「ごめんね」--言える子、言えない子の違い
「ごめんね」が言える子と言えない子
みなさんの周りにも、「ごめんね」がすぐに言える子と、そうではない子がいると思います。この違いはどこからくるのでしょうか?
結論から言うと、
それは親が子どもに「謝る姿」を見せているかどうかだと思います。
たとえば、親が自分の間違いを素直に認めず、子どもに謝らない姿を見せていたら、子どもも「謝る」という行動を自然には覚えられないでしょう。逆に、親が間違った時に素直に謝る姿を見せていると、子どももその行動を学び、自分が悪いと思ったら自然と「ごめんね」と言えるようになります。
私は、息子に対して間違ったことをしたときは、必ず謝るようにしています。たとえば、息子との約束を忘れてしまったときや、忙しい時にイライラしてしまい、つい冷たくしてしまったとき。こうした場面で「ごめんね」と謝ることは、子どもとの信頼関係を築くだけでなく、「謝る」という行動そのものを教える大切な機会だと思っています。
公園での出来事
先日、こんなことがありました。
息子と公園の遊具で遊んでいたときのことです。その日は小学生くらいの子どもたちも多く、遊具を使いながら鬼ごっこをしていました。「少し危ないな」と思いつつ見守っていたのですが、案の定、1人の子が息子にぶつかってしまいました。
息子は後ろから不意にぶつかられたため、前に吹っ飛ぶ形で転んでしまいました。もちろん、大号泣です。「もう帰る」と言ったので、そのまま帰ることにしましたが、私は内心モヤモヤしていました。
ぶつかった子どもは、自分よりも明らかに小さい息子にぶつかったのに、「ごめんね」と謝ることなく、そのまま遊び続けていました。
息子との会話
帰り道、落ち込んでいる息子に私は言いました。
「もし自分が逆の立場になって、小さい子にぶつかっちゃったら、ちゃんと『ごめんね』って言ってあげてね」
「なんで?」
「そうしたらお互い嫌な気持ちにならないからだよ」
「わかった」
息子は素直に頷きましたが、その後、しばらく歩いているとポツリと一言。
「あのお兄さんは赤ちゃんなのかな?」
「どうしてそう思うの?」
「だって僕にぶつかっても謝らなかったよ」
この言葉を聞いたとき、私はハッとしました。息子にとって「謝れない」という行動は、まだ成長途中の赤ちゃんのようなものと感じられたのでしょう。
謝れない大人もいる
息子の一言に考えさせられました。確かに、謝れない人は子どもだけではありません。私たち大人の中にも、自分の間違いを認められず、謝ることができない人が少なからずいます。
でも、本当に素直に「ごめんね」と言えることは、人間関係を良くする大切な一歩だと思います。たとえば、仕事でミスをしたときや、家族に対して言い過ぎてしまったときに、きちんと謝るだけで、お互いの気分がぐっと軽くなることがありますよね。
謝るという行動は、自分の非を認めることでもあります。だからこそ、プライドが邪魔をして、謝ることを難しく感じる人も多いのかもしれません。でも、親である私たちが素直に謝る姿を子どもに見せることは、子どもに「人として大切なこと」を教える最大のチャンスだと思います。
謝ることが教えるもの
「ごめんね」は、ただの言葉ではありません。それは相手の気持ちを思いやり、自分の行動を振り返る行為です。そして、その姿勢が相手との信頼関係を築く基盤になります。
親が子どもに謝る姿を見せることで、子どもも「謝ることは悪いことじゃない」「素直になることで関係が良くなる」ということを学ぶのです。
最後に
息子との会話を通じて、「謝る」というシンプルな行為の奥深さを改めて感じました。そして、息子にとって「謝らない人は赤ちゃん」という表現が、どれほど本質をついているかに驚かされました。
この記事を読んでくださった皆さんは、どうでしょうか?
最近、誰かにきちんと「ごめんね」と言えていますか?
そして、子どもたちに「ごめんね」を伝えられる親でありたいと感じていますか?
素直な謝罪の一言で、私たちの周りの人間関係がもっと温かくなるはずです。「謝る勇気」を持つことで、子どもたちにもその大切さを伝えていきたいですね。
息子の成長を通じて、私もまた一つ、親として成長することができました。