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1-9【FP3級】給付の違いと将来のイメージ

国民年金と厚生年金では、給付額やその仕組みに大きな違いがあります。ここでは、それぞれの給付の特徴と将来のイメージを具体的に解説します。


1. 国民年金の給付額と特徴


国民年金は、日本に住む全員が加入する基礎的な年金制度で、給付額は一律に設定されています。

1-1. 老齢基礎年金の満額


国民年金の老齢基礎年金を満額受給するためには、保険料を40年間(480か月)納める必要があります。
2025年度の満額支給額
年額:約80万円(月額:約6万5,000円)

※ 保険料を納めた期間が40年に満たない場合、受給額はその分減額されます。

1-2. 国民年金だけで生活するイメージ

• 老齢基礎年金の給付は最低限の生活保障を目的としているため、年金だけで生活するのは厳しいのが現実です。
• 例えば、月6万5,000円の給付では家賃や食費、医療費をまかなうには足りない可能性が高く、貯蓄や副収入の準備が重要になります。

FP3級試験で問われるポイント
• 老齢基礎年金の満額条件(保険料納付期間480か月)。
• 満額支給額(約80万円)や減額の仕組み。

2. 厚生年金の給付額と特徴


厚生年金は、国民年金に上乗せされる形で支給され、給付額は現役時代の給与額や加入期間に応じて変動します。

2-1. 老齢厚生年金の仕組み


厚生年金の給付額は「報酬比例」と呼ばれる仕組みに基づいて計算されます。
計算の基本式
報酬比例部分の年金額 = 平均標準報酬額 × 5.481/1,000 × 加入月数
※ この式はFP3級の試験でも問われるポイントです。

2-2. モデルケースでの給付例

月給30万円で40年間加入した場合
報酬比例部分の年額:約120万円
→ 老齢基礎年金(約80万円)と合わせると、合計年額:約200万円(月額:約16万7,000円)

現役時代の月給が40万円の場合
報酬比例部分の年額:約160万円
→ 合計年額:約240万円(月額:約20万円)

FP3級試験で問われるポイント
• 厚生年金は給与に比例して給付額が増える仕組み。
• 具体的なモデルケースを用いた給付額の目安。

3. 将来のイメージと考えるべきこと


公的年金だけでは、老後の生活に十分な余裕を持つことは難しい場合があります。そのため、次のような準備が重要です。

3-1. 公的年金の位置づけ

国民年金は最低限の生活を支えるもの。
厚生年金は現役時代の生活水準をある程度維持するための追加給付。

3-2. 老後の備えとして考えるべきポイント

1. 貯蓄:日々の生活費や医療費に備える。
2. 投資:余剰資金を運用し、老後資金を増やす。
3. 私的年金:企業型DC(確定拠出年金)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用。

【FP3級試験を意識したまとめ】

1. 国民年金の給付額
• 満額は年約80万円(月額約6万5,000円)。
• 保険料納付期間が40年未満の場合は減額される。

2. 厚生年金の給付額
• 現役時代の給与に比例して給付額が変動。
• モデルケースでは月給30万円で年約200万円(月約16万7,000円)の給付。

3. 老後を支える資金計画
• 年金だけでは不足する場合が多いため、貯蓄や投資、私的年金の活用が重要。

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