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アフターコロナとDXという巨大隕石

ごきげんよう。お久しぶりです。

さて、今日もインターネット老人会らしく昔話から始めようと思います。今から20年ほど前のことです。私はとあるメーカーの営業本部情報武装推進室という物騒な名前のところにデスクを置いてそのメーカーが自社で構築した営業支援システムの改善と、全国の販売店に導入したそのシステムのメンテナンスをする部隊でシステムエンジニアとして働く会社員でした。

で、ある日上司からとあるソフトの評価を頼まれ、その会社のプレゼンテーションを受けることになりました。

初めて聞くそのソフトの名前は「セールスフォースドットコム」という名前でどうやら僕らが作ったクライアントサーバー型の営業支援システムと同じようなものらしく、次期営業支援システム検討の話をどこかで聞きつけたであろうその会社が是非一度見て欲しいと持ち込んで来たようでした。当時僕らが扱っていたレガシー(基幹システム)はすべてIBM製で、もしかするとその会社の社長さんは日本IBM出身だといいますからそのツテで来たのかもしれません。インターネッツを使った最新のセールスツールを売るのも「手売り」なんだなー。と思ったのをよく覚えています。

で、プレゼンを受けて、僕はひっくりかえるくらい驚きました。こいつはすごい。すごすぎる。僕らが苦労していたり、欲しい機能が既に実装されているし、カスタマイズだってできる。インフラも含めて面倒見てくれるならこれほどいい話はないじゃないか。iModeみたいにモバイルでもインターネットができる時代が来ているし営業マンだって外からリアルタイムにデータを参照できるようになれば現状の年中データ不整合だ、レプリケーション(複製)だと悩んでる話だって無くなる。一言で言うなら、「これでいいじゃん」だ。

と言うわけで僕は、そういうレポートを書いて興奮しながら上司に見せたわけです。「すげーすわ!これはすごい!」というレポートを。

で、プレゼンにも同席して、そのレポートを見た上司は言いました。

「書き直せ。」

「ファ?なんでですか?」

「書き直せ。これではうちらの仕事がなくなるぞ。」

今考えると、僕が会社を辞めて起業をしようと思った最大の原因というか、出来事はこれだったのかなとも思います。

その後クラウドが一世を風靡するのは誰もが知るところで、セールスフォース社も順調に成長。SaaSと呼ばれるようになったそのクラウド型営業支援サービスは一大産業となりセールスフォース社はその旗手となったのは皆さんご存知の通りです。

さらにこのコロナ渦の中、株価は急騰。なんと、昨日(2020/8/26)、一昨日(2020/8/25)だけで株価は500億ドル、500億円じゃないですよ500億「ドル」、約5兆円の時価総額を積み上げているじゃぁないですか。

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新型コロナがリモートワークを始め非接触を推奨する新たな行動様式を世界中の人間に強いる中、当然ビジネスプロセス、特にセールスプロセスの変容が決定的になっており、折からの金融緩和もありお金が集中してきているのでしょう。にしても2日で5兆円とはすさまじい数字です。

で、、、、

本日(2020/8/27)空前絶後の絶好調。セールスフォースドットコム社から発表されたのが、なんと、なんと1000人の人員削減。要はクビです。

主に営業要員とカスタマーサポート要員を中心に削減するとのこと。

>Salesforce Fires 1,000 On Day Its Stock Soars To All Time High | Zero Hedge

 https://www.zerohedge.com/markets/salesforce-fires-1000-day-its-stock-soars-all-time-high

好業績セールスフォースが1000人削減、セールスと顧客対応-関係者(Bloomberg)
#Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/890487cd0a2708d3aacf76e5d213d31300234055

わっはっは。最高にCoolですね。

ああ神よ!なんですかこれは?

資本主義というゲームは、どこまでクソゲーなんですか?

仕事とは、正しさとは、人間とは、なんなのでしょうか?

毎日意識高い人達がワーワー言ってる生産性とか、付加価値とかってなんなのでしょうか?

私はあの20年前の上司を思い出してしまいました。

部長!あなたは正しかった!セールスフォースは僕らを焼き、世界を焼き、そして自らの手足まで焼き始めました!

実にエモいですね。

一つ言えるのは、アフターコロナの世界線は、気合と根性の体当たり対面セールスでのし上がったり、笑顔と細やかな気遣いと寝技でチャンスを掴んだりという蜘蛛の糸が細くなる世界ではないかということです。

今日は実に記念すべき日だなと思います。

今日はいつもの「持ち場で頑張りましょう」という言葉では締めくくる自信がありません。

ついにやってきた新型コロナという巨大隕石の激突を受け、今の持ち場の状況が大きく変わるであろうからです。

手遅れということもないでしょう。我々が恐竜として死に絶えるか、哺乳類として後の繁栄を手に入れるかの分かれ道。持ち場を考えなおして行動すべき時なのかなと朝っぱらから思わされました。

おしまい

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