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繊細さんにはしんどい教員の仕事

私は、わりと繊細な方だと思う。
細かいことが気になるし、根は完璧主義だし(気を付けるようにしているけど)、人に嫌われないようにいつも自分の振る舞いを気を付けている。
人が近くにいるだけで、結構疲れる。

このような自分の性質を考えると、教員はなかなか過酷な仕事だと思う。
胸を張って「適職だ」とは言い難いし、繊細な人に教員になることを勧めるかといわれたらおそらく渋ってしまう。
(それでも私は、今のところ、教員を細く長く続けていきたいと思っている。)

今日は、教員の仕事において繊細な人がしんどさを感じる要因を、自分の備忘録として書いていきたいと思う。

①顔を合わせる人が多い

当たり前のことだけど、学校はとにかく人が多い。
自分が受け持っている生徒だけでも100人~200人。
さらにそれ以外の学年の生徒たちも学校内をうろうろしているので、毎日に数百人の中高生と顔を合わせることになる。
部活動や委員会などを持っていれば、その分深く関わる生徒も増える。

そして、関わらなければならない人間は生徒だけではない。
職員室では何十人もの教員が仕事をしたり、情報共有をしたりしている。
協力して行う仕事(私の場合は、宿泊行事の準備や校務分掌など)がある場合、常に他の先生と情報共有しあいながら進めなければならない。
(苦手な先生だった場合は最悪だ)

このように、学校では常に多くの他人と顔を合わせ、関わらなければならない。

その点、外交的で社交的な人にはとても合った環境だと思う。
毎日自動的に多くの人に会うことができて、持続的な刺激が得られるから。

しかし、繊細さんにとって学校は、常にだれかの視線にさらされ、心を許していない他人と同じ空間にい続けなければいけない場所だ。
そんな場所で9時間過ごすだけで、家に帰ったらもうくたくたになってしまう。

②一人で集中できる環境を作りづらい

①と似ているが、学校は一人で集中できる環境を作りづらい場所でもある。

職員室にいれば、誰かが生徒や仕事関係の話をしてくる。
誰も話しかけてこなかったとしても、繊細さんであれば同じ部屋に人がいるというだけで集中できなかったりするだろう。
また、教室のデスクで作業をしようと思っても、朝や昼休み、放課後は基本的に教室に生徒がいるためなかなか集中できなかったりする。

このように、一人になれる時間・空間を作るのは、大半の学校ではとても難しいのではないかと思う。
不可能な学校は本当に不可能だったりするのかもしれない…。

しかし、繊細さん教員が仕事を続ける上では、集中できる時間や空間をどう捻出できるのかが鍵になってくるだろう。
各学校の文化や状況、校舎のつくりなどによってその方法は変わってくると思う。

③多感で残酷な中学生たちと向き合うと消耗する

自分もそうだったんだろうけど、中学生はとても多感で、時に残酷である。
そしてそれを隠すことなく表現してくる。

私が日常で目にしている光景は、こんな感じだ。
女子が他の女子とトラブって、泣きながら教室に入ってくる。
機嫌が悪い不良系男子が、何もしていないのにこっちをにらみつけてくる。
放課後に教室で、下世話なゴシップを嬉々として話している女子たちがいる。
どうやって先生を困らせようかと、タイミングを伺っている生徒がいる。
男子たちが、いじめに近いような過激なじゃれ合いをしている。

これがもし、社会人のする行動であれば、私はその人のことを「人として終わっている」「もう関わらないようにしよう」とあっさり切り捨てるだろう。
だが、まだ彼らは成長の途中で、プロジェクトで言えば「中間発表」の段階だ。
だから、まだ判断するには早すぎるし、これが彼らの成長の過程であることは、十分に分かっている。
私もきっと、大人から見たら残酷で多感な中学生だったはずだから。

でも、それが分かっていても、彼らの行動はあまりにも生々しくて、人間臭くて、時に受け止めきれなくなってしまうことがある。
同じ空間にいるだけで嫌でも影響を受け、消耗していく。

あとがき:あまりに刺激の多い環境でどうサバイブするか

このように、学校はあまりにも刺激の多い環境であることから、繊細な人間にはなかなかに過酷な現場だと思っている。
だから、一人になれる時間を作るとか、生徒と合わなくて済む時間を作るとか、繊細な教員仲間を作るとか、色々工夫しなければ、中々サバイブできない。

私の学校では幸い、空きコマに教室にこもって一人で作業ができる。
そのおかげで、繊細な私でもどうにか生き延びることができている(とてもラッキー!)。

それでもなお、人から受ける刺激に圧倒されすぎて、心がSOSを出すことが時々にある。
私の場合、そういうときは、家に帰ってから涙が止まらなくなる。
受け取る刺激が多すぎて、心のコップ?的なものが溢れてしまうんだと思う。
寝れば翌日には平気になっていることが多いので、たぶん、泣くことでバランスを取っているんだと思う。

本当は、泣く以外の方法を見つけ出したいと思っている。
泣いてバランスを取るなんてなかなか不健康だし、何より身近な人たちを心配させてしまうのがつらい。

最近、泣くことなく仕事が続けられるように色々と試しているので、いい方策が分かったらまた共有します。

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