子育ての迷子にならないために。目的を持つという“魔法のコンパス”
ある日、仕事を終え保育園に迎えに行った帰り道、息子がふとしたことで駄々をこね始めました。「早く家に帰りたい」と言っていたのに、途中で遊びたくなったようです。疲れているのに抱っこをせがまれ、買い物袋を片手にイライラが募る中、ふと気づきました。
「私、なんでこんなにイライラしてるんだろう?」
日々の子育てに追われ、つい目的を見失いがちな私たち親は、“行動”だけが先行してしまうことがあります。泣く子をあやす、おむつを替える、食事を作る……一つ一つは必要なことなのに、心のどこかで「何のためにやっているんだろう」と感じることがありませんか?
それは“目的”が見えなくなっているから。子育てをする上での“魔法のコンパス”を見つけることが、親としての心の余裕を生み出す大切なステップになります。
子育ての行動が“目的”を失う理由
そもそも、なぜ子育ては“目的”を意識しづらいのでしょうか?それは、子どもという存在が親の“行動”なしでは生きられないからです。生まれたばかりの赤ちゃんは自分では何もできません。だから、私たち親は自動的に行動を始めます。
例えば、仕事の場合は「お金が欲しい」「キャリアを積みたい」という目的があります。それがあるからこそ、努力や工夫が可能になります。しかし、子育てはどうでしょう?
「おむつを替える」「ご飯を食べさせる」「保育園に送迎する」……これらは全て、目の前にいる子どもの命を守るための行動です。そのため、多くの親が“目的”を考える余裕もないまま、ただ“行動”を繰り返してしまうのです。
周りに振り回される親たち
“目的”がないまま行動を続けると、私たちはどうなるのでしょうか?
その答えは「周りに振り回される」という状況です。
例えば、SNSで「手作りお弁当」の写真を見た時。「私は毎日冷凍食品を使ってるけど、これでいいのかな?」と悩んだり、スーパーで「子どもにお菓子を与えるなんて」と知らない人に注意され、深く傷ついたりしたことはありませんか?
これは、自分の“目的”がはっきりしていないために、他人の価値観に影響を受けてしまうからです。「あの人は◯◯している」「私は親としてダメだ」……こうした思いに振り回されるのは、“行動”の先にあるべき“目的”が見えなくなっている証拠です。
子育ての“魔法のコンパス”を見つける方法
では、どうすれば子育ての“目的”を見つけられるのでしょうか?大切なのは、自分自身に問いかけることです。
「私はどんな家族を作りたいのか?」
「子育てを通して、どんな自分になりたいのか?」
「子どもにどんな未来を届けたいのか?」
答えは人それぞれです。例えば、こんな“目的”が考えられます。
• 「毎日、家族で笑顔で過ごすことを大切にしたい」
• 「子どもが健康で元気に育つようサポートしたい」
• 「子どもと過ごす時間を大切にしながら、自分のキャリアも磨きたい」
これらの“目的”を意識することで、日々の行動に意味を見出せるようになります。例えば、「子どもと笑顔で過ごす」ことを目的にしているなら、料理を時短した分、子どもと遊ぶ時間を増やしてもいい。「子どもの健康をサポートする」ことが目的なら、適度な運動を取り入れる工夫を考える……といった具合です。
私自身が見つけた“コンパス”
ある時、私自身も自分の“コンパス”を見つけました。それは「息子にとって、安心できる存在でいる」ということです。
子どもにとって親は“安全基地”であるべき、という言葉がありますが、まさにそれが私の“目的”です。この目的を持つようになってから、周りに振り回されることが減り、行動に自信が持てるようになりました。
例えば、休日に息子が駄々をこねた時も、「この子は今、甘えたい気持ちを表現している」と思えば、イライラしなくなりました。また、仕事で忙しい日は「今日の私は息子にどう映っているだろう?」と自分を振り返るようになり、ただ怒鳴るだけではなく、冷静に接する努力をしています。
子育ては目的を持つことで変わる
“目的”を持つことで、子育ては驚くほど楽になります。自分だけの“魔法のコンパス”を見つけることで、他人と比べることなく、自分のペースで子育てを楽しめるようになるのです。
最後に、あなたもぜひ、自分なりの“目的”を考えてみてください。そして、それを意識しながら行動してみてください。きっと、心が軽くなり、子育てに対する向き合い方が変わるはずです。
子育てに迷子にならないために。今日から、“魔法のコンパス”を手に入れましょう。