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保険会社のイノベーションを担当する僕らが「家業エイド」を作った理由
ついに参加人数500人を超えたslackを利用したオンラインコミュニティ「家業エイド」。コミュニティ内では、家業持ちどうしの出会いが今日も生まれています。この運営をしているのはこれまで「継がないけれど家業を手伝う人」をグラフトプレナーと名付けて支援してきたエヌエヌ生命保険株式会社のイノベーションを担当するメンバー。会社が主な事業として取り組む保険事業ではなく、未来の価値を生み出す試みを行っています。なかなか表に出ることのないユウさん、ヤスさん、ミノルさんの3人に、どうして家業を持つ人のコミュニティを運営しているのか聞いてきました。聞き手は「家業エイド」の運営スタッフでもある、コウです。
それぞれの得意分野を持ってこのために集まった3人のメンバー
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——今日お話を伺うみなさんと、私は「家業エイド」の前身「グラフトプレナー」コミュニティの時からの付き合いですが、あらためて自己紹介をお願いしようかと思います。
ヤス「そういえば以前、COO、CPO、CTOを文字って自己紹介したことがありましたよね。今回もそれになぞらえて自己紹介をしてみようと思います。僕はCTO、チーフ手作りオフィサーです」
![スクリーンショット 2020-11-18 14.22.44](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39040149/picture_pc_d73559d2aef27f4f2be2ac508938520d.png?width=1200)
——プロダクトデザインをやっていらしたんですもんね。
ヤス「そうそう。大学でプロダクトデザインを勉強して、前職もメーカーでものづくりをしていました。今でも『家業エイド』や『グラフトプレナー』の制作物を手を動かして作ることがあります」
——では続いて、ユウさんは?
![スクリーンショット 2020-11-18 14.22.23](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39040112/picture_pc_c607adb6ec0712ce97a2e3a7555e527c.png?width=1200)
ユウ「僕はCOO。チーフおいしいものオフィサーです。学生時代から飲食のアルバイトなどをしていて、前職は食に関わる企業の輸入やローカライズなどをやってきたので。国外の有名なサードウェーブコーヒー を日本に持ってくるプロジェトなどに関わっていました」
——さわやかな笑顔の秘密は飲食の経験からだったんですね。ミノルさんはいかがでしょう?
ミノル「僕はCPO。チーフパーティーオフィサーで、空気づくりやエモーショナルなやりとりをする担当です。ついつい入り込みすぎて話を長く聞いてしまったり、盛り上がりすぎてしまう時もありますが、そうやって家業を持っている人とチームをつないでいます」
![スクリーンショット 2020-11-18 14.23.09](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39040174/picture_pc_34ebb088851840a0f8c05a51819fc6a0.png?width=1200)
——ミノルさんはイベントの名司会でもありますよね。みなさんはこのプロジェクトのために集まったメンバーなんですか?
ユウ「ミノルさんはもともとエヌエヌ生命保険株式会社からこのプロジェクトに手をあげてジョインしたメンバー、僕とヤスさんは、そうしてできたプロジェクトにあらたに加わったメンバーです」
ヤス「だから保険のことは何も知らないんですよ。入社する時に何度もそれでいいか確認しましたもん」
ユウ「僕も。でも、本社が今取り組んでいる保険の事業外で、何か中小企業の方に喜ばれるイノベーションの種を見つけて欲しいと考えて作ったチームなのでそれでいいということだったんです」
中小企業の課題を探って行ったら、
継がない家業持ちの課題に出会った
![スクリーンショット 2020-11-18 14.24.01](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39040221/picture_pc_060f6a164d8a767081c9dbf2f4d53f4e.png?width=1200)
——それで始まったのがイノベーションを起こすことを試みる「スパークラボ」ですよね。家業に取り組むことははじめからきまっていたんですか?
ミノル「いえ、全く。はじめは、中小企業を経営している方のインタビューをするところから始まりました。経営者の方に話を聞いたりして。そこで後継者問題についてお話を伺っているうちに、僕らが思っている事業承継とは違う問題や可能性があるんじゃないかと気づいて深掘りしていったんです」
——それはどんなことなんですか?
ミノル「家業持ちの人に声をかけたりイベントを企画していた時に、『継いでないけど家業があります』と言ってくれる人の存在に気づいたんです。継がなくても家業を気にかけたり、サポートしている人がいるんだとわかりました。そうして話を聞いていくうちに、継ぐか継がないかの二択ではない第三の道があるのではないかと。」
ヤス「数字のインパクトもありましたよね。日本に家業があるけれど継がない人は900万人くらいいると気づき、彼らに名前をつけてエンパワーメントしようという思いから『グラフトプレナー』がはじまりました」
——それで「グラフトプレナー」という名前が生まれたんですね。
ユウ「そうなんです。接木を意味する『グラフト』とアントレプレナーをかけてつけた造語です。継がなくても接木のように別のアプローチで家業を大きくしていく人たち、という意味をこめました」
「家業エイド」がこれから目指すこと
![スクリーンショット 2020-11-18 14.24.49](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39040268/picture_pc_301225efd84c437105f274209043ec27.png?width=1200)
——現在500人を超えて人が集まっている「家業エイド」はどうやって生まれたんですか?
![スクリーンショット 2020-11-18 14.25.51](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39040335/picture_pc_0677d115541830ee36e23751369c1eee.png?width=1200)
ミノル「それまで『グラフトプレナー』のイベントで家業を持っている人どうしをつなげたり、課題解決をお手伝いしたりしていたんですが、コロナ禍によってそれも難しくなってしまいました。それと同時に、コロナ禍の影響を受けた家業をどうにかしたいと思っている家業を持つ人たちの温度が上がっていることにも気づいて何かできないかと立ち上がったのが『家業エイド』です」
——私も運営スタッフをしていてこんなにいろいろな家業を持っている人とつながれるのかと驚きの連続です。「家業エイド」をやっている醍醐味はどんなことでしょう。
ヤス「やはり家業を持っている人同士がつながって、これまでになかった価値が生まれたり、親御さんと家業の話ができたりという話を聞いた時ですね。メンバーの中にお米屋さんを家業に持つ女性と、お茶屋さんを家業に持つ女性がいるのですが、二人がつながってお互いの家業について意見交換をしたり、それがきっかけで家業についてもっと親子間で話せるようになったなんていう話をきくと、やっていてよかったなって思います。」
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▲「友達と、家業を訪問し合ってみたら家業の本当が見えてきた。お茶屋とお米屋の家業クロストークをしてみて」より引用
ユウ「僕らがきっかけで何かが起きてフィードバックをもらえることが何より嬉しいんですよね。第三者の僕らが介在することで、話しにくい家業のことを話せたというだけでも大きな価値があると思っています」
ミノル「何か自分がやったことで直接感動を得られることと、仕事でガッツポーズやハイタッチをする、ということを夢見て私仕事をしてきたのですが、これがそのプロジェクトなんだと思うことがたびたび起こるんですよね」
——これからの「家業エイド」はどんな風に育っていくのでしょうか?
ミノル「コロナ禍ということでオンラインで立ち上がったコミュニティですが、いつかリアルにつなげていきたいですね」
ユウ「これまでにもイベントがきっかけで出会った人たちが一緒に働くようになったり、何かプロジェクトが起きたのはリアルの場でしたからね」
ヤス「そうやってオンライン、オフライン両軸で家業を持つひとの役に立つ、なくてはならないインフラを作れたらいいなと思っています。企業が主体でやっているからこそ、すぐに終わったりしない安定的なインフラを提供することができるのも僕らの価値ではないかと思っています」
ミノル「それで家業に関わる悩みや課題がひとつでも解決したら、ハイタッチができる!」
ユウ「家業を持っている人を支えられることだったらなんでもチャレンジしていきたいので、これからの活動に期待してください」
これまで4年間も家業に関わるプロジェクトをやっているだけあって、印象に残ったできごとを聞くとここでは紹介し切れないほどのエピソードが飛び出した取材でした。「家業エイド」は、そんな熱い思いを持った「スパークラボ」の3人と、家業を持った運営スタッフが協力してこれからも運営していきます。これから生まれる家業を持つ人どうしの出会いを思うと、わくわくが止まりません。
(取材・文:出川 光)
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