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(元・美深町地域おこし隊員)美深駅乗車券販売員の中野さんにインタビュー!

この記事について
美深町地域おこし協力隊員(元・現役)に美深町地域おこしインターンの橋本がインタビュー。地域おこしになるまでの経緯や、地域おこし協力隊員としての活動、また移住について聞いていきます。美深町での地域おこしに興味がある方、地域おこし全般に興味がある方、他の地域で地域おこしをされている現役協力隊員の方、必読です!

インタビュワー:橋本(美深町地域おこしインターン)& 佐久間(美深町地域おこし隊員)



中野さんについて 

北海道岩内町出身。2018年から美深町地域おこし協力隊員として美深駅に配属される。現在は観光協会に所属しながら乗車券販売員を務める。

どうして地域おこし協力隊員に?

中野さん:出身は北海道の岩内町です。元々JR職員で、十勝とニセコにいました。人と話すことや接客が好きだったので、駅でお客さんと話したり、旅の行程を一緒に組んだりするのにやりがいを感じていたのですが、ネットの時代になり、そういうことが段々とできなくなってきたんですよね。みんなスマホで調べられるので。それで、物足りなさを感じていたところ美深が委託駅となったことを知って、美深に行こうと思ったんです。名寄に友達もいたし、前から道北に住んでみたいという思いもありました。美深は車で何回か通ったことがありましたが、良い町という印象がありましたね。地域おこしとして来る予定ではなかったのですが、丁度その時地域おこしのポジションが空くことになり、地域おこし協力隊員として美深駅に配属されることになりました。3年間町と契約して、任期が終了した今は観光協会に所属しながら乗車券販売員をしています。

移住について

結局、大変なことがあっても「住めば都」なんですよね。

中野さんから見た美深町は、どんな町ですか?

中野さん:美深は、住みやすい町だと思いますね。生活に不便することは僕は特に無いですね。落ち着いて住める、自然がきれいな場所だと思いますよ。水も美味しいし。利便性ではなく、スローライフを求める人にはぴったりなんじゃないですかね。あと、自分は冬が好きなので寒さもあまり苦にはならなかったですね。たしかに冬場の雪かきは大変ですが、良い運動にもなります。あと、雪があると逆に暖かいんですよ(説明するのが難しいのですが)。冬には冬の魅力がありますし、寒かったら着ればいいじゃないですか。結局、大変なことがあっても「住めば都」なんですよね。

美深駅について

中野さん:実は、美深駅は鉄道ファンの間で結構評判が良いんです。宗谷本線のファンもいるんですよ。本数が少ないのが逆に良いらしくて。全国から鉄道ファンが来ますね。僕が来てから2年目くらいから徐々に人気になり始めた感じがします。

美深駅

美深駅の魅力は、何だと思いますか?

中野さん:木造の跨線橋、手書きで発行する駅の切符などですかね。あと、この駅舎もレトロな雰囲気がありますよね。

佐久間:美深駅の手書きの切符は有名ですよね!最初もらった時はびっくりしました。

中野さん:そうですね。名寄から列車で通学している電車好きの生徒もいますね。手書きの定期券を喜んで使っていますよ。

中野さんの発行する手書きの切符

橋本:そんな中野さんも、鉄道ファンなんですよね?

中野さん:はい。乗り鉄、飲み鉄、部品鉄です。ここにあるプレートも実は僕のコレクションなんです。

駅の事務所に飾ってある中野さんのコレクション

橋本:日々美深駅を見守っている中野さんですが、美深駅ではどんな人がよく訪れるんですか?

中野さん:観光客がメインですね。トロッコを楽しみに来る人は多いです。あとは、駅がなくなるとき*は全国から人が集まりますね。

*令和6年3月16日に恩根内駅と初野駅が廃駅になり、美深町内の駅は美深駅だけになった。

美深駅のこれから

車で行くのって、なんだか味気ないじゃないですか。

中野さん:自分としてはもう少し地元の人にも列車に乗ってほしいですね。今の列車って、窓は開けられないじゃないですか。でも、国鉄時代から使っているこの車両は窓を開けられるんですよ。窓を開けると、ガタンゴトンという音が聞こえてくる。そんな音を聞きながら、自然の風を感じながら車窓が変わるのをただぼんやりと眺めてみたり。隣に座った人と会話してみたり。そんな人との触れ合いも楽しいですよね。

橋本:ちょっと昔の日本みたいですね!

中野さん:そうですね。鹿と衝突して、列車が止まってしまうなんてこともしょっちゅうです。でも、その不便さもまた「旅」じゃないですか。本数が少なくて不便ではありますけど、車で行くのはなんだか味気ないじゃないですか。

佐久間:素敵ですね!駅での長い待ち時間を持て余すような贅沢が、今の私たちには必要なのかもしれないですね。

中野さん:はい。そんな「旅」の経験をもっとしてもらいたいですね。

中野さんの制作したジオラマ

今取り組んでいること、伝えたいこと

橋本:そんな美深駅で乗車券販売員をされている中野さんが発したいメッセージなどはありますか?

中野さん:「本数が少ない割に頑張っている!」ということを伝えたいですね。今年の6月8日に、宗谷路線で昔使われていたオレンジとグレーの列車2両編成で旭川から音威子府を往復する企画がありました。口コミでこの企画が広がって、ほぼ満席になりました。来ていただいた方には、鈍行列車に揺られながら、時間がゆっくりと流れるのを楽しんでいただけたと思います。

佐久間:すごい!そんな取り組みもなされていたんですね!

中野さん:はい。僕の乗車券販売員としてのやりがいはお客さんに喜んで帰っていただくことです。なので、今後もこのような活動をして、美深駅を盛り上げていきたいと思っています。

ジオラマと共に、日々美深駅来駅者を歓迎されています!


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