運送業を家業に持つ、兼本 竜弥さん
山口県でお父様自身が起こした運送業を家業に持つ兼本 竜弥さん。お父様だけでなく、お母さまもご自身で事業をやっています。現在は株式会社オンリーストーリーで猛進する日々。そこまでの道のりを聞きます。
(メインの写真出典元:株式会社オンリーストーリーのwantedlyページより)
格好いいトラックを乗り回す、自慢の家業
「山口県で父親が運送業を営んでいます。母親は行政書士。それも家業に数えるとしたら、両親ともに家業を持っていることになりますね」
大きなトラックを乗りこなす運送業をやっているお父様は、いつも自慢でした。
「父が運送業を起業したのは小学校六年生の時でした。それからは、トラックの写真を見せてもらったり、ゲームもトラックが出てくるものが好きでした。デコトラってあるじゃないですか。ああいうのが格好いいと思う年頃でもあったので、家業は自慢でした。父を含めた運転手さん5人くらいが話しているのをよく見ていました」
ほろ苦い家業との思い出
家業に憧れをいただいていた一方で、家業に関する初めての思い出は少しほろ苦いもの。
「高校生の時、進路を考えているなかで、気軽に「その時うまくいっていなかったら会社を継ぐよ」と言ってしまったんです。それが父の逆鱗に触れて、怒られてしまって。今思えば家業に縛られずに自由に進路を選んでほしいというメッセージだったのかもしれませんが、それから少し家業に距離ができてしまいました」
その後なかなか距離を縮めることができなかったのには、理由がありました。山口で運送業を営むお父様は単身赴任で、兼本さんはお母さまと一緒に離れて暮らしていたのです。
「年に2,3回くらいしか会うことができず、家業についての本音は未だに聞けていません。母からもあまり仕事の話をきいたことがなく、どちらかというとあまりうまくいっていないのかなという印象を持っていました。だから、一度家業とは関係のない分野で就職しようと思ったんです」
就職して見えてきた家業を起業した父の想い
それで選んだ就職先は、金融系。家業をいつか手伝うという気持ちが表れている就職先のように思えます。ご本人はこの業界を志望した理由をこう語っていらっしゃいました。
「父親が社長をしていたのもあって、自分でいつか事業をやりたい、独立したいという気持ちが強かったんです。考えてみれば、父方の祖父も工場の経営者。血は争えないのかもしれません」
就職し、社会人として成長する兼本さんに、お父様も協力的でした。転職を考えている時に思わぬ助け舟を出してくれたのです。
「山口で偶然ヒッチハイカーを乗せた父は、その人と意気投合してその後も交流があったそうなんです。実は、その人がやっている会社を僕に紹介してくれて、それが今僕が働いている株式会社オンリーストーリーというわけなんです。手掛けているのは、社長同士をマッチングするサービス。決裁者と決裁者をつなぐプラットフォームとして全国の社長のみなさんに使っていただいています」
このサービスに全力投球することで、兼本さんの家業との関わりも、一歩踏み出せそうな予感。
「オンリーストーリーで経営者の話を聞いていると、経営者にしかわからない葛藤や孤独、悩みなどがあることがわかってきました。この学びを生かして、次父に会う時には父自身のストーリーを聞いてみたいなと思っています。もしかしたら、父もそうなってから家業を手伝うよと言って欲しかったのかもしれないですね」
多くの社長から学びながら、家業に思いをはせる。兼本さんの決裁者のストーリーを聞く旅は、家業に通じているのかもしれません。
(文:出川 光)
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本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。
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