会いたかった
同志Aからのお題:AKB48
プルプルでトゥルトゥル。なぜに魅惑的なのか、豚足よ。
豚肉の島、沖縄ではコンビニおでんにも豚足(テビチ)が入っているほどメジャーな存在。しかしながら、メトロポリス東京ではマイナーな食材。業務用の店舗などは別として、下茹でされ、真空パックに入った小さな足を一部のスーパーで見かけるぐらいで、日常的にテビチに出合える訳ではない。
でも見つけてしまった。隣町の精肉店の冷蔵ショーケースに「豚足」の札がでているのを。しかし、売り切れが続き、何回か通ってようやく御目通りかなった次第。会いたかったよ、テビチの諸君。
この店は韓国焼肉や惣菜が専門で、豚足には特製の辛味噌をつけて食べるのをおすすめしている。だが、ゼラチンの柔らかさを存分に味わうには、沖縄式でいきたい。あらためて茹でた後、だしと醤油、泡盛と黒砂糖でしばし煮込む。骨がポロッと外れるようになれば出来上がり。八角を加えてもよろし。
プルルンの皮と軟骨、やわやわの肉を一心不乱に食べ尽くすと、鍋と皿に残るは大小さまざまな骨ばかり。何個あるのだろう。調べてみると、豚の足は骨格標本づくりの材料にもなっていた。白い骨だけの豚足標本は、ハイヒールのごとくエレガントで美しい。豚の1足は大小12個の骨で構成されているという。1頭だと48個か。
そうだ。
秋葉原のAKB48が「会いにいけるアイドル」ならば、
テビチのTBC48は「買いにいけるゼラチン」。
要となる「足根骨」は不動のセンター、
手のひら=チマグの「中足骨」は絶対的エース。
さあ、今日も隣町へ買い出しにいくぞ。と意気込んだものの、ママチャリのペダルをこぐ左膝が微妙に痛い。自分の皿のコラーゲンを削って豚足を買いに出かけるオジさんか、握手券目当てに同じCDを何枚も買うファンか、正義は何処に。
48じゃ全然足りない。煩悩は108だった。