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排除アート 敵対的デザインと呼ばれるもの
世の中には「排除アート」と呼ばれる物がある。
英語ではホスタイル・デザイン(敵対的デザイン)やディフェンシヴ・アーキテクチャなどと呼ばれ、度々SNS上で物議を醸すオブジェクトである。
デザイナーは、どうしてもデザインやアートを感覚的に「良い」ものとして捉えがちだ。
だが、世の中に「アート」や「デザイン」として認識されている道端の構造物達は、その感覚に待ったをかけてくる。
駅前。渋谷区。
— 滝本淳助 (@takimotonosekai) January 27, 2021
5分と座っていられません。なんのつもりで作ったんだろう? pic.twitter.com/UDnwuMb7ie
【排除アート】
— かの@新卒ベトナムホーチミン🇻🇳 (@kano_editing) December 28, 2020
排除アートはホームレスなどを追い出すために設計されています
この写真を見ると普通のベンチだけど、視点を変えてみるとベンチで寝そべれないようになっている
通行人は「おしゃれだなー」としか思わないけど裏の目的は意外と腹黒いですね#排除アート #アート
金沢駅前のベンチ pic.twitter.com/slVdjajoj8
排除アート https://t.co/H6cq11p2WE
— 中島 智 (@nakashima001) December 9, 2016
「都築響一氏は、これらの行政のやり方は、悪意があるように見せないことが大事で、排除アートだということを市民に気が付かせないようにするのが“芸”だという。」 pic.twitter.com/RrbEZDzhmA
横になって寝ようと思ってもできない椅子や、機能を持たない作品のようなものが空間を占領し、ホームレスが滞在できないようにするこれらが、排除アートと呼ばれるものだ。
猫なら「猫よけ」、鳩なら「鳩よけ」とするところを、人に対しては「アート」とし、ぼかした呼び方をされている。そもそもこれらをアートと呼ぶのは間違っているのではないか。
何も考えずに街を歩いていると、確かに、目を楽しませてくれるのかもしれない。しかし、裏には社会問題と、悪意が隠れていることを忘れてはいけない。
そして、これらの構造物は、設置者の思惑からずれたところでも、度々悪影響を及ぼす。
来年パラリンピックやるっていう都市の現状。スロープに後付けでコンクリの柱、さらに排除アートときたもんだ。わざわざバリアフルにしてどーすんのよ。マジでやめちまえ。#排除アート #2020東京オリンピックパラリンピック pic.twitter.com/RlObdfFJLX
— 沼田学 (@numa_tamago) August 23, 2019
この写真は、バリアフリーのためのスロープの先に、柱が設置されてしまった、極端な例である。
こうなるとベビーカーも、車椅子も通る事ができない。
(これは多分スケートボーダー排除「アート」)
こちらは、東京スクエアガーデンにTOKYO BENCH PROJECTとして設置されたベンチである。いくらベンチで人に寝てほしくないとはいえ、これでは複数人で座りたい人達も、座りづらくないだろうか?
togetterにはこのベンチを制作した、最後まで突起を付けることに抵抗したデザイナーの方の思いがまとめられている。
私自身も、渋谷の人よけオブジェのゴツゴツした箇所にゴミが溜まり、悪臭が漂っているのが最近気になった。
きちんと管理しないと、凹凸が故に、道のゴミをキャッチする良いフィルターになってしまう。そんな場所、きっと日本に沢山あるんだろう。
普段全く気にしてなかった人も、都市の不寛容さと、特定の行為を排除する「アート」「デザイン」と呼ばれるものを意識し、少し視点を変えて街を見てみてはいかがだろうか。
ご覧いただきありがとうございます。
参考https://bijutsutecho.com/magazine/insight/23127#.YJPSW8wbW2k.twitter
排除アートと過防備都市の誕生。不寛容をめぐるアートとデザイン / 美術手帖
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