えを守っている。
妻が掃除しろと言えばするし、草むしりしろと
言えばするし、家の壁面を全部キレイにしろと
言われれば、自力で茂木和哉のクレンザーに
辿り着き、伸びる棒で汗だくでキレイにする。
これがパパ大好きといつまでも言われる秘訣だ、
完璧だ、と、汗だくで前髪がとっちらかった顔で
娘たちに笑顔を送ると「きっしょ」と言われた。
うん。きっとこれでよいんだよね。
娘は大好きという感情表現にきっしょを使う。
そう、よく私にきっしょとよく言う。
めっちゃ愛されてる、よかった。
RED KOTORI