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【4分でわかる】令和7年度中小企業支援の主要補助金はこうなる!


お読みいただきたいのはこんな方

  • これまでにも補助金申請をしたことがある会社経営者またはお勤めの方

  • 今、新しい事業を展開しようと考えられている会社経営者またはお勤めの方

  • 融資などのために事業計画書を書かれている会社経営者またはお勤めの方

令和7年度経産省、中企庁の概算要求が出ました

概算要求とは?

各省庁が翌年度(毎年4月から始まる)の予算を財務省に提出します。これを概算要求と言います。それらを財務省が精査し、国会で審議され、翌年の4月から執行されるという流れになっています。つまり、概算要求が出されることで、来年4月からの新年度(令和7年度)に向けて準備が始まったと言えます。そして、その中身を読み解くと、各省庁がどんなところに力点を置いていこうとしているのが透けて見えてきます。ここでは、速報的に多くの経営者の皆さんが関わり、興味を持たれている経産省、中企庁の概算要求、その中でも特に補助金関連についてお話をしていきます。

これまでの方向性と変化は?

この表は経産省が概算要求で出したもののサマリーです。

令和7年度経産省概算要求概要(経産省HPより)

細かい解説は省いて要点をお伝えします。
ポイントは、「エネルギーとGX」です。エネルギーは脱炭素(カーボンニュートラル)化が中心となっています。またGXはグリーントランスフォーメーションのことを指し、省エネルギー化や再生可能エネルギー化、そして脱炭素化も含みます。後にも述べますが、GX化は中小企業にとっても、これからの事業拡大を補助金も活用しようとしている場合には、ぜひ気にしておいてください。

あれ?と思われた方もいるかと思われます。そうです。感染症、すなわちコロナに関する文言やテーマがありません。これは中企庁の概算要求でも同じです。来年度は、コロナとの戦いではなく、持続化社会への本質的な追求が始まる元年と言って良いかと思われます。

あの補助金はどうなる?

では、多くの経営者にとって気になる補助金はどうなるでしょうか?

生産性革命推進事業は?

多くの企業が何らか申請したり、しようと思ったことがあると思われる
・ものづくり補助金
・IT導入補助金
・小規模事業者持続化補助金
・事業承継引継ぎ補助金

これらは令和5年度の補正予算として継続される見込みです。各々の規模感、タイミングはこれから出てくるものと思われます。また、最近評判の悪い事業再構築補助金は、中小企業省力化投資補助制度に形を変えて再編されるようです。これは、「人手不足に悩む中小企業などのため、省力化投資に関してカタログから選ぶような汎用製品の導入への簡易で即効性ある支援を新設」すると語られています。詳細はまだわかりませんが、イメージとしてはIT導入補助金と同じようなスキームかと思われます。すなわち、申請する際は、支援事業者リストの中から選びその支援事業者と一緒に申請し、事業省力化に資するパッケージインフラを手に入れるというものと想像します。

それ以外で目新しいところでは、
・成長型中小企業等研究開発支援事業(Go -Tech事業)
で140億強の要求が出されています。これは中小企業と大学等との連携、いわゆる産学連携に関する支援です。3年で約1億円の補助が出るもので、こうした新しい取り組みにも注目です。
・中小機構による海外展開支援
こちらも、コロナが明けて本格的に外貨を取りに行く事業を中小企業が行う際の支援と考えられます。越境ECを含みむブランディング・プロモーションを支援するものになると語られています。

他では、従来よりありましたが日本で大きな産業課題となっている事業承継についても、円滑かつ発展的に行われるような支援が税制特例措置含めて様々に出される予定になっています。

これらはいずれも、就労人口が減る中で、いかに生産性を高めていくか、そしてその中で事業をいかに持続的に発展させていくか、を課題の中心において考えられているものと思われます。少し大胆に言うと、コロナ禍での事業再構築補助金のような応急的な支援ではなく、より遠い将来を睨みながらその第一歩となるような支援が増えていくものと考えられます。

事業運営をしていく上で、新規事業展開や事業再編をすることに対して直接的な補助ではないかもしれません。一方で、考え方を変えてみると、事業転換期に、生産性視点(省力化、GX化、カーボンニュートラル化)を織り込むことで、事業の持続性に繋がり、かつそうした補助を得られるような支援の形に変わっていくものと思われます。

ここまで読まれてきて、再構築補助金無くなっちゃうのか、じゃあ、どうしよう?と思った方、今検討していることを、こうした生産性視点を取り入れることで、一段上の事業計画にバージョンアップするチャンスだと思っていただけると幸いです。

まとめ

来年度の概算要求から透けて見えることは、「会社の応急的持続性から、社会の本質的持続性へ」と言うことかと推測します。すなわち、全ての経済活動を止めたコロナという敵との応急的な闘いから、いよいよ将来に向けた社会づくりを地に足つけて構築していくと言う意思を感じます。下の図にもあるように、この4年間はコロナから企業を守る防波堤としての役割が大きかったところから、持続型社会へ導く役割に舵を切ったとも言えるでしょう。そう言う意味では、会社の規模に関わらず、国のこうした目線にいち早く合わせておくことは、皆さんの会社の事業戦略上にも有益です。

目合わせしていただきたいのは「GX(脱炭素・カーボンニュートラル)、省力化」と言う大きなキーワード、そして「産学連携、海外展開」と言う小さなキーワード、この辺りです。これを頭の片隅に置きながら、ご自身が思い描いている事業計画と親和性があるキーワードがあれば、きっと使える支援策があると思います。
また、予算の進捗があればお知らせするようにします。

国の役割の変化

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