性癖学:おっぱいサイズ学概論
さて、性癖を語る上では避けられない、おっぱいについて今回は触れていこうとおもう。
今回敢えて『おっぱい』というタイトルを据えさせてもらったのは、「胸」だと固い印象がしてしまうからだ。
やっぱりおっぱいは柔らかくないと。
今回は性癖として今回はあくまで胸そのもの、主にサイズについて主に触れていきたい。
さて、紳士諸君は、どんなサイズのおっぱいが好きだろうか。
大きい方が好き、小さい方が好き、はたまた全ての胸を愛する博愛にしろ、嫌いという人はいないかと思う。
ちなみに筆者は博愛主義者であるが、
それぞれに対して感じる感情の根源が異なるように感じている。
それはまた後日分析していこうと思っているが、今は置いておこう。
さて、その胸のサイズであるが、こうしてサイズにフォーカスを当てた時、それを表す言葉の種類に驚く。
巨乳、貧乳をはじめとして、大きい方は爆乳・超乳・魔乳、小さい方は微乳・無乳・まな板などと言われる。
普通で考えれば大中小あれば十分なように思うのだが、それでは足りなかったらしい。
そもそも言語というのは、必要に駆られたときに発達するものである。
英語では長くとも短くとも箸をchopstickというが、日本語では菜箸と箸で分けるように、
使用頻度や目にする機会が多く、明確に分類する必要に駆られたときに新しい単語が作られていく。
但し、シンプルにサイズのみによって名前を変える名詞は、他のものにはなかなか見られない。
大体のものは用途が違ったり、丁寧さが違ったり、積み重ねた年月が違ったりするのに合わせて呼び名を変えるのが通例的であろう。
サイズのみで呼び名を変えるのは出世魚ぐらいのものだと思うが、
そもそも出世魚は地域ごとに捕れる姿が違うせいで、
同じものだと考えられていなかったために名前が分かれたと言われている。
同等のものと考えるのは間違いだろう。
おっぱいの大きさが違うからと言って、おっぱいではないと考える人はいない。
少なからず日本人はおっぱいが大好きで、こだわりが強いのであろう。
ちなみに英語でも、"flat chest","small breasts","large breasts","huge breasts","gigantic breasts”などという表現が存在する。
それぞれ、まな板、貧乳、巨乳、爆乳、超乳と訳すべきであろうが、そもそも日本人とは男性が好む平均の所謂「美乳」ラインが違うため、
想定していたよりも有り得ないほどデカイことがある。検索する際には注意しよう。
しかし、ここで気付くことがある。
英語と比較すると、日本語は小さい方の語彙が多い。
英語圏では小児性愛者は日本よりも、圧倒的に悪とされている。
よって検閲などにもかかりやすく、
アンダーグラウンドでは乱発される言葉も日本には入ってきていないということもあるのであろうが、
"oppai loli"という言葉が伝わっているのを見る限り、そもそもロリ界隈の語彙は少ないようである。
ここで気になるのは、語彙の方向性である。
それは即ち、分類する必要があったということだ。
貧乳と微乳と無乳では受ける印象とイメージするサイズが違うのは感じてもらえると思う。
例えば、小さい方が好きだが、全くないのはちょっと、というニーズを満たすのが微乳なのである。
このように、サイズごとに満たす性癖が異なるからこそ、それぞれに異なる名前が付けられたのだろう。
ただ語彙というものは、他者との会話において必要に応じて発達するものである。
貧乳などという人前で話題に上げることが憚られる語彙が如何にして発達したのか?
そもそもこういった近年の言葉の発展には、
インターネット黎明期の『2ちゃんねる』(現5ちゃんねる)の関与は外せないと考えている。
まだインターネットの通信がそこまで大容量ではなかった時代、
ネットでのやりとりといえば文字による部分が主流であった。
画像を用いることもできたが、当時はカメラの性能も低く、スマートフォンもなかったため手軽に画像を投稿出来なかった。
物凄い勢いで情報が飛び交う中で、文字ベースでのやりとりをするしかなかったのである。
そこで発達したものとしてよく挙げられるのはアスキーアートであったり、ネットスラングと呼ばれるものであるのだが、一方で、『性癖』を表す言葉も多く発達したと筆者は考えている。
自分が好きなものを語る時、周囲に理解されたい、自分が感じているフェティシズムを共有したいという気持ちが発生し、
しかしそれをズバリ表す単語、表現がない時に新しい言葉が生み出されたのではないか。
さらに2ちゃんねるという匿名性がそれに拍車をかける。
誰が話しているかは分からないが、そういった性癖は理解できる、
自らも匿名であるが故にその共感を表出できるという安心感が話の盛り上がりを生み、
そうした仲間意識によって語彙が広がって、いつしか万人に通じる言葉になっていったのではないか。
今までは表に出すことが許されなかった、唾棄されるような性癖を持ったものたちが、
こぞって2ちゃんねるで昼夜問わず己の性癖について議論していたのである。
特に『ロリコン』のように、匿名でないと己の性癖を主張できなかった人達には、
ここが唯一の自分の性癖を開放できる場になった。
そうして生まれたのが、『貧乳』の語彙ではないか。
つるぺた、ちっぱい、無乳などは、明らかなネットスラングの盛り上がりにおいて生み出されたように思える。
だからだろうか、現代では、大きい場合に比べて明らかに小さい方が語彙が多い。
また一方で、悪口になりうるものほど語彙というものは増える傾向にあるので、
貧乳のほうが叩きやすいという部分もあるだろう。
特にまな板やペチャパイ、絶壁などは明らかな侮蔑の言葉であり、
インターネットの発展よりも早く発達したものであろうことは想像に難くない。
実際に昭和の雑誌から散見されるようになった表現のようだが、巨乳との対比に使われていることが多かったようである。
逆に豊かな胸を指す悪口は思いつくものが少ない。ウシチチ、デカパイぐらいのものだろうか。
しかしこれらも単なる悪口ではなく、悪く言って逆にいい、というようなニュアンスを感じ取れる。
日本人はそもそもロリコンが多いことで知られている節がある。
だからこそ、近現代において世間的に「正しい」と考えられている巨乳崇拝主義に対するアンチテーゼとして、
鬱屈されていた貧乳へのリビドーがインターネットの発展に合わせて表出したように思えるのである。
いずれにせよ、胸の大きさにおいて、人間、特に日本人というものは尋常ではないレベルのこだわりを持っているようである。
次回はそれぞれにおいてより深く掘り下げていこうと思う。
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