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『ガチ星』
江口カン監督の映画。
主演は安部賢一さん。
元々は、福岡県のみでオンエアされたテレビドラマとして作られたこの作品。
それを再構成して映画化したそうです。
公開された当時、気になってはいたんですが劇場に観に行くことができず、やっと観ることができました!(劇場公開から2年も経っている…)
この映画、なんのスポーツ映画かと言いますと、「競輪」です。
プロ野球選手だった主人公・濱島浩司は戦力外通告を受けて、ひょんなことから競輪学校に通い競輪選手を目指す、40歳の男が再起を目指すスポコン映画です。
この濱島という男はとにかくダメな男です。
プロ野球で現役の際も、登板直前にタバコを吸っていますし、戦力外通告を受けてすぐ奥さんと喧嘩し、その足でキャバクラで豪遊。妻と子供は濱島から離れていきます。
酒にタバコにパチンコと、ひたすらに自堕落な生活を送り、友人の店で働かしてもらっているのに、その友人の奥さんに手を出してしまい…
そんな濱島が、行きつけのラーメン屋で「競輪学校は年齢制限がない。」という話を聞き、競輪学校への入学を決める。
しかし、周りは20歳近く離れた若者たちで、教官も年下。
元プロ野球という肩書きは、そこでは何の意味もなく、教官からは罵声を浴びせられ、同期たちにはイジメのようなことをされてしまう。
そのような状況でも、なんとか過酷なトレーニングに食らいつくも、相変わらず休みの日になると酒やタバコが辞められず、結果は振るわない毎日。
そんな濱島は、練習量が半端なく成績も優秀な同期の久松が同郷ということを知り、そこから物語は新たな展開に…。
みたな感じのストーリーです。
This is スポ根映画です。
物語の展開もテンポが良くて、構成力も◎、俳優陣も素晴らしく、106分間楽しめました。
どうしようもないクズ男の濱島に、感情移入できない人もいるかもしれませんが、誰かが頑張る姿っていうのは、気持ちを揺さぶられますね。
そして、この映画の見所と言えば、レースのシーンです。
迫力が物凄いです。臨場感が半端ないです。
でも、確かに、あの迫力・臨場感の映像でないと、映画として成立しないくらい、物語を通しての熱量がすごかったので、レースのシーンで気持ちが途切れることなく最後まで観ることができた気がします。
ゴール前は、レースというか、最早格闘技に近いものがありました。
個人的に好きなシーンは、最後のレース前に濱島と久松が交わす会話のシーン。
濱島と久松が初めて向き合う、そんなシーンでグッときました。
あ、あと、濱島がプロになった後、教官と飲みに行った帰りに言われた言葉は、教官の人柄が詰まった一言だなあと。その一言に、濱島がどれだけ救われたことか。
登場人物の台詞にも、気持ちを揺さぶられる瞬間がありました。
「努力すれば結果になる」
努力をし続けることに意味がある。
ただ努力するのではなく、結果に繋がるまで努力を続ける。
結果が出ても努力し続ける。
この映画に出てくる登場人物に、努力の大切さを教わりました。
熱い気持ちになりたい方や、スポ根映画欲している方は、是非ご覧ください。
以上、海上の映画noteでした。
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