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グラフィックデザイナーの就職活動


はじめまして。
グランドデザインでデザインディレクターをやっています。


新卒からデザイン関係のお仕事をはじめて早や12年。

いろんなデザイン会社を点々としながら今回で6社目。
今年の3月にグランドデザインにやってまいりました。

これまで務めてきた会社は今回で6社目。

転職の合間に短期派遣で勤めた会社も含めれば
10社以上は見てきたでしょうか。

転職の多いこの業界とはいえ
同じ会社に何十年も勤めている人もいるというのに
なんともお恥ずかしい話です。


ただ前向きに考えてみると
いろんな会社を実際に内側から見てみるというのは
なかなか得難い経験でもありました。

そんな「転職中級者」という不名誉な肩書きを利用して
つらつらと思ったことを書き留めていこうと思う次第であります。

就職にお悩みのみなさんへ少しでもお役に立てれば幸いです。


1.デザイン事務所とかプロダクションって何が違うの?

まず私がこれまで務めてきた会社は

・デザイン事務所
・制作プロダクション
・広告代理店
・クリエイティブエージェンシー

などなどいろんなジャンルがありました。

ていうか何が違うの?っていうのが
特に若手のみなさまの本音ではないでしょうか。


ただ、ネットで違いを調べてみても
明確な区分けをしている記事はほぼ見当たらず
実は線引きがちょっと難しかったりします。

たとえばグラフィックデザイナーという職種も
昔は平面デザインのプロという意味合いも強かったですが

近年ではコピーライティング、プロダクト、内装のほかにも
デジタル領域やムービーなどを手掛ける人もいます。

アートディレクターという肩書きも
クリエイティブディレクターみたいな人もいれば
バリバリ現場で手を動かすデザイナーのような人もいます。

会社の棲み分けもかなり曖昧です。

たとえば「クリエイティブエージェンシー」といえば
十数年ぐらい前までは、もと広告代理店のイケてる精鋭クリエイターたちが
少数精鋭で大きい広告をやっているイメージ(だった気がします)でしたが

いまではいろんな会社が
クリエイティブエージェンシーを名乗っているので
デザイン事務所?制作会社?プロダクション?
というのが年々曖昧になってきている気がします。


そんな感じで、無理やり分類するとすれば
(完全に独断と偏見で書きますので温かい目でスルーしてください)


○デザイン事務所
・スタッフが少ない
・クリエイティブ主義 or お金稼ぎたいの両極端が多い
・福利厚生ってなんですかみたいな事務所も多い
・有名先生がいたりすると案件もでかい
・ある程度規模が大きいと「デザイン会社」になったりする

○制作プロダクション
・広告代理店の案件が中心
・デザイン作業はみんな手が早いので新卒基礎トレにはもってこい
・広告代理店100%の会社もあるし直クライアント半々の会社もある

○広告代理店
・規模やジャンル、部署によって違いすぎるので書ききれないので割愛
・グラフィックデザインのジャンルにしぼって超ざっくりいうと
 広告キャンペーンの企画&ディレクションするところ

○クリエイティブエージェンシー
・少数精鋭&中・大規模案件
・実質はデザイン会社、というとところも多い
・有名クリエイターが集まっているところは仕事もすごい

○クリエイティブギルド
・フリーランスと兼業デザイナーが集まっている
・案件ごとにスタッフをアサイン
・スキルをある程度以上ベテランが集まる

あんまり書きすぎるとアレなのでいろいろと割愛していますが
ざっくりいうとこんなイメージでしょうか。


自分は企画からやりたいのか、制作をひたすらやりたいのか、
そのあたりで選ぶポイントが変わってきそうですね。

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2.どうやって会社を選んでるの?


そもそも転職って超不安ですよね。

この業界に限った話ではありませんが
年単位で長い期間を勤めるというのに
1〜3回の面接のみで
お互い合うか合わないかを見極めるって至難の業ですよね。


取り扱っている案件が思ったものではなかったりするかもしれないし
会社の中の空気感がすこぶる悪いかもしれないし
入ったはいいものの経営状況が芳しくないかもしれないし。


私も転職活動はじめの頃は求人票から自力で探すこともありました。

けど会社の内情を知らずに一か八か求人票のみの情報で入社するって
実はかなりハイリスクなんじゃないかと思いました。
(求人票の内容と全然違うこともしばしば)


ホントはインターンみたいに数ヶ月体験してみるのが
個人的には良いなと思うのですが
現実的にはなかなかそうはいかないですよね。


そんなリスクを回避すべく
私は転職支援サービスをよく利用していました。


社内の空気感なんていうのは
書類上ではわからないなーというようなポイントは
なかなか書類上ではわからないものです。

なので私は気になった会社をとにかくピックアップして
内情を詳しい人にひたすら根掘り葉掘り尋ねるのが
リスク回避として最善の手段ではないかと考えた次第であります。


個人的に一番重要視したいのは
やはり会社の雰囲気だと思っています。

うまく言っている会社はやはり空気感が前向きだったり
社員同士でよくご飯に行ってたりします。

そういう会社はやはり離職率も低いし
仕事に追われるだけの日々ではなく
いろいろうまく循環している気がします。


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3.転職するタイミングは?


最初に転職を考えたのは入社して1年ぐらいだったと思います。

新卒あるあるかもしれませんが
入社してしばらくして仕事のやり方を覚えだした頃に
同期とかで飲みにいくと、いろいろ情報が入ってきます。

「あいつ今〇〇キャンペーンの仕事やってるらしいよ」とか
「俺こないだ〇〇賞に入賞してさー」とか

なんだか周りばっかり活躍して
自分ばっかり置いてけぼりを食らってるような気がして
日に日に焦燥感ばかりが募っていきました。

そうなると考えてくるのは
「あーほんとにこの会社のままでいいのかなー」
みたいな邪念がむくむくと頭をもたげてきます。

隣の芝生は青いと言いますか、
「いまより幸せな環境があるんじゃないか」
とか考えてしまいがちです。

けど後々になって気づいたのですが

みんな同期には自分のいい仕事の部分ばっかり(盛って)伝えている

ということでした。


なので周りの声に流されて焦って転職しても良いことはないので
「同期に負けないぞ!」ぐらいの気持ちで
いまの仕事を一生懸命やるほうが100倍健全ですよね。

余計なことを考える暇がないぐらい
いま抱えている案件をとにかくひたすら良くするほうが
何倍も大事かなと思います。


個人的に一番転職がふさわしいタイミングは
この会社で学ぶことはゼロだな、ってぐらい
仕事をがんばってスキルが身についた頃

自分のやりたいことを整理して
ステップアップの転職というのがいいタイミングだと思います。

もちろんいま勤めている会社に長く勤めて
年々ステップアップしていけるのが一番理想的だと思います。


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4.ポートフォリオのまとめ方


これはもう世の中にありとあらゆる指南書が溢れていますが
一貫して言えることは

「ポートフォリオの文章なんて担当者はほぼ読まない」

ということではないでしょうか。


ちょっと語弊があるかもしれませんが
やはりデザイナーなわけですから

ビジュアルをパッと見たら大筋が伝わって
補足のテキスト数行で情報が完結する

という仕組みでないと
ポートフォリオとしての完成度は低いと見られることが多い気がします。
(プランニングが含まれる場合は除きます)


特に学生の頃は作品や課題に対する熱量がすごいので

言いたいことを鬼のように書くから全部読んでほしい!

という気持ち圧がすごいポートフォリオも多々見られますが
学校課題と違って現場の人たちは隅々まで読んでくれないことも多いです。

一番伝えたい情報を端的にまとめるというのも
この業界の必須スキルであるとも言えるのではないでしょうか。


ですので、個人的に思う重要ポイントは以下の通りです。


新卒採用
・表紙が目立つこと
・ちゃんとレイアウトされていること
・奇をてらいすぎないこと


中途採用
・見やすくレイアウトされていること
・端的な説明文を添えること
・自分の担当箇所がわかること


上記さえクリアしていればポートフォリオとしては
及第点ではないでしょうか。

やはりポートフォリオのガワも重要ですが
最優先は仕事の内容が一番見やすいことだと思います。


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5.面接のポイント


おそらく一般の大企業と違って
ガチガチの尊敬語やマナーを駆使する必要がないかなと思っています。

「御社の〇〇という理念に共感を抱きまして...」
みたいなのを喋る人はむしろ敬遠されるイメージです。

「面接は平服でお越しください」と書いてあるのに
実はスーツで来なきゃいけないみたいな昭和っぽい罠を仕込む会社は
この業界にはあまりないのではないでしょうか。
(もしあったとしてもそんな会社は入らなくていいかなって思います)


当然ですが面接においては
「コイツ面白そうだな」とか
「普通にコミュニケーションとれそうだな」とか

そういうのを見ている会社が多い気がします。

裏返すと、デザイナーという問題児たちは
「一般的なコミュニケーションすら取れない人が多い」
っていうことの裏返しでもあったりします。

つまり、「普通に」ハキハキ喋れるだけで
面接が有利な印象になるという不可思議な業界でもあります。

先輩とメシ食いながら雑談しているぐらいの
面接の空気感になれることが一番な気がします。



以上です。

長文ではございましたが
最後まで読んでくださりありがとうございました。

みなさまの就職活動に少しでもお役に立てれば幸いです。

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