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今年の年末調整が終わました!
年末調整担当の皆様へ
給与担当ならびに年末調整担当の皆さまお疲れ様です。進捗状況はいかがでしょうか?
最近は1月給与での還付や追徴処理が主になってきている関係上、以前ほどではないかもしれませんが、給与担当者からすると、やはり1年に1回の大きなイベントですよね!?
私の人生においては、常に12月での還付および追徴であるため、今年も当然として一心不乱に行いました。精魂尽き果てました・・・
年末調整のしくみを知ろう!
今回のテーマは、年末調整と給与所得税の関係について知ろう!です。
よく「年末調整よくわからないから全部やって!」と当たり前のように全部担当者に丸投げする従業員がいらっしゃいますが、年末調整とは、本人の申告に基づき、毎月徴収した源泉税を再計算して還付および追徴を行うものです。
税務署へ申告に行って、申告書を税務署が作成してくれませんよね!?年末調整もそれと一緒です。申告書はご自分で作成しなければならないということをまず念頭に置いてください。
次に、年末調整というよりは、この作業全体が本来税務署のお仕事であるということです。
それを所得税法で企業に義務を課しているということです。なので給与担当者が当たり前に行うものではなく、この担当者は法律と税務署の被害者と思っていただけると幸いです。
どなたかが年末調整をなくすみたいな公約を掲げましたが、本来税務署の仕事なのだから企業に押し付けている負担を早く元通りにしてくれ!とどれだけの方が思われたことか・・・
おそらく国は、個人の資産把握や収入把握等を行いたいでしょうから、いずれ年末調整は無くなって確定申告になるかもしれませんね。
昨今はスマホですぐできますし、申告者側の負担がかなり軽減されていますから、あとは国税庁が抵抗するかしないかでしょうね。
そのようになるかどうかはさておき、せっかくの機会ですので、ただ漫然と所得税を払うのではなく、計算方法等を理解しておくと、資産防衛にもなるのではないかと思います。
節税はお金持ちがするものと思われているかもしれませんが、限られた収入しかないからこそ、様々な合法的な節税スキームを利用して可処分所得を上げることが大事なのではないかと思います。この記事がその一助となれば幸いです。
以下、詳細となります。
年末調整とは
年末調整は、給与所得者が1年間に納めるべき所得税額を確定し、過不足分を調整する手続きです。給与から毎月天引きされている所得税は、あくまで概算で計算されています。そのため、年間の収入や控除額が確定するタイミングで、実際の税額との差額を計算し、還付または追加徴収を行うのが年末調整の目的です。
サラリーマンの方々にとっては、確定申告を行わなくても済む便利な仕組みですが、実際には多くの方が年末調整の内容を深く理解していないのではないでしょうか。この記事では、年末調整の基本から、今年の変更点、還付金の計算ができるサイトの紹介まで、分かりやすく解説します。
例年と今年の違い
今年の年末調整では、大きな話題となった定額減税が導入されています。この定額減税は、物価高騰などによる家計負担を軽減するための特例措置です。
例えば、給与所得者の場合、一定の条件を満たせば一律で所得税額が減額される仕組みとなっています。控除額は家族構成や収入額によって異なりますが、多くの家庭で負担軽減が期待できます。
定額減税の適用を受けるためには、勤務先に対して扶養の人数や配偶者の予定年収を正確に申告する必要があります。特に、配偶者所得が65万円を超えるかどうかは重要なポイントです。配偶者控除や扶養控除と同様、必要な書類を会社に期限内に提出することが求められます。年末の忙しい時期に書類提出を忘れてしまわないよう、事前に準備しておきましょう。
還付金は徴収した源泉税以上の還付はない
よくある誤解の一つに、「年末調整で多額の還付金が戻ってくる」と思い込むことがあります。しかし、年末調整で還付される金額は、あくまでその年に徴収された源泉税の範囲内です。
例えば、毎月の給与から所得税が合計10万円引かれていた場合、年末調整で還付される金額はこの10万円を超えることはありません。これは、すでに納めた分を精算する仕組みであり、新たに税金を増やしたり減らしたりするものではないからです。
もしも還付金が少なくて「期待外れ」と感じる場合、それは最初から源泉徴収された金額が少なかったということです。このような仕組みを理解しておくと、年末調整の結果に対して冷静に対応できるでしょう。
今年は特に定額減税が導入されており、1人当たり3万円の控除が適用されるため、多くの方が還付金を多く期待しがちです。しかし、家族が多い方は、その分だけ既に所得税の減税の恩恵を受けている場合が多く、実際に還付金を受け取る際に「思ったほど多くない」と感じることがあるかもしれません。
私自身も年末調整を確認していて、還付金が予想より少ないと感じた方もいらっしゃいました。このような場合は、既に減税の恩恵を受けていた結果と考え、前向きに捉えていただけると幸いです。
簡単に還付金の計算ができるサイトの紹介
実際にどれくらいの還付金が戻るのか、自分で確認したいという方も多いでしょう。その場合、以下のようなサイトを利用すると便利です:
国税庁の年末調整計算ツール
国税庁の公式サイトでは、年末調整の計算をサポートするオンラインツールが公開されています。このツールを使えば、給与額や控除額を入力するだけで、還付金や追加徴収額を簡単にシミュレーションできます。
公式ツールはこちらから利用可能です。ここでダウンロードできる「年末調整計算シート」は、給与担当者として、最終チェックを行う際にも非常に役立ちます。実際に私も使用しまして、ひとりひとりの計算結果をきちんと確認するのに大いに助けられました。
その他税金計算ができるサイト
そのほかにも年末調整や確定申告の計算を手軽に行えるサイトも多数存在します。忙しい方には、これらのウェブサイトを使って短時間で結果を把握するのがおすすめです。おすすめサイトの一例としてカシオ計算機の税金計算ページがあります。
これらのツールを活用すれば、自分の税額についてより具体的に理解することができます。正確な結果を得るためには、給与明細や控除証明書を手元に用意しておくとよいでしょう。
また、仮にiDeCoを行っていたらどうなのか?親を扶養に入れたらどうなるのか?などの試算に使ってみると、さらに理解が深まると思います。
お時間があるときに是非試してみてください。
まとめ
年末調整は、自分の収入や税金の仕組みを見直す良い機会です。今年の定額減税のように、税制の変更点を理解することで、家計の負担を軽減する方法を見つけられるかもしれません。また、自分で還付金を計算してみることで、税金に対する意識が高まり、将来の資産形成にもつながるはずです。
「自分の資産は自分で守る」という意識を持つことが大切です。年末調整という身近な手続きから、税金や家計管理についての興味を深めていきましょう。